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親の家を相続して売るときは、戸籍、契約書、領収書と、扱う書類がたくさん出てきます。ただし、相続した家の売却では、必要書類を使う時期と渡す相手が段階ごとに決まっています。最初から全部を集める必要はありませんが、戸籍の収集や登記には時間がかかることもあります。必要な時期を不動産会社や司法書士に確かめながら準備しましょう。
最初に、家の名義が誰になっているかを確かめる
最初にするのは、登記事項証明書を取ることです。登記事項証明書は、法務局が管理する不動産の記録で、持ち主の名前や住所が載っています。窓口のほか郵送やオンラインでも請求でき、持ち主でなくても取れます(出典:RETIO 売買の手引。参照資料の一覧へ移ります)。
見るのは「権利部(甲区)」という、持ち主の移り変わりが書かれた欄です。ここで次の3点を確かめてください。
- 名義が亡くなった方のままか、相続人に変わっているか
- 1人の名義か、何人かの共有か
- 相続登記(亡くなった方から相続人へ名義を移す登記)が済んでいるか
名義が亡くなった方のままなら、買主に引き渡す前に相続登記が要ります。買主へ名義を移す登記は、原則として売主の名義になってからでないと申請できないからです(出典:法務局 売買の記載例。参照資料の一覧へ移ります)。相続登記に使う書類は、売却の前に相続登記が必要な理由と必要書類の記事で確かめられます。
相続人が何人かいるときは、戸籍で相続人の範囲を確かめます。遺言書で家の取得者が決まっていなければ、誰が取得するか、共有にするかを相続人で話し合います。この話し合いを遺産分割協議といいます。
相続人申告登記は、2024年(令和6年)4月1日に始まった申し出の制度です(出典:法務省 相続人申告登記。参照資料の一覧へ移ります)。相続登記の義務を簡単に果たすためのもので、持ち主を確定させる登記ではありません。そのため、家を売るときは、これとは別に相続登記の申請が要ります。
相続した家の売却書類は5つのフォルダに分ける
売却は、相談から確定申告まで、いくつかの段階を順に進みます。書類もその段階に合わせて分けておくと、どこで何を出すかで迷いません。相続登記がまだなら、戸籍や遺産分割協議書などを相続登記のフォルダに入れ、必要な時期から準備します。
分け方は次の表のとおりです。原本を実際に渡すのは、主に決済の日の司法書士(登記の専門家)です(出典:法務局 売買の記載例。参照資料の一覧へ移ります)。
| フォルダ | 主な書類 | 見せる・渡す相手 | 原本の扱い |
|---|---|---|---|
| 売却相談 | 登記事項証明書、課税明細書、図面 | 不動産会社 | コピーで足りる |
| 媒介・売買契約 | 本人確認書類、印鑑、収入印紙、告知書 | 不動産会社・買主 | 本人確認書類の原本を見せ、契約書の原本は各自で持つ |
| 相続登記 | 戸籍、遺産分割協議書、印鑑証明書、住民票の除票 | 法務局・司法書士 | 写しを添えれば原本が戻る |
| 決済・登記 | 権利証、印鑑証明書、実印、鍵 | 司法書士・買主 | 権利証と印鑑証明書の原本を渡す |
| 確定申告・保管 | 売買契約書、領収書、買ったときの資料 | 税務署 | 特例の確認書は申告書に添える |
権利証は、登記識別情報通知書か、それより前の登記済証のことです。どちらも、登記を受けた持ち主に渡されます。確定申告・保管のフォルダでも、領収書などの原本は出さずに手元に残すのが基本です(出典:国税庁 不動産等を売却した方へ。参照資料の一覧へ移ります)。
親が家を買ったときの契約書や領収書は、確定申告で使うことがあります。売ると決めた後も捨てずに、確定申告・保管のフォルダに入れておきましょう。一方で、依頼先が決まる前の不動産会社に、原本をまとめて送る必要はありません。
この記事の内容は一般的な情報です。実際に要る書類は、物件や契約の条件で変わるため、不動産会社や司法書士の案内を確認してください。売却全体の段取りは相続した家を売る手順と全体の流れの記事にまとめています。手元の書類に印を付けながら仕分けるなら、印刷もできる相続した家の売却必要書類チェックリストが使えます。
