この記事の目次を開く(9項目)
実家や空き家の片付け費用は、同じ3LDKでも家によって大きく違います。差が出るのは、押し入れや物置にたまった量、運び出しの条件、特別な処分が要る物の有無です。そのため、業者の見積りを比べる前に、捨ててはいけない物と、比べる範囲を決めておく必要があります。
60秒版:空き家の片付け費用を決める順番
要点・確認表(開閉できます)
費用を決めるまでの流れは、次の4段階です。
- 建物に安全に入れるか、家財を処分してよいかを確かめ、重要な物を先に持ち出す
- 家・収納・物置・庭の区域ごとに写真を撮り、家財の量と運び出しの条件を記録する
- 所在地の市区町村で、多量に出るごみの出し方と許可業者を調べる
- 同じ範囲で書面の見積りを取り、固定額・数量で変わる額・対象外・未確認に分けて比べる
家を売るつもりなら、片付けずに売った場合の手取りも並べて比べます。
片付けの前に、捨てない物と止める物を分ける
最初に確かめるのは、費用ではなく、家財を処分してよいかどうかです。床が傷んでいるなど、建物に危険がある場所には無理に入らないでください。入れない場所は、探す範囲と権限を限って、業者や代理人に頼む方法があります。
家の中の物が、すべて亡くなった方の物とは限りません。介護ベッドなどのレンタル品や、同居していた人の私物が残っていることもあります。相続人が何人かいるなら、1人の判断で捨てたり売ったりすると、ほかの相続人ともめるおそれがあります。
相続放棄(借金なども含めて一切相続しない手続き)を考えているときは、さらに注意が必要です。相続人が相続財産を処分すると、相続を認めたものとみなされる決まりがあるからです(出典:民法第921条。参照資料の一覧へ移ります)。そうなると、相続放棄が認められなくなるおそれがあります。相続放棄の申述は、原則として、自分のために相続が始まったと知った時から3か月以内にします(出典:裁判所 相続の放棄。参照資料の一覧へ移ります)。
どこまでなら手を付けてよいかは、相続放棄を検討中の実家を片付ける前の確認で説明しています。
業者を入れる前に、残したい物は家族で探して持ち出します。国民生活センターには、次のような相談が寄せられています(出典:国民生活センター 遺品整理。参照資料の一覧へ移ります)。残す約束だったアルバムや電話機、重要書類まで、業者が処分場へ運んでしまったというものです。一度処分場に運ばれた物は、取り戻せないことがあります。
口頭で「残してください」と頼むだけでは、間違いは防げません。残す物は別の部屋にまとめて鍵をかけるか、家の外へ持ち出しておきます。何から手を付けるかの順番は、相続した実家の片付けの進め方にまとめました。
持ち出す物は、無料の相続した実家の「捨てない物」チェックリストで一つずつ確かめられます。
詳しく:先に探しておきたい物と探す場所
詳しい説明を開く
先に探しておきたい物の例は、次のとおりです。
- 権利証(登記済証・登記識別情報通知書)、固定資産税の納税通知書
- 通帳、キャッシュカード、印鑑、保険証券、年金の書類
- 現金、貴金属、写真、手紙、位牌
- パソコンやスマートフォンなど、データが入った機器
- レンタル品やリース品と、その契約書類
高齢の方が暮らしていた家では、仏壇の引き出しや押し入れの奥の箱に、現金や書類が入っていることがあります。衣類のポケットや本棚のすき間も見ておきましょう。
実家の片付け費用は何で決まる?7つの内訳
片付け費用は、間取りだけでは決まりません。同じ間取りでも、家財の詰まり方や運び出しの条件で、必要な人数と時間が変わるからです。比べやすくするため、費用を次の7つに分けて考えます。
| 内訳 | 中身 | 金額を左右するもの |
|---|---|---|
| 仕分け・袋詰め | 残す物と捨てる物を分け、袋や箱に詰める | 家財の量、収納の中の量 |
| 搬出・養生 | 家の外へ運び出す。壁や床を傷から守る | 階段、エレベーター、大型家具 |
| 車両・運搬 | トラックで処分先へ運ぶ | 台数、停める場所、道の幅 |
| 処分 | 処分施設に払う料金、許可業者への委託 | ごみの量と種類、自治体のルール |
| 家電・特殊品 | 家電4品目、消火器、金庫など | 品目の数、引き取り先 |
| 清掃・付帯作業 | 簡単な清掃、エアコンの取り外しなど | 頼む作業の範囲 |
| 交通・立ち会い | 家族が現地へ通う交通費や宿泊費 | 住まいからの距離、通う回数 |
