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相続登記の必要書類は?実家で探すもの・役所で取るものを申請方法別に整理

相続登記の必要書類は、遺言で引き継ぐか、法律で定められた割合(法定相続分)で取得するか、相続人全員の話し合い(遺産分割協議)で決めるかで変わります。まず遺言の有無を確かめ、登記事項証明書で実家の土地・建物と名義を特定してから、当てはまる方法の書類を集めます。

まだしないこと

どの方法で登記するか決まるまでは、戸籍や印鑑登録証明書をまとめて取り始めないでください。

まずすべきこと
  1. 実家で遺言書・権利証・固定資産税の課税明細書を探す
  2. 法務局で土地と建物の登記事項証明書を取り、名義人を確かめる
  3. 3つの方法のどれに当たるかを決め、足りない書類と取得先を書き出す

このページで決めること自分の登記の方法に合う書類と取得先を絞り込み、自分で申請するか、法務局や司法書士に相談するかを決められます。

相続登記の必要書類を遺言・協議・法定相続分の三ケースで分ける相続人
公開日 2026年8月24日最終更新日 2026年9月29日法令・制度確認日 2026年9月29日執筆・編集 住まいのよりみち編集部読了目安 15分
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親が亡くなったあと、実家の土地や建物の名義を相続人に移す手続きを、相続登記といいます。相続登記の必要書類は、実家を誰がどの方法で引き継ぐかによって変わります。一覧に載った書類を全部そろえようとすると、要らない書類まで取ることになりかねません。実家で探すもの、役所や法務局で取るもの、自分で作るものに分けておくと、順番に集められます。

相続登記の必要書類は、実家の引き継ぎ方で変わる

実家を引き継ぐ方法は、遺言、相続人全員の話し合い(遺産分割協議)、法律で定められた割合(法定相続分)の3つです(出典:前橋地方法務局 相続登記の案内。参照資料の一覧へ移ります)。どれに当たるかで、共通の書類に足す書類が変わります(出典:法務局 必要書類と入手先。参照資料の一覧へ移ります)。

表:方法、実家を取得する人の決め方、書類の主な違い
方法実家を取得する人の決め方書類の主な違い
遺言亡くなった親の遺言書で指定された相続人遺言書の種類に応じた書類を出す。ほかの相続人の印鑑登録証明書は原則いらない
遺産分割協議相続人全員の話し合いで決めた人全員が合意した協議書と、全員の印鑑登録証明書がいる
法定相続分法律で定められた割合のまま、相続人全員で持つ協議書と印鑑登録証明書はいらない。戸籍で相続人の関係を示す

法定相続分は、民法が決めている相続の割合です。一方で、相続人全員の話し合いで合意すれば、この割合と違う分け方にもできます。実家は長男が1人で取得する、といった決め方がその例です。相続人が1人だけのときは、法定相続分の方法でその人の名義にします。

話し合いのあとで遺言書が見つかると、協議や書類の集め直しが必要になることがあります。そのため、最初に遺言書を探します。実家で見つからない場合も、公証役場や法務局に保管された遺言の有無を確かめてから、登記の方法を決めます。

書類を集める前に、申請の期限も確かめておきましょう。相続登記の申請は、2024年(令和6年)4月1日から義務になりました(出典:法務省 相続登記の義務化。参照資料の一覧へ移ります)。原則として、実家を相続で取得したと知った日から3年以内に申請します。

義務化の前に相続があり、その時点で取得を知っていた場合は、2027年(令和9年)3月31日までが期限です(出典:能代市 相続登記の義務化。参照資料の一覧へ移ります)。義務化のあとに知った場合は、原則どおりです。

亡くなった日と、相続を知った日を入れると、自分の期限の目安を相続登記の期限チェッカーで確かめられます。

期限までに話し合いがまとまらない場合は、相続人申告登記という手続きがあります。相続人が、自分が相続人であることを1人で法務局に申し出るものです。申し出れば申請の義務は果たせますが、実家の名義は親のままで、誰が取得するかも決まりません(出典:法務省 相続人申告登記。参照資料の一覧へ移ります)。話し合いがまとまったら、その日から3年以内に、改めて相続登記を申請します。

両者の違いは、相続人申告登記と相続登記を比べた記事で確かめられます。

実家で最初に探す書類は?

