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空き家の補助金の調べ

空き家の補助制度は全国共通ではありません。物件所在地と、片付け・改修・解体などの目的から現年度の自治体制度を探し、公募要綱(制度の条件・申請手順を書いた公式文書)と担当課で対象、期限、併用、着手できる時点を確定します。検索結果だけでは受給可否を決められません。

まだしないこと

倒壊等の危険が差し迫るときは近づかず、消防・警察・自治体等へ連絡する。それ以外は、担当課が示す段階まで契約・発注・着工・前払いをしない

まずすべきこと
  1. 空き家の所在地と支援を受けたい作業を一つ書き出す
  2. 市区町村公式サイトで現年度の要綱・申請様式・更新日を確認する
  3. 未契約・未着手であることを伝え、担当課へ着手前条件を尋ねる

このページで決めること候補制度ごとに対象要件、自己負担、期限、併用、必要書類を整理し、申請準備・保留・対象外を決められます。

空き家所在地と工事目的から自治体の支援制度を探す所有者
公開日 2026年8月31日最終更新日 2026年9月6日法令・制度確認日 2026年9月5日執筆・編集 住まいのよりみち編集部読了目安 17

空き家を所有しているときや相続したとき、片付け・改修・耐震化・省エネ工事・解体などに使える公的な補助金がないか探す場面は多くあります。

結論からお伝えすると、全国すべての空き家に一律で使える万能な補助金制度はありません。空き家に関する支援制度の大半は、空き家がある各市区町村が地域の課題や予算に合わせて独自に設けています。そのため、制度の名前や補助の内容、要件は自治体ごとに大きく異なります。

もらえる補助金を漏れなく見つける基本的な手順は、まず空き家がある場所と工事の目的を決めて自治体の支援事業を探し出し、今年度(現年度)の募集要綱を直接確認することです。

そして契約前に確認すべき重要な鉄則は、工事業者と請負契約を結ぶ前に、利用したい制度の申請タイミングと着手条件を確認することです。自治体の制度の多くは、「交付決定通知書を受け取る前の契約や着工」を対象外としています。一方で、国が主導する省エネ支援事業のように、「工事完了・引き渡し後に登録事業者が申請を行う制度」もあります。契約を結んだあとでは申請できない制度が大半を占めるため、見積もりを取る段階や工事を計画する段階で、正しい手順を確かめておく必要があります。

調べる前に空き家の前提条件を整理する

補助金制度を探し始める前に、まずは対象となる空き家の状況や工事の計画を整理しておきましょう。自治体の窓口に相談したり要綱と見比べたりするときに、前提条件があいまいだと制度を使えるかどうか判断できないためです。

事前に確認して手元にメモしておくべき項目は、次の通りです。

  • 空き家の正確な所在地(市区町村名、地番または住居表示)
  • 登記事項証明書(登記簿謄本)上の所有者名義、および現在の相談者との続柄(単独所有か共有か、相続登記が完了しているか、未了のまま遺産分割や法定相続の状態にあるか)
  • 建物の建築時期に関する情報(建築確認日、着工日、新築年月日・登記日など。制度によって旧耐震基準の判定基準日が異なるため、手元の建築確認済証や登記事項証明書の日付を控えておきます)
  • 空き家になってからの期間、現在の利用状況や管理状態
  • 今回予定している具体的な工事内容(家財の片付け、耐震補強、窓や断熱の改修、水回りの更新、全解体など)
  • 工事の見積概算額、および施工を依頼する予定の業者(所在地が空き家と同じ市区町村内にあるか)

これらの前提を1枚の紙にまとめておくことで、制度の検索や役所への問い合わせが的確に進みます。

工事目的を5つに分類して支援窓口を見当づける

空き家の補助金は、市区町村役場の中でも工事の目的によって担当部署が分かれています。「空き家全般」の窓口だけでなく、工事の目的に応じて担当課が分かれているため、自分の目的に合った分類を把握しておきましょう。