図の説明
売却書類は、売却相談、媒介・売買契約、相続登記、決済・登記、確定申告・保管の5つのフォルダに分ける。売却相談では登記事項証明書、課税明細書、図面のコピーを不動産会社に見せる。媒介・売買契約では不動産会社と買主に、本人確認書類の原本を見せ、契約書の原本は各自で持つ。相続登記がまだなら、戸籍や遺産分割協議書などを法務局や司法書士に出し、写しを添えれば原本が戻る。相続登記は、買主への引き渡しと名義変更の登記までに終える必要がある。決済・登記では、司法書士と買主に権利証と印鑑証明書の原本を渡し、原本を実際に渡すのは主に決済の日の司法書士。確定申告・保管では、領収書などの原本は出さず手元に残し、特例の確認書は申告書に添える。
売却相談では、手元の資料のコピーで足りる
不動産会社に相談して査定を頼む段階では、通常、戸籍や印鑑証明書を急いでそろえる必要はありません。要るのは、どの家かを特定し、今の状態を伝えるための資料です。原本を渡す必要はなく、手元にあるもののコピーで始められます。相続登記が済んでいない場合は、戸籍などの提示が要る時期を不動産会社に確かめてください。
- 登記事項証明書、または権利証の表紙の写し(所在地や地番が分かる)
- 固定資産税の納税通知書と課税明細書
- 公図や地積測量図、建物図面(土地や建物の形が分かる。法務局で取れる)
- 建築確認済証や検査済証(建てたときに法令に合っていたかを示す)
- 設計図書や間取り図、リフォームの記録
- 隣の土地との境界確認書
課税明細書は、固定資産税の納税通知書に付いてくる明細です。市区町村から毎年春に届き、土地と建物の評価額(市区町村が決めた値段)が載っています。
資料がそろっていると、不動産会社は家の状態をつかみやすくなることがあります。そのぶん、査定額の根拠や、そのまま売るか更地にするかといった提案も具体的になることがあります。ない書類があっても、相談は始められます。査定に役立つ資料の見方は、査定の前にそろえたい資料の記事で確かめられます。
相続登記がまだなら、引き渡しまでに登記の書類をそろえる
相続登記は、買主への引き渡しと名義変更の登記までに終える必要があります。相続登記の完了前に媒介契約を結んで販売を始められるかは、不動産会社に確かめてください。
申請先は家の所在地を管轄する法務局で、自分で申請するか司法書士に頼みます。使う書類は、遺産の分け方や登記の記録によって変わります(出典:東京法務局 相続登記Q&A。参照資料の一覧へ移ります)。多くの場合に使うのは、次の書類です。
- 登記申請書
- 亡くなった方の住民票の除票、または戸籍の附票(登記の住所と同じ人だと示す)
- 家を取得する相続人の住民票の写し
- 固定資産評価証明書(登記のときに納める税金の計算に使う)
この4つのほかに何が要るかは、遺産の分け方で変わります。次の表は一般的な例です。申請先の法務局か司法書士に、実際に要る書類を確かめてください。
| 分け方 | 集める戸籍 | 印鑑証明書 | ほかに要るもの |
|---|---|---|---|
| 遺産分割協議で決めた | 亡くなった方の出生から死亡まで、相続人全員の今の戸籍 | 相続人全員のもの | 全員が実印を押した遺産分割協議書 |
| 遺言書がある | 亡くなった方の死亡が分かる戸籍、取得する人の今の戸籍 | 原則として要らない | 遺言書(種類に応じたもの) |
| 法定相続分(法律で決まった割合)のとおり | 亡くなった方の出生から死亡まで、相続人全員の今の戸籍 | 要らない | 相続人全員の住民票の写し |
印鑑証明書の3か月の期限は、場面によって扱いが違います。売買で名義を移すときの売主の印鑑証明書は、登記を申請する時点で、作成後3か月以内のものが要ります(出典:不動産登記令 第16条。参照資料の一覧へ移ります)。遺産分割協議書に付ける印鑑証明書に期限があるかは、司法書士か管轄の法務局に確かめてください。また、亡くなった方の権利証は、相続登記では原則として出さなくてよい書類です(出典:日司連 権利証。参照資料の一覧へ移ります)。