業者の見積書に載る項目は、頼む作業の範囲によって変わります。業者の出張費が加わる場合もあります。家族の交通費は見積額に足し、仕分けに使う日数も別に比べてください。自分で片付ける割合が増えるほど、家族の交通費や宿泊費は大きくなります。
たとえば、次は相場ではなく、計算のしかたを示す想定の例です。業者に頼む作業の金額が、次のとおりだとします。
- 仕分け・搬出:10万円
- 車両・運搬:4万円
- 処分:3万円
- 家電:2万円
- 清掃:1万円
この場合、業者への支払いは20万円です。家族の交通費2万円も必要なら、比べる総額は22万円になります。実際の金額は、家財の量や運び出しの条件で、この例より大きく上下します。
間取り別の公表料金の例
間取りごとの料金を、ホームページで公表している事業者もあります。次の表は、片付け業者A社・B社の公表料金(2026年10月時点)で、2社の料金ページに載っていた金額です。どちらもその会社の料金の例で、全国の相場ではありません。2社をすすめるためではなく、金額の見方を示すために並べています。
A社の金額は税込の目安で、簡易清掃を含みます(出典:A社 料金表。参照資料の一覧へ移ります)。B社の金額は税別の「〜」付きで、家電リサイクルやオプション作業の代金を含みません(出典:B社 料金表。参照資料の一覧へ移ります)。対応地域や条件は会社ごとに違います。
| 間取り | A社(税込の目安) | B社(税別) |
|---|---|---|
| 1K | 3万円 | 4万円〜 |
| 1LDK | 7万円 | 8万円〜 |
| 3LDK | 20万円 | 20万円〜 |
| 4LDK | 25万円 | 26万円〜 |
同じ3LDKの20万円でも、税の扱いと含まれる作業が違うので、払う総額は同じとは限りません。「〜」の付いた額は、条件によって上がることがあります。料金は変わることもあるため、契約するときの金額は見積書で確かめてください。
公表例と見積額が変わる4つの条件
公表例の金額は、家ごとの条件で上下します。A社は、荷物の量や品目、階数や駐車の環境で見積額が変わるとしています(出典:A社 料金表。参照資料の一覧へ移ります)。B社も、廃棄物の総量で見積額が変わり、作業しにくい現場では別途の作業費用がかかると説明しています(出典:B社 料金表。参照資料の一覧へ移ります)。実家の片付け費用や残置物の撤去費用の見積りでは、編集部は次の4つを確かめることを勧めます。
- 家財の量:押し入れ・物置・庭の物まで含めた量と、品目の数
- 運び出しの条件:階数、エレベーター、トラックを停める場所、作業しにくい現場か
- 処分の区分:家電4品目のリサイクル料金や、自治体が収集しない物が別料金か
- 買取の差し引き:買取額を作業代から差し引くか、差し引く前の作業代はいくらか
買取額を差し引く会社でも、値段がつくかどうかは査定しだいです(出典:環境省 リユース報告書。参照資料の一覧へ移ります)。片付け費用がその分下がるとは限りません。
見積りの前に、片付ける範囲と家財の量を記録する
見積りがばらつく原因の1つは、頼む側が範囲と量を伝えきれていないことです。部屋の数ではなく、区域ごとの量と品目を写真で残しておきましょう。安全に入れる範囲で、次のものを撮るか書き出します。
- 部屋:四隅から、床から天井まで家財が入るように撮る
- 収納:押し入れ、天袋、食器棚、下駄箱を、扉を開けて撮る
- 屋外:物置、車庫、ベランダ、庭石、ブロック、植木鉢
- 大きい物・重い物:タンス、金庫、ピアノ、介護ベッド、マットレスの数
- 特別な処分が要る物:家電4品目、灯油、消火器、ガスボンベ
物置や庭の物は、家の中とは別に費用がかかりやすい品目です。見積りの範囲から漏れると、作業の当日に追加料金を求められる原因になります。
同じ量でも、運び出しの条件で作業の人数と時間は変わります。見積りを頼むときは、次の点も伝えてください。
- 階数と、階段の幅や曲がり方
- エレベーターの有無と大きさ、共用部の養生(傷を防ぐ保護)の範囲
- トラックを家の前に停められるか、離れた場所から台車で運ぶか
- 前の道の幅、坂道や階段状の路地があるか
自分で片付ける場合と業者に頼む場合の費用の違い
片付け方は、大きく分けて5通りあります。家族の作業を増やすと、業者への支払いが減る場合があります。車の借り賃や施設の料金、交通費も含めた総額と、必要な日数を比べてください。