表:工事の目的、主な支援内容の例、主な担当部署の例
工事の目的主な支援内容の例主な担当部署の例
片付け・残置物処分家財道具の搬出、処分費、清掃費用の補助空き家対策担当課、生活環境課、移住定住促進課
耐震診断・耐震改修耐震診断士の派遣、耐震補強設計、耐震改修工事費の補助建築指導課、都市計画課、防災安全課
省エネ・断熱改修高断熱サッシ・複層ガラスへの交換、断熱材施工、高効率給湯器設置の補助住宅政策課、環境課、国の登録事業者経由
居住・賃貸向け改修空き家バンク登録物件の改修、移住者向け住宅改修、水回り更新の補助移住定住推進課、地域振興課、住宅課
除却・解体老朽危険家屋の解体撤去費、不良住宅の除却費用の補助空き家対策室、建築安全課、都市計画課

耐震化に関する補助については、国の支援事業をもとにした枠組みとして、多くの市区町村で耐震診断や耐震改修の補助制度が用意されています(参照:国土交通省「住宅リフォームの支援制度」(新しいタブで開きます))。ただし、この案内ページは各制度を探すための入口です。具体的な補助の要件や実際に募集を行っているかどうかは、各自治体の最新の要綱で確認してください。

解体に関する補助は、多くの自治体で「倒壊する恐れがある」「周りに危険をおよぼす恐れがある」と判定された老朽危険家屋に対象が限られています。すべての空き家が無条件に対象になるわけではない点にご注意ください。

自治体サイトと公的データベースから候補を探す

工事の目的を決めたら、空き家がある自治体でいま利用できる制度を探します。調べる方法は主に次の3つです。

1. 所在地自治体の公式ホームページで検索する

もっとも直接的で確実な方法は、空き家がある市区町村の公式ホームページ内を検索することです。インターネットの検索エンジンで、次のような言葉を組み合わせて検索します。

  • 「[市区町村名] 空き家 補助金」
  • 「[市区町村名] 住宅改修 助成」
  • 「[市区町村名] 木造住宅 耐震改修」
  • 「[市区町村名] 老朽危険家屋 解体 補助」

検索結果を開いたときは、必ずページの上部や更新日を見て、今年度の募集情報であるかを確かめてください。過去に終了した事業の古いページがそのまま残っていることがあるためです。

全国の自治体が運営している空き家関連の公式ページは、国土交通省「全国地方公共団体空き家・空き地情報サイトリンク集」(新しいタブで開きます)からも探すことができます。

2. 公的なリフォーム支援制度検索サイトを活用する

自治体の公式ホームページで見つけにくい場合は、一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会が運営する公的な検索データベースを活用しましょう。

このサイトでは、都道府県と市区町村を選び、支援の分類や方法を指定して絞り込み検索ができます。耐震化、バリアフリー化、省エネルギー化などの目的や、補助、融資といった支援方法から制度を探せます。各制度の概要とともに、自治体の担当窓口へのリンクも掲載されています。なお、検索結果に表示される概要は、必ず各自治体の最新の募集案内と照らし合わせて確認してください。

3. 国の省エネ・住宅支援事業を確認する

外壁や天井の断熱工事、窓の複層ガラス(二重サッシなど)への交換、高効率給湯器への交換などを予定している場合は、自治体独自の補助金だけでなく、国が主導する補助事業も活用できます。

2026年現在、国土交通省・経済産業省・環境省の3省が連携して実施する「住宅省エネ2026キャンペーン」が行われています(参照:住宅省エネ2026キャンペーン公式サイト(新しいタブで開きます))。この枠組みには、みらいエコ住宅2026事業、先進的窓リノベ2026事業、給湯省エネ2026事業などが含まれています。

これらの制度は、あらかじめ登録された施工業者が申請手続きを行う仕組みになっており、工事を発注する個人が直接申請する形ではありません。補助金も登録事業者がいったん受け取り、事前に取り交わした規約に基づいて、工事代金を精算するときなどに依頼主へ還元されます。空き家であっても、対象となる工事や建物の要件を満たしていれば、自治体の制度とは別枠で利用できる場合があります。

現年度の募集要綱で確認すべき要件

自治体のウェブサイトなどで使えそうな制度を見つけたら、広報用のチラシや簡単な案内だけで判断してはいけません。必ずPDFなどで掲載されている現年度の「交付要綱」や「募集要領」を開き、詳しい条件までしっかり読み込みましょう。