戸籍の束が厚くなるときは、法務局で「法定相続情報一覧図の写し」を出してもらう方法があります。相続関係を一覧にした証明で、登記や預貯金の手続きで戸籍の束の代わりに使えます。登記に出した戸籍や遺産分割協議書は、コピーを添えて頼めば、登記の後に原本を返してもらえます(原本還付)。戸籍の集め方の細かい点は、相続登記の必要書類の記事にまとめています。
詳しく:戸籍が増える場合と、遺言の証明書
詳しい説明を開く
代襲相続(亡くなった子に代わって孫が相続すること)や、兄弟姉妹が相続する場合は、集める戸籍が増えることがあります。相続が重なって、登記をしないまま相続人も亡くなっている場合も同じです。
法務局に預けてある自筆の遺言書を使うときは、「遺言書情報証明書」を付けます。預けてあることだけを示す「遺言書保管事実証明書」では、相続登記は申請できません。
亡くなった方の住民票の除票が古くて取れないこともあります。その場合、代わりの書類で足りるかは、司法書士か管轄の法務局に確認してください。
媒介契約と売買契約で必要な書類は?
媒介契約は、不動産会社に買主探しを頼む契約です。この段階で不動産会社は、頼む人が本当に売る権限を持っているかを確かめます。用意するものは、次のとおりです。
- 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
- 印鑑(認印でも実印でもよい)
- 登記事項証明書
- 相続登記がまだなら、亡くなった方の除籍謄本や遺産分割協議書の写しなど
- 共有名義なら、共有者全員の本人確認書類(誰かが代わりに手続きするなら委任状も)
相続登記の前に販売を始めるとき
相続登記が終わる前に販売を始められるかは、不動産会社によって違います。始められる場合でも、引き渡しまでに登記が終わらなければ、買主に名義を移せません。次の点を、不動産会社と司法書士に早めに伝えておきましょう。
- 相続登記を申請する予定日と、終わる見込みの時期
- 売買契約の日と、決済・引き渡しの日の順番
- 登記が間に合わないとき、期日を延ばすか契約を解除するかの取り決め
契約書にどんな特約を入れるかは、取引ごとに違います。個別の条件は、司法書士を交えて決めてください。
売買契約の日に用意するもの
買主が決まり、売買契約を結ぶ日には、次のものを用意します。
- 本人確認書類と印鑑(実印を求められることもある)
- 契約書に貼る収入印紙(売買代金で額が決まる)
- 告知書(物件状況報告書)と付帯設備表
- 建築確認済証や図面など、買主に渡す物件の資料
- 固定資産税の納税通知書(その年の税を日割りで分けるため)
- マンションなら、管理規約や修繕積立金の資料
告知書は、家の不具合や過去のできごとを買主に知らせる書面です。付帯設備表には、引き渡す設備とその状態を書きます。告知書には、雨漏りなど、売主が知っている欠陥や不具合を書きます(出典:RETIO 売買の手引。参照資料の一覧へ移ります)。シロアリの被害や給排水管の故障、境界標の状態、過去の事件・事故・火災も、知っている内容は不動産会社に伝えます。
太陽光発電が付いた家なら、付帯設備表に太陽光を独立した項目で書くかも、不動産会社と相談します。国の認定の通知書や売電の明細など、太陽光の書類の集め方は、太陽光つきの家を売るときの記事で確かめられます。
住んだことのない家の告知書
実家に住んでいなかった相続人でも、売主として告知書を書きます。分からないからと空欄にせず、次の3つに分けて書くと、買主に正しく伝わります。
- 知っていること:親から聞いた不具合、修理の記録、空き家の管理中に気づいたこと
- 確かめていないこと:床下、壁の中、地中など、目で見ていない部分
- 自分で調べた範囲:現地で確かめた日と、見た場所
「今の状態のまま引き渡す」という契約や、売主の責任を一部負わない特約を結ぶ場合もあります。それでも、売主が知っていて告げなかったことは、責任を問われかねません。特約の効力は、弁護士か不動産会社に確かめてください。知っていることは、小さなことでも告知書に書いておきましょう。
決済の日に売主が渡す原本は?