役所や法務局へ行く前に、まず実家の中で次の書類を探します。仏壇や金庫、引き出し、大事な書類をまとめた箱などが、探す場所の候補です。

  • 権利証(登記済証)または登記識別情報通知書:物件の所在や地番の手がかり
  • 固定資産税の納税通知書と課税明細書:親が持っていた土地と建物の手がかり
  • 遺言書:原本か控え
  • 古い住民票や戸籍、昔の権利関係の書類:住所の移り変わりの手がかり

権利証は、相続登記で必ず出す書類ではありません。なくしていても、申請はできます。ただ、見つかれば、登記事項証明書(登記簿の内容を証明する書類)を取るときに地番や家屋番号が分かります。登記簿の住所と最後の住所がつながらないときに、同じ人だと示す補いの資料になることもあります。

課税明細書は、市区町村が毎年、親あてに送っていた書類です。土地と建物の一覧が載っているので、登記事項証明書を取る物件を絞り込めます。家屋番号のない建物や、私道の持分に気づくきっかけにもなるでしょう。見つからないときも、市区町村で固定資産評価証明書(土地と建物の評価額の証明書)を取れます。

遺言書が見つかったときは、どう保管されていたかを見てください。自宅などで保管されていた手書きの遺言書(自筆証書遺言)は、家庭裁判所の検認が必要です(出典:裁判所 遺言書の検認。参照資料の一覧へ移ります)。検認は、遺言書の状態を記録して、書き換えを防ぐための手続きです。遺言が有効かどうかを決めるものではありません。

公証役場で作った遺言(公正証書遺言)には、検認がいりません。法務局に預けてあった自筆証書遺言も、検認は不要です。

登記事項証明書で、名義と物件を確かめる

実家で見つけた資料をもとに、法務局で土地と建物の登記事項証明書を取ります。全国どこの法務局の窓口でも取れるほか、オンラインでも請求できます。証明書では、次の欄を見てください。

  • 表題部(物件の表示):地番・家屋番号・面積などが、課税明細書と合っているか
  • 甲区(所有者の欄):名義人が亡くなった親か。祖父など前の代のままではないか
  • 乙区(担保などの欄):返し終えた住宅ローンの記録が、消されずに残っていないか

名義が祖父や曾祖父のままなら、亡くなった順番と相続人の範囲を調べてから進めます。代ごとに話し合いが要る場合もあれば、途中の代の登記を省ける場合もあります。どちらになるかは事情で変わるため、法務局か司法書士に確認してください。世代ごとの整理のしかたは、祖父名義の家を売るときの記事で説明しています。

どの方法でも役所で取る書類

住民票・除票・附票

どの方法で登記するときも、実家を取得する人の住民票の写しは共通して用意します。その人の住所地の市区町村で取ります。亡くなった親の住民票の除票(亡くなった人の住民票)と、戸籍の附票(戸籍に付いた住所の記録)は、条件つきの書類です。登記簿の住所が戸籍の本籍と違うときは、どの方法でも、どちらかが要ります(出典:法務局 必要書類と入手先。参照資料の一覧へ移ります)。

除票は親の最後の住所地、附票は本籍地の市区町村で取ります。除票や附票は、登記簿上の住所と本籍地の記載があるものを請求します。住民票の写しは、発行を頼むときに、登記に使うと伝えます。本籍やマイナンバー(個人番号)の記載は、窓口で確認してください。

除票や附票が要るのは、登記簿の名義人と亡くなった親が同じ人だと示すためです。家を買ったあとに引っ越すと、登記簿には買ったときの住所が残ります。その後の住所の移り変わりを、これらの書類で示します(出典:横浜市 戸籍の附票。参照資料の一覧へ移ります)。