| 片付け方 | 主にかかるお金 | 家族が担うこと | 向いている場合 |
|---|---|---|---|
| 自力+自治体の収集 | 粗大ごみの手数料、指定袋代 | 仕分け、袋詰め、運び出し | 量が少なく、家族で運び出せる |
| 自力+施設へ自己搬入 | 施設の手数料、車の借り賃 | 車の手配、運転、積み下ろし | 車を用意でき、受け入れ条件に合う |
| 自力で仕分け+許可業者に運搬 | 運搬と処分の費用 | 室内の仕分けと袋詰め | 車はないが、室内の整理はできる |
| 業者に一括で依頼 | 人件費、運搬、処分、養生、清掃 | 立ち会い、残す物の指示 | 遠方に住む、量が多い、期限がある |
| 残置物ごと売る | 査定額や売主の負担への反映は契約で違う | 査定の依頼、契約内容の確認 | 解体が前提、現地に通うのが難しい |
自治体の収集や自己搬入を使うなら、出せる量と受付の日時を、所在地の自治体の案内で確かめてください。補助を検討する場合は、物件がある市区町村に、対象の作業と申請の時期を問い合わせましょう。業者との契約より前に聞いておくと安全です。
片付けをいつまでに終えるかは、賃貸の退去や相続の期限で変わります。予定の立て方は、遺品整理の予定を期限から逆算する記事で確かめられます。
残置物(家に残った家財)ごと売る方法も、費用がかからないとは限りません。残置物の扱いが査定額や売主の負担にどう反映されるかは、契約の内容で違うからです。査定書と契約書で確かめてください。売れる条件は、空き家を片付けないで売る方法で確かめられます。
家庭ごみを運べる業者か、どう確かめる?
一般家庭が出す家財や生活ごみは、「一般廃棄物」です(出典:廃棄物処理法。参照資料の一覧へ移ります)。事業活動で出た残置物は、種類や性状によって一般廃棄物か産業廃棄物に分かれます。家庭の一般廃棄物を集めて運べるのは、所在地の市区町村の許可業者か、市区町村の委託業者です(出典:環境省 無許可業者。参照資料の一覧へ移ります)。許可を持たない事業者とのトラブルが目立ち、国民生活センターが注意を呼びかけています(出典:国民生活センター 不用品回収。参照資料の一覧へ移ります)。
建物の解体工事で出る木くずやコンクリート片は、「産業廃棄物」という別の扱いです。家庭から出た残置物を、解体工事で生じた産業廃棄物として処理してはいけません。原則として、解体前に所有者などが適正に処理します(出典:環境省 残置物の取扱い。参照資料の一覧へ移ります)。
遺品整理などの業者に頼むときは、作業を2つに分けて確かめます。1つは、室内の仕分けや梱包を誰がするかです。もう1つは、廃棄物を敷地の外へ収集運搬するのが誰かという点で、許可を確かめるのはこちらです。運ぶ会社が許可業者か委託業者か分からなければ、所在地の自治体の窓口に問い合わせてください。
多量に出るごみの出し方は、自治体ごとに違うことがあります。札幌市は、ごみステーションには400リットル以下を計画的に出すよう協力を求めています。それを超えて一時的に多く出るごみは、市の許可業者に頼むか、自分で施設へ持ち込むよう案内しています(出典:札幌市 多量ごみ。参照資料の一覧へ移ります)。
横浜市では、引っ越しや遺品整理などで一時的に多く出るごみは、集積場所にまとめて出すことができません(出典:横浜市 一時多量ごみ。参照資料の一覧へ移ります)。自分で持ち込むか、許可業者に頼む方法が案内されています。分別も必要です。
受け入れの条件や品目の扱いは地域で違うので、物件がある市区町村の案内に従ってください。業者選びの確認点は、遺品整理業者の選び方でまとめて説明しています。
図の説明
空き家から家財を運び出すとき、家庭から出る家財は一般廃棄物にあたる。自分で運ぶ場合は、自治体の収集なら出せる量と受付の日時を、施設へ自己搬入なら受け入れの条件と品目の扱いを、所在地の自治体の案内で確かめる。多量のごみの扱いは自治体で違うことがあり、札幌市は400リットルを超える分を市の許可業者に頼むか自分で施設へ持ち込むよう案内し、横浜市は一時的に多く出るごみを集積場所にまとめて出すことができない。業者に運んでもらう場合は、家財を実際に処分先へ運ぶ会社が所在地の市区町村の許可業者か委託業者かを、室内の仕分けや運び出しとは別に確かめる。許可業者か委託業者なら、契約の前に会社名を確認して運搬を頼める。分からなければ所在地の自治体の窓口に問い合わせる。産業廃棄物処理業や古物商の許可だけでは、家庭の家財は運べない。