要綱では、次の項目を確認します。

1. 対象者の要件

  • 申請者の資格:登記事項証明書に載っている所有者本人に限られるか、法定相続人や所有者の承諾を得た親族でも申請できるか(遺言や単独相続で遺産分割協議がいらない場合や、相続登記が終わっていなくても申請を認める要綱もあります)
  • 居住条件と受け取ったあとの制約:工事したあとに自分で住むことが条件か、賃貸用や売却用として手を入れる場合でも対象になるか。また、補助金を受け取ったあとに一定期間住み続けること(または貸し続けること)が義務付けられていないか、短期間での売却・使い道の変更・解体をする際に自治体の事前承認や補助金の返還義務が定められていないか
  • 税金の納付状況:市区町村民税や固定資産税に滞納がないこと(納税証明書や完納証明書の提出を求められます)
  • 所得制限:前年の世帯全体の合計所得や、所得の上限が決められていないか

2. 対象物件の要件

  • 建物の用途:人が住む専用の住宅か、店舗を兼ねた住宅の場合は居住スペースが一定割合以上あるか
  • 建てた時期の判定基準:旧耐震基準の建物を対象とする場合でも、建築確認日、着工日、完成日(竣工日)のどれを基準にするかは制度によって異なります(例:1981年5月31日以前に着工された建物など、個別の要綱を確認します)
  • 空き家だった期間:1年以上誰も住んでいないなど、実際に使われていない期間が条件になっているか
  • 空き家バンク登録の有無:自治体が運営する空き家バンクへの事前登録が必須条件になっていないか

3. 対象工事の要件

  • 工事の種類:対象となる工事(耐震補強、屋根や外壁の補修、水回りの設備交換、断熱改修、建物の解体撤去など)が具体的に書かれているか
  • 補助の対象外となる経費:家電リサイクル法の対象となる家電の処分費、外構工事(門扉・ブロック塀・庭木の伐採など)、消費税などが補助の対象から除外されていないか
  • 工事の規模と見積もりの内訳:対象工事費の合計が一定の金額(例:総額20万円以上、50万円以上など)を超えているか。また、見積書で補助対象となる工事の範囲・数量・金額がはっきり分かれているか(「一式」とだけ書かれていて内訳が分からない場合は、修正や再提出を求められることがあります)

4. 施工業者の要件

  • 業者の所在地:空き家がある市区町村内に本社や本店を置く、市内の登録業者による工事が義務付けられているか
  • 業者の資格や許可:解体工事業の登録や建設業許可、耐震改修の登録業者、国の省エネ事業における登録事業者などの指定があるか

申請から受給までの手順と2つの申請タイプ

補助金を利用する上で最も重大な過誤が発生しやすいのが、申請手続きのタイミングと申請タイプの違いです。公的な支援制度には、大きく分けて「自治体の事前交付決定型」と「国の登録事業者による工事後申請型」があります。

タイプA:自治体の事前交付決定型(多くの市区町村補助金)

自治体独自の補助金では、契約や着工の前に申請して交付決定を受けることが必須となる制度が主流です。

  1. 事前相談・見積もり取得:施工業者から工事の内訳明細が入った見積書を取り、自治体の担当窓口に条件に合っているか相談します。
  2. 交付申請書類の提出:必要書類(申請書、見積書、工事前の写真、登記事項証明書など)を自治体へ提出します。
  3. 審査・交付決定通知書の受領:自治体が申請内容を審査し、問題がなければ「交付決定通知書」が届きます。
  4. 工事請負契約の締結・工事着工:交付決定通知書の日付以降に、工事業者と正式に契約を結んで工事を始めます。
  5. 工事完了・代金の支払い:工事を終わらせて、業者へ代金を全額支払い、領収書を受け取ります。
  6. 実績報告書の提出:施工前後の写真、工事代金の領収書のコピー、工事の内訳明細書などを自治体へ提出します。
  7. 完了検査・補助金額の確定:自治体による書類審査や現地の確認を経て、「補助金確定通知書」が届きます。
  8. 補助金の交付請求・入金:申請者本人の指定口座へ補助金が振り込まれます。