決済は、買主から残りの代金を受け取り、鍵と名義を渡す日です。売主、買主、不動産会社、司法書士が金融機関などに集まり、入金と書類を確かめます。同じ日のうちに、司法書士が買主への名義変更の登記を申請するのが一般的です(出典:法務局 売買の記載例。参照資料の一覧へ移ります)。売主が持っていくものは、次のとおりです。
- 権利証(相続登記の後に、売主の名義で受け取ったもの)
- 印鑑証明書の原本(登記を申請する時点で、発行から3か月以内のもの)
- 実印(登記を頼む委任状に押す)
- 本人確認書類
- 固定資産評価証明書など、登記費用の計算に使う資料(要るかは司法書士に確認)
- 家の鍵一式と、設備の説明書や保証書
このほか、登記の住所が今の住所と違うときは、住所のつながりを示す住民票なども要ります。住宅ローンの担保(抵当権)が残っているときは、それを消す登記の書類もそろえます。遠くに住んでいて代理人に任せるときは、決済の前に司法書士と会い、本人確認や書類の確認を済ませておきます。
印鑑証明書は、取る時期に気をつける
たとえば、売買契約の日に合わせて印鑑証明書を取り、決済が4か月後になった場合です(想定の例)。決済の日には、発行から3か月を過ぎています。売主の印鑑証明書は、登記を申請する時点で、作成後3か月以内のものでなければなりません(出典:不動産登記令 第16条。参照資料の一覧へ移ります)。この例では、取り直してから決済に臨むことになります。
決済の日が決まったら、いつ取ればよいかを司法書士に聞いておくと確かです。
図の説明
売買で名義を移すときの売主の印鑑証明書は、登記を申請する時点で、作成後3か月以内のものが要る。3か月は売買契約の日ではなく、登記を申請する時点で数える。想定の例として、売買契約の日に合わせて印鑑証明書を取り、決済が4か月後になった場合、決済の日には発行から3か月を過ぎているので、取り直してから決済に臨むことになる。決済の日が決まったら、いつ取ればよいかを司法書士に聞いておくと確かである。
書類の不足で売却が止まるのはどんなとき?