詳しく:家庭ごみを運ぶ許可の代わりにならないもの
詳しい説明を開く
産業廃棄物処理業の許可と古物商の許可では、家庭から出る廃棄物を回収できません(出典:環境省 無許可業者。参照資料の一覧へ移ります)。次の4つは、どれも家庭から出る廃棄物を運ぶ許可の代わりにはなりません。黒ナンバーと民間資格は、環境省の説明にはなく、編集部の整理です。
- 産業廃棄物処理業の許可:事業活動から出る廃棄物を扱うための許可
- 古物商の許可:中古品を売り買いするための許可
- 貨物軽自動車運送事業(黒ナンバー):荷物を運ぶ運送業の届出
- 遺品整理士などの民間資格:民間団体の認定で、法律上の許可ではない
家電4品目や回収されにくい物は、別に費用がかかる
エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は、家電リサイクル法の対象です(出典:環境省 無許可業者。参照資料の一覧へ移ります)。この4品目は、自治体のごみ収集には出せないのが一般的です。廃棄するにはリサイクル料金がかかり、店などに運んでもらう場合は収集運搬料金も加わります(出典:環境省 家電リサイクルQ&A。参照資料の一覧へ移ります)。
引き渡し先は、その家電を買った店か、買い替える店が基本です。買った店が分からないときは、まず市区町村の案内を確かめてください。郵便局で家電リサイクル券を用意し、指定引取場所へ自分で持ち込む方法もあります(出典:家電リサイクル券センター。参照資料の一覧へ移ります)。自治体が案内する回収先に、運搬を頼むこともできます。
業者に一括で頼むなら、4品目が何台、いくらで見積りに入っているかを確かめましょう。
エアコンの取り外しには、専門的な技術が必要です(出典:環境省 エアコン回収。参照資料の一覧へ移ります)。配管や機器の状態によって、作業も変わります。自分で外さず、専門の業者に任せてください。誰が取り外すのか、その費用が見積りに入っているかも確かめておきます。
ほかにも、自治体が収集しない物があります。横浜市の例は、消火器、石油類、プロパンガスボンベ、耐火金庫、自動車・オートバイ用バッテリー、タイヤなどです(出典:横浜市 収集しない品目。参照資料の一覧へ移ります)。取り扱いは自治体や引取先で違うので、所在地の自治体の案内で確かめてください。見積りの前に数を伝え、引き取れるかと費用を聞いておくと、当日の断りや別料金を避けやすくなります。
詳しく:回収されにくい物の相談先
詳しい説明を開く
品目ごとの主な相談先の例は、次のとおりです。消火器の相談先は、横浜市も案内しています(出典:横浜市 収集しない品目。参照資料の一覧へ移ります)。実際の出し方は、物件がある自治体の案内も確かめてください。
- 消火器:購入先、販売店、消火器リサイクル推進センター(消火器の回収窓口)に相談する
- 灯油・ガソリン・塗料など:自治体の案内を確かめ、買った販売店にも相談する
- プロパンガスのボンベ:ボンベに書かれた販売店に相談する
- 耐火金庫:買った店や、金庫を引き取る業者に相談する
- バッテリー・タイヤ:カー用品店、ガソリンスタンド、販売店に相談する
仏壇や神棚の供養をするかどうかは、親族で話し合って決めます。希望するときは、菩提寺(先祖のお墓があるお寺)や神社、仏具店に相談します。
片付けの見積書は、4つの欄に分けて比べる
「一式」や「トラック積み放題」とだけ書かれた見積りは、ほかの見積りと比べる物差しになりません。定額パックと宣伝しながら、作業後に高い料金を請求されたという相談も報告されています(出典:国民生活センター 不用品回収。参照資料の一覧へ移ります)。消費者庁も、不用品回収の料金表示について注意を呼びかけています(出典:消費者庁 料金表示。参照資料の一覧へ移ります)。
比べやすくするため、編集部は、基本の見積額を4つの項目に分けて書いてもらうことを勧めます。人件費、車両・運搬費、廃棄物処分費、オプション作業費(清掃など追加で頼む作業の費用)です。項目の名前は業者によって違うので、前の7つの内訳と照らし合わせて、抜けている作業がないかを見ます。そのうえで、各項目の金額と税込総額を、次の4つの欄に振り分けて比べます。
| 欄 | 入るもの | 例 |
|---|---|---|