このタイプでは、交付決定を受ける前に契約を結んだり工事を始めたりすると、その時点で補助金は一切もらえなくなります。

タイプB:国の登録事業者による工事後申請型(住宅省エネ2026キャンペーン等)

一方、先進的窓リノベ2026事業など、国が主導する省エネ事業では、登録事業者と契約を結んで工事を完了させ、引き渡しを行ったあとに登録事業者が申請を行う仕組みが基本です。

申請手続きや補助金の受け取りは登録事業者が行い、最終的な工事代金からの値引き(充当)や返金によって、依頼主(施主)へ還元されます。なお、予算が上限に達する前に補助金の枠を確保するための「交付申請の予約」という制度もありますが、これは工事を始めたあとに行う任意の手続きであり、自治体の事前交付決定とは仕組みが異なります。

どちらのタイプであっても、共通する鉄則は「工事請負契約を結ぶ前に、利用する制度がどちらの申請タイプなのか、契約や着工に関する制約を募集要領で確認すること」です。

予算枠・受付方式・各期限の落とし穴を防ぐ

補助金は、要件に合致していればいつでも必ず受け取れる制度ではありません。自治体や国の事業ごとに予算枠と受付期間が設けられているため、募集要綱と担当窓口で現在の受付状況を確認します。

募集形式には次のパターンがあります。

  • 先着順:公募開始後に受付を行い、申請額の合計が予算枠に達した当日に受付を締め切る形式
  • 期間募集・抽選制:一定の受付期間を設け、募集枠を超えた場合は抽選で対象者を決定する形式
  • 評価・審査制:倒壊の危険度や緊急度、活用計画の内容を点数化し、優先度の高い物件から採択する形式

期限の管理については、受付開始日・申請締切日・予約期限・工事完了期限・代金支払期限・実績報告書の提出期限をそれぞれ分けて把握する必要があります。

自治体の補助金では、工事完了日と実績報告書の提出期限が別に定められていることがあります。通年募集や複数回の募集期を設ける制度もあり、一律ではありません。募集要綱に記載された期限を転記し、工期が長い改修や解体工事では間に合うかを施工業者と調整してください。

自治体のウェブサイトに表示されている予算の空き状況は確定値とは限らず、すでに提出された書類の審査中案件が含まれていない場合があります。最新の受付状況や審査にかかる標準的な日数は、必ず担当部署へ直接確認してください。

国と自治体の制度における併用ルールを見極める

工事を行う場所が複数ある場合、「国の省エネ補助金」と「自治体のリフォーム補助金」の両方をもらえるのか、という疑問が出てきます。

公的な補助金には、同じ工事の対象や同じ契約の箇所に対して、公費(特に国の税金が財源に含まれるもの)を二重に使って補助することはできないという原則があります。

  • 併用できない例:まったく同じ窓のリフォーム工事に対して、国の「先進的窓リノベ事業」の補助金を受け取りながら、国の税金が財源に入っている市区町村の「住宅省エネ改修助成」からも重ねて同じ窓工事の補助を受けること
  • 併用できる例:屋根や基礎の耐震補強工事には自治体の「耐震改修補助金」を使い、同じ家の中の窓や給湯器の省エネ化には国の「住宅省エネ2026キャンペーン」の補助金を使うなど、工事を行う箇所や契約の内訳がはっきりと分かれており、両方の制度の条件を満たしている場合

全額が市の予算など、自治体独自の財源で出ている補助制度であれば、国の補助事業と一緒に使うことを認めている自治体もあります。ただし、この場合でも自治体の要綱に「国や他の地方公共団体からの補助金と併用不可」と明記されている場合は利用できません。

単に見積書を分けるだけで併用できると自己判断せず、利用したいと考えている両方の窓口へ、正式な制度名・財源・工事を行う範囲を伝えて、併用できるかどうかを事前に確認してください。

申請に必要な書類を早めにそろえる

補助金の申請には、公的機関が発行する証明書類と、施工業者が作成する技術的な書類の両方をそろえる必要があります。制度によって指定様式や必要な添付資料は異なりますが、代表的な書類は次の通りです。