ただし、附票に載るのは、その戸籍にいた間の住所だけです。1通で昔の住所まですべて分かるとは限りません。

評価額が分かる資料

税金の計算に使うため、土地と建物の評価額が分かる資料も用意します。代表的なのは固定資産評価証明書で、実家の所在地の市区町村で取ります。東京23区は都税事務所です。ただし、課税明細書やその写しを使える場合があり、評価証明書が必ず要るとは限りません(出典:京都市 評価証明書の案内。参照資料の一覧へ移ります)。

使う資料は、登記を申請する年度の価格が分かるものです(出典:法務局 申請書様式。参照資料の一覧へ移ります)。固定資産課税明細書なら、登記を申請する日の属する年度のものが必要です(出典:法務局 必要書類と入手先。参照資料の一覧へ移ります)。どの資料で足りるかは、管轄の法務局の案内で確認してください。

戸籍の広域交付

戸籍は、2024年3月1日から、本籍地以外の市区町村の窓口でも取れるようになりました(出典:法務省 広域交付。参照資料の一覧へ移ります)。この仕組みを、戸籍の広域交付といいます。ただし、請求できる人や取れる戸籍には、次の決まりがあります(出典:横浜市 広域交付。参照資料の一覧へ移ります)。

  • 請求できるのは、本人、配偶者、父母や祖父母、子や孫に限られる
  • 兄弟姉妹が結婚などで別に作った戸籍は対象外で、本籍地に請求する
  • 自分や父母の戸籍に兄弟姉妹が載っている部分は、その戸籍として取れる
  • 代理人による請求や郵送での請求には使えず、本人が窓口へ行く
  • 古い紙の戸籍の一部(改製不適合戸籍)、戸籍の附票、住民票、評価証明書は対象外

方法ごとに追加する必要書類

共通の書類に加えて、選んだ方法ごとに次の書類をそろえます。

遺言で登記する場合

遺言で相続人が実家を取得する場合は、原則としてその人が1人で申請できます。相続人以外の人に遺言で譲る(遺贈する)内容なら、申請方法と必要書類を管轄の法務局に確認してください。

相続人が取得する場合に追加する書類は、次の3つです(出典:法務局 必要書類と入手先。参照資料の一覧へ移ります)。

  • 遺言書の種類に応じた書類
  • 亡くなった親の死亡が載っている戸籍謄本
  • 実家を取得する人の現在の戸籍謄本

遺言書の種類によって、出すものが違います。

表:遺言書の種類、出すもの、家庭裁判所の検認
遺言書の種類出すもの家庭裁判所の検認
自宅などで保管していた自筆証書遺言検認済みの証明が付いた遺言書の原本必要
法務局に預けていた自筆証書遺言法務局が出す遺言書情報証明書不要
公正証書遺言公証役場で受け取った正本か謄本不要

法務局に預けていた場合は、原本を持っていく必要はありません(出典:法務省 遺言書保管の証明書。参照資料の一覧へ移ります)。代わりに、法務局で遺言書情報証明書の交付を受けて出します。

遺言で登記するときは、親の出生から死亡までの戸籍を集めなくてよい場合が多いです。死亡が載った戸籍で足りるかは、管轄の法務局で確認してください。ほかの相続人の協議書や印鑑登録証明書も、原則として出さずに済みます。

ただし、配偶者や子以外(兄弟姉妹、孫など)が所有者になるときは、法定相続人だと確認できる戸籍・除籍の謄本なども要ります。

遺産分割協議で登記する場合

相続人全員の話し合いで決めたときは、全員が合意したことを書類で示します(出典:前橋地方法務局 相続登記の案内。参照資料の一覧へ移ります)。3つの方法のうち、書類がいちばん多い方法です(出典:法務局 必要書類と入手先。参照資料の一覧へ移ります)。