| 固定額 | 量が多少変わっても変わらない額 | 養生費、出張費 |
| 数量で変わる額 | 量や台数で増減する額 | 作業員の人数×日数、車両の台数 |
| 対象外 | 見積りに入っていない作業 | 物置の中、エアコンの取り外し |
| 未確認 | まだ聞いていない、決まっていない点 | 実際に運ぶ会社、追加料金の条件 |
たとえば、次のような場合です(想定の例)。見積りを取った2社のうち、1社は「一式」の総額だけで、もう1社は4つの項目ごとに金額が書かれているとします。「一式」のほうが安く見えても、物置と家電4品目が対象外なら、あとから別の費用がかかります。この場合は、「一式」の会社にも同じ範囲で出し直してもらってから比べましょう。
家財の買取があるときは、処分の見積りと分けて書いてもらいます。品目・数量・単価・査定額が分かる明細を、処分の見積書とは別にもらってください。古い家具や食器、衣類は値段がつかないこともあり、買取で処分費をまかなえるとは限りません。買い取る業者には古物商の許可が要るため、許可証も見せてもらいます(出典:国民生活センター 遺品整理。参照資料の一覧へ移ります)。
契約の前には、次の点を書面で確かめます。
- 見積りにない作業で、追加料金がかかる条件と計算のしかた
- 当日に荷物を足したときの料金の決め方
- キャンセルや日程変更の料金が、いつからいくらかかるか
- 建物や近所に傷をつけたときの損害賠償保険に入っているか
- 家財を実際に処分先へ運ぶ会社の名前
範囲が変わったら、古い見積書に書き足してもらうのではなく、新しい見積書をもらいます。変更した日と理由、誰が了承したかを、あとで確かめられるようにするためです。古い見積書も捨てずに残しておきましょう。
作業が終わったら、安全な範囲で現地を見てから、完了の書類に署名します。見るのは、撤去の漏れ、残す物が持ち去られていないか、壁や床に傷がないかの3点です。合意していない追加料金を求められたら、その場では払わず、内訳を示すよう求めてください。契約のトラブルは、消費者ホットライン「188」に相談できます。
見積りを比べるときの1枚の表
見積りを比べるときは、次の5項目を1枚にまとめておくと、抜けに気づきやすくなります。
- 対象の場所:部屋、収納、物置、庭のどこまでか
- 家財の区分:残す物、処分する物、保留する物
- 実際に運ぶ会社:会社名と、自治体で確かめた結果
- 金額:税込の総額、追加料金の条件、対象外の作業
- 未確認のこと:まだ聞いていない点
最初の見積りの前に、全部を埋める必要はありません。分からない所は「未確認」のまま残し、見積りを取るたびに埋めていきます。
各社の答えは、無料の遺品整理・片づけ業者の比較シートに同じ欄で書き込めます。
残置物の撤去費用を払って売るか、残置物ごと売るか
家を売るつもりなら、片付け費用だけでなく、売ったあとの手取りで比べます。片付けてから仲介で売る方法では、片付けの費用を先に払う代わりに、買主に中を見てもらいやすくなります。残置物ごと買い取ってもらう方法は、片付けの手間が減る可能性があります。一方で、残置物の扱いが査定額や売主の負担にどう反映されるかは、査定書と契約書で確かめます。
片付けて売る場合は、見込む売却額から、売却にかかる費用、片付け費用、交通費を差し引きます。残置物ごと売る場合は、買取額から、契約上売主に残る費用を差し引きます。建物が古く解体が前提のときや、遠方で通うのが難しいときは、両方の手取りを並べてみましょう。
解体して更地で売る場合も、家財の処分は別に考えます。家に残った家財は、原則として、解体前に所有者などが適正に処理するものとされています(出典:環境省 残置物の取扱い。参照資料の一覧へ移ります)。
相続した空き家を売るときは、要件を満たせば、譲渡所得の特別控除を使える場合があります(出典:国税庁 No.3306。参照資料の一覧へ移ります)。片付けただけで使えるわけではありません。
売るために直接かかった費用は、譲渡所得の計算で差し引けます(出典:国税庁 No.3255。参照資料の一覧へ移ります)。片付け費用がそれに当たるかどうかは、個別に判断されます。この記事の内容は一般的な情報なので、税金のことは税務署か税理士に確認してください。
査定を頼むときは、課税明細書、登記事項証明書、各部屋の写真、相続人の関係のメモがあると話が早く進みます。手取りの計算のしかたは、不動産売却の費用と手取りの計算で説明しています。