次の場面では、書類がそろうまで決済や登記に進めないことがあります。気づいた時点で、不動産会社と司法書士に伝えてください。
| 場面 | 止まる手続き | 伝える相手 | 用意するもの |
|---|---|---|---|
| 売主名義の権利証が見つからない | 買主への名義変更の登記 | 司法書士 | 本人確認情報か事前通知で代える |
| 売主の住所が登記と違う | 買主への名義変更の登記 | 司法書士 | 住所のつながりが分かる住民票や戸籍の附票 |
| 亡くなった方の住所が登記と違う | 相続登記 | 司法書士・法務局 | 住民票の除票か戸籍の附票 |
| ほかに共有者がいる | 媒介契約から決済まで | 不動産会社・司法書士 | 共有者全員の本人確認書類、代理なら委任状 |
| 抵当権が残っている | 決済と、抵当権を消す登記 | 金融機関・司法書士 | 金融機関が出す抹消の書類一式 |
| 増築部分や離れが登記されていない | 買主の住宅ローン審査と契約 | 土地家屋調査士 | 増築の確認済証、工事の書類、課税の証明書 |
抵当権は、住宅ローンを払い終えているかどうかで準備が変わります。払い終えているなら、金融機関から受け取った抹消の書類が手元にあるかを確かめます。なくしたり古くなったりしていれば、金融機関に相談してください。
売却代金でローンを返すなら、前もって金融機関に繰上返済を申し込みます。抹消の書類を決済の日にどう受け渡すかは、司法書士と決めておきます。代金を受け取る前に、書類だけを先にもらえるとは限りません。
増築した部屋や離れが登記されていないと、登記の記録と実際の家が食い違います。食い違いが大きいと、買主の住宅ローンの審査が通らないことがあります。直すには土地家屋調査士(建物の登記の専門家)に調査と登記を頼むため、査定の段階で期間の見込みを聞いておきましょう。
権利証が見つからないとき
権利証は、なくしても再発行されません(出典:日司連 権利証。参照資料の一覧へ移ります)。それでも、次のどちらかの方法で、買主への名義変更の登記はできます。
- 本人確認情報:司法書士が売主と会って本人だと確かめ、その記録を法務局に出す
- 事前通知:権利証なしで申請し、法務局から届く郵便に、期限内に返事をする
事前通知の返事の期限は、通知を発送した日から原則2週間です(出典:不動産登記規則 第70条。参照資料の一覧へ移ります)。本人確認情報は、司法書士への報酬が別にかかります。事前通知は費用を抑えられますが、返事が期限に遅れると登記が進みません。決済の日に名義を移す取引では日程が合わないこともあるため、どちらを使うかは司法書士と相談してください。
登記の住所が、今の住所と違うとき
誰の住所が違うかで、することが変わります。
- 亡くなった方の住所が違う:住所を変える登記は要らない。除票や戸籍の附票で同じ人だと示す
- 売主の住所が違う:買主への名義変更の前に、住所を変える登記を申請する
売主が相続登記の後に引っ越したときは、後者にあたります。住民票の写しや戸籍の附票で、登記の住所から今の住所までのつながりを示します。
住所や氏名の変更登記は、2026年(令和8年)4月1日から義務になりました(出典:法務省 住所等変更登記。参照資料の一覧へ移ります)。変わった日から2年以内に申請します。それより前に変わった分も、2028年(令和10年)3月31日までに申請が必要です(出典:法務省 住所変更登記Q&A。参照資料の一覧へ移ります)。
確定申告に備えて、どの書類を残す?
家を売って利益が出たときや、税の特例を使うときは、確定申告をします(出典:国税庁 不動産等を売却した方へ。参照資料の一覧へ移ります)。申告の期間は、売った年の翌年2月16日から3月15日までです(出典:国税庁 No.2020。参照資料の一覧へ移ります)。期限の3月15日が土日・祝日に当たるときは、翌平日が期限になります(出典:国税庁 申告と納税。参照資料の一覧へ移ります)。売って損が出て、特例も使わないなら、申告は要りません。
税額の計算や申告が要るかどうかは、相続した家を売ったときの税金の記事で確かめられます。相続した空き家の特例を使うと、市区町村や税務署に出す書類が増えます。
この特例の控除額は、原則として最高3,000万円です。ただし、2024年(令和6年)1月1日以降の売却には条件があります。家と敷地のどちらも相続した人が3人以上なら、上限は1人2,000万円です(出典:国税庁 No.3306。参照資料の一覧へ移ります)。