  • 建物の登記事項証明書(登記簿謄本):建物の所有権や新築日、構造を公的に証明する書類。最寄りの法務局窓口のほか、オンライン請求でも取得可能です(参照:法務局「各種証明書請求手続」(新しいタブで開きます)
  • 相続関係を証する書類:登記名義人が被相続人の場合、申請者との関係を示す戸籍謄本や除籍謄本、遺産分割協議書、他の法定相続人の同意書などが必要になります(単独相続や遺言がある場合は全員の同意が不要なケースもあります)
  • 固定資産税課税明細書または評価証明書:未登記建物の場合の所有実態や、固定資産税の課税状況を確認するために求められます
  • 申請者の住民票・納税証明書:住民票は住所や世帯構成の確認、納税証明書(または完納証明書)は自治体税に滞納がないことを証明するためにそれぞれ提出します
  • 工事見積内訳書:材料費、施工費、数量、単価が項目ごとに細かく記載されたもの。補助対象工事の範囲が明確に判別できる必要があります
  • 着工前の現況写真:建物の全景、および工事を予定している箇所の日付入りカラー写真
  • 図面関係:付近見取図(案内図)、建物の平面図、改修箇所を示す図面など

相続登記が未了の空き家であっても、現行要綱において法定相続人の代表者による申請や同意書の添付で手続きを認めている自治体があります。登記が完了していない場合でも申請できる可能性があるため、各制度が指定する申請資格と代替書類の扱いを確認してください。

自治体窓口へ確認する質問文と記録の残し方

使える制度があるかどうかや要綱の読み方に迷ったときは、空き家がある市区町村役場の担当部署へ電話をするか窓口に行って直接確認します。あいまいな聞き方をすると的を射た回答が得られないため、聞きたいポイントを整理して伝えましょう。

窓口への質問テンプレート

> 「[空き家の住所地名]にある木造戸建て住宅についてご相談です。手元の[建築確認日/新築日]は[昭和○年○月○日]で、現在の登記名義人は[本人/亡くなった親]です。 > 今年度において、この空き家の[家財片付け/耐震改修/省エネリフォーム/解体除却]に使える支援制度や補助金は、現在も受付を行っていますでしょうか。 > あわせて、現時点での予算の空き状況や、契約前に交付決定が必要な事前申請型か工事後申請型かの別、市内業者の指定があるかどうか、工事完了報告の最終提出期限について教えていただけますでしょうか。」

トラブルを防ぐための記録項目

役所とやり取りを行った際は、「言った・言わない」のトラブルを防ぐために必ず記録を残しておきましょう。

  • 相談した日時
  • 相談先(自治体名、部署名、担当者の氏名)
  • 制度の正式名称と、確認した要綱の版(年度・改定日)
  • 現在の受付状況(先着受付中、残り枠わずか、受付終了など)
  • 申請手続きのタイプ(契約前に交付決定が必要か、工事後の申請でよいか)
  • 工事を始めるまでに必要な手続きの流れと、かかる日数の目安
  • 次回こちらから提出すべき書類と、工事完了・実績報告の期限

補助対象外費用を含めた手取りと負担額を試算する

補助金を利用する際は、要綱に記載された補助率と上限額だけで資金計画を立ててはいけません。

1. 資金負担と精算の流れを分ける

自治体の補助金は、原則として工事完了後の精算払い(後払い)です。工事代金は、ひとまず自分の貯金やリフォームローンなどで工事業者に全額を支払う必要があります。手元資金が不足していると、あとから補助金が出ると分かっていても工事を進めることができません。

国の省エネ支援事業のように、登録事業者が補助金を受け取って工事代金から差し引いてくれる方式でも注意が必要です。実際の支払期日や、補助金相当額をどう精算するのか、万一不交付となった場合の自己負担ルールを契約前に確認してください。

2. 試算の考え方(補助率方式の例)

工事にかかる総費用と手元資金の収支は、次の手順に分けて試算します。

  • 補助金額の算定:補助対象経費 × 補助率(制度ごとの上限額が限度)
  • 総支出額(全体で支払うお金):補助対象経費 + 補助対象外経費(家財の処分費、外構工事、消費税などの除外費用)
  • 最終自己負担額:総支出額 − 補助金額
  • 入金前の必要資金(立替額):精算方法に応じ、工事代金の全額(または補助金控除後の残金)として一時的に用意すべき現金の額