使えるかどうかは、相続した空き家の3,000万円控除の記事で確かめられます。申請書の様式は、公式様式の配布先の案内から、市区町村や国税庁のページで取ってください。
取得費を示す書類
税金のかかる利益は、売却代金から取得費と譲渡費用を引き、特例の控除を引いて計算します(出典:国税庁 No.3202。参照資料の一覧へ移ります)。取得費は、家を手に入れるのにかかったお金です。相続した家では、亡くなった方が買ったときの値段と時期を、そのまま引き継ぎます(出典:国税庁 No.3270。参照資料の一覧へ移ります)。建物は持っていた年数に応じて値段を減らして計算し、土地は減らしません。
取得費の証拠になるのは、次のような書類です。
- 亡くなった方が家を買ったときの売買契約書と領収書
- 建てたときの請負契約書と、工事代金の領収書
- 当時の住宅ローンの契約書や、通帳の出金の記録
- 分譲のときのパンフレットや価格表
- 相続登記で払った登録免許税や司法書士報酬の領収書
このうち相続登記の費用は、事業や貸し付けに使っていない家なら、実額で取得費を計算するときに含められます。司法書士報酬まで含められるかは、税理士か税務署に確認してください。
買ったときの資料がないと、売却代金の5%を取得費とする「概算取得費」を使うことがあります(出典:国税庁 No.3258。参照資料の一覧へ移ります)。この場合は、相続登記の費用を足すこともできません。資料の探し方は、相続した家の取得費が分からないときの記事にまとめています。
譲渡費用を示す書類
譲渡費用は、家を売るために直接かかった費用です(出典:国税庁 No.3255。参照資料の一覧へ移ります)。次の領収書は、原本を残しておきます。
- 不動産会社に払った仲介手数料
- 売買契約書に貼った収入印紙の代金
- 売るために行った境界の測量の費用
- 更地にして売る条件で払った、建物の解体の費用
家財の処分や遺品整理の費用は、譲渡費用に含められるとは限りません。含められるかは、契約書の条項と作業の内訳を付けて、税理士か税務署に確認してください。
売却の後に残しておく書類
申告を終えても、書類はすぐに捨てないでください。e-Taxで記載内容を入力し、添付を省いた一定の書類は、あとで提示を求められることがあります。その期間は、原則として法定申告期限から5年間です(出典:国税庁 添付・提示する書類。参照資料の一覧へ移ります)。買主から、境界や契約の中身について問い合わせを受けることもあるでしょう。
売買契約書、精算書、手元にある重要事項説明書は、確定申告・保管のフォルダにまとめます。測量・解体・仲介手数料の領収書と、申告書の控えも同じ所に入れておきましょう。
詳しく:空き家の特例で増える書類
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空き家の特例では、市区町村から「被相続人居住用家屋等確認書」を受け取ります(出典:国税庁 No.3306。参照資料の一覧へ移ります)。申請には、住民票、電気・水道の閉栓の記録、売買契約書の写し、登記事項証明書などを使います。取り壊しや耐震改修をして売るなら、その工事の資料も要ります。確認書の発行には数週間かかることがあるため、早めに申請しましょう。
確定申告では、譲渡所得の内訳書に確認書を添えて出します。e-Taxでは確認書をPDF形式で提出できるため、原本を税務署に渡すとは限りません(出典:e-Tax 添付書類。参照資料の一覧へ移ります)。売却代金や工事に関する資料も、当てはまるものを付けます。対象は、1981年(昭和56年)5月31日以前に建てた家を、2027年(令和9年)12月31日までに売る場合などです。
詳しく:相続税の取得費加算で増える書類
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相続税を払った人が期限内に売ると、払った相続税の一部を取得費に足せる特例があります(出典:国税庁 No.3267。参照資料の一覧へ移ります)。売る期限は、通常、相続開始から約3年10か月以内です。確定申告では、譲渡所得の内訳書と、相続財産の譲渡に係る相続税額の計算明細書を出します。相続税の申告書の控えは、計算のもとになるので残しておきます。
2つの特例は、同じ家に重ねて使えません。正確な期限や条件は申告する年の分で確かめ、個別の判断は税理士か税務署に相談してください。