※定額補助(1カ所あたり〇万円など)の制度では、その決まった金額をそのまま適用します。端数処理や消費税の取扱いは個別要綱の定めに従います。

たとえば建物を解体する場合、建物本体の解体費用は補助の対象であっても、家財道具の処分費、庭木・庭石の撤去費、浄化槽の撤去清掃費などは対象外経費として除外される規定が一般的です。

3. 解体後の固定資産税への影響と受給後の条件

工事が終わったあとの税金や、補助金を受け取ったあとの条件についても考えておく必要があります。

空き家を解体して更地にすると、住宅用の土地に対する「固定資産税の課税標準の特例」が使えなくなります。この特例は、住宅1戸あたり200平方メートルまでの小規模住宅用地について、課税標準を6分の1に減額する仕組みです。固定資産税は、毎年1月1日(賦課期日)の土地の利用状況に基づいて課税されます。そのため、建物を解体した時期によっては、翌年度から土地の固定資産税が実質的に跳ね上がってしまうケースがあります。解体後の売却や土地活用の計画が立っていない場合、補助金を受け取れても税負担の増加で相殺されるリスクを把握しておく必要があります。

一方で、耐震改修や省エネ改修を行った場合は、一定の要件を満たすと固定資産税の減額措置や、所得税の控除(リフォーム減税)を受けられる場合があります。現行の減税制度の対象になるかどうかは、税務署や自治体の税務窓口で詳しい内容を確認してください。

制度が見つからないときの空き家バンク等の次の窓口

調べた結果、空き家がある自治体に使える補助金制度がなかったり、今年度の予算枠がすでに上限に達して受付終了していたりした場合でも、ほかにも相談窓口や支援策があります。

  • 自治体の空き家バンクへの登録相談:空き家を売却または賃貸したい場合、自治体の空き家バンクへ物件を登録すると、買い手・借り手側が利用できる改修補助制度が用意されている地域があります。自治体の窓口だけでなく、国土交通省が推進する「全国版空き家・空き地バンク」を通じて民間のポータルサイト(LIFULL HOME'S、アットホーム)でも全国規模の情報発信が可能です(参照:国土交通省「空き家・空き地バンク総合情報ページ」(新しいタブで開きます))。
  • 国の登録事業者による省エネ支援の単独利用:自治体の補助金が使えなくても、国の「住宅省エネ2026キャンペーン」などの要件に合致する改修であれば、登録事業者経由で国の補助金のみを単独で受給することは可能です。
  • 登記や境界の専門家への相談:相続人の間で所有権をだれが持つか決まっていない場合や遺産分割の話し合いが進まない場合は司法書士や弁護士へ、建物の滅失登記や敷地の境界確定は土地家屋調査士へ相談しましょう。来年度の公募開始や将来の売却に向けて、権利関係をあらかじめ整えておくことが実効的な対策になります。

契約前に募集要綱と予算状況を確認する

空き家の補助金探しでは、空き家の所在地と工事目的から制度を特定し、今年度の正式な要綱で申請主体・対象・期限を確認します。そのうえで、工事業者との契約前に申請時期と着手条件を確かめてください。

募集開始時期は自治体や制度によって異なります。先着順の制度もあるため、工事の見積もりを取り寄せる段階で、空き家がある自治体へ最新の要綱、受付開始日、予算状況を確認し、定められた手順に沿って申請を進めてください。

参照資料

国土交通省「住宅リフォームの支援制度」参照日 2026年8月31日住宅リフォーム推進協議会「地方公共団体の住宅リフォーム支援制度検索」参照日 2026年8月31日国土交通省「空き家・空き地バンク総合情報ページ」参照日 2026年8月31日国土交通省「全国地方公共団体空き家・空き地情報サイトリンク集」参照日 2026年8月31日住宅省エネ2026キャンペーン公式サイト参照日 2026年8月31日法務局「各種証明書請求手続」参照日 2026年9月5日