  • 亡くなった親の、出生から死亡までの続いた戸籍謄本(古い戸籍を含む)
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書(相続人全員が署名し、実印を押したもの)
  • 相続人全員の印鑑登録証明書(協議書に押した実印のもの)

出生からの戸籍を集めるのは、法律上の相続人を全員確かめるためです。前の結婚で生まれた子や、認知した子がいれば、その人も相続人になります。相続人が1人でも話し合いに加わっていないと、協議は成り立ちません。

相続人の戸籍は、亡くなった親の死亡日以降に発行されたものが必要です。取る前に発行日を確かめておくと、取り直しを防げます。印鑑登録証明書の発行日の条件は、管轄の法務局の案内で確かめます。協議書に押した実印と同じ印影のものが必要です。

協議書には、実家の土地と建物を、登記事項証明書の表題部のとおりに書き写します。ふだん使っている住所(住居表示)だけでは物件を特定できず、直しを求められることがあります。

詳しく:戸籍の範囲が広がるときと、戸籍が見つからないとき

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先に亡くなった相続人がいて、その子が代わりに相続する場合(代襲相続)は、集める戸籍が増えます。兄弟姉妹が相続人になる相続でも同じです。亡くなった人の父母の出生から死亡までの戸籍や、おい・めいの戸籍が必要になることがあります。

戦災や保存期間の満了で、古い戸籍が廃棄・焼失していることもあります。その場合は、市区町村で廃棄や滅失を示す証明書を出してもらいます。そのうえで、ほかに相続人がいないことを述べる上申書などを付けるかは、法務局の案内に沿って決めます。

法定相続分で登記する場合

法律で定められた割合のまま、相続人全員の共有にするときの書類です。たとえば相続人が配偶者と子1人なら、それぞれ2分の1ずつの共有になります(出典:民法第900条。参照資料の一覧へ移ります)。

  • 亡くなった親の、出生から死亡までの続いた戸籍謄本(古い戸籍を含む)
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本
  • 相続人全員の住民票の写し(共有の名義人になる全員分)

協議書と、相続人の印鑑登録証明書はいりません(出典:法務局 必要書類と入手先。参照資料の一覧へ移ります)。相続人の1人が、全員分の登記をまとめて申請することもできます。このとき、ほかの相続人の委任状は不要です。

ただし、共有にすると、あとで実家を売るときなどに全員の足並みをそろえる必要が出てきます。法定の割合と違う分け方にしたいなら、遺産分割協議の方法を選びます。

詳しく:共有名義にしたあとの売却や賃貸

詳しい説明を開く

共有の実家を売ったり取り壊したりするには、共有者全員の合意が必要です。人に貸す場合は、期間や条件によって、持分の過半数で決められるときと、全員の合意が要るときに分かれます。一律に全員の同意が要るとは限りませんが、家賃の管理や明け渡しをめぐって意見が割れることもあるでしょう。共有者が高齢で判断が難しくなったり、次の相続で共有者が増えたりすることも考えて決めてください。

登記簿の住所と、亡くなったときの住所がつながらないときは?

たとえば、次のような場合です(想定の例)。親は40年前に実家を買い、そのときの住所で登記しました。その後、仕事の都合で2回引っ越し、最後は別の市で亡くなっています。登記簿には、40年前の住所が残ったままです。

この場合、法務局は、登記簿の名義人と亡くなった親が同じ人かを書類で確かめます(出典:法務局 よくある質問。参照資料の一覧へ移ります)。登記簿の住所が、最後の住所や本籍と違う場合などに、この確認が要ります。つながりを書類で示せないと、登記は受け付けてもらえません。

ふつうは、除票や附票で、登記簿の住所から最後の住所までの移り変わりを示します。附票はその戸籍にいた間の記録なので、結婚などで戸籍が変わっていれば、前の戸籍の附票も要ることがあります。ただ、古い除票や附票は、保存期間を過ぎて廃棄されているかもしれません(出典:大阪市 附票廃棄済証明。参照資料の一覧へ移ります)。

以前は保存期間が5年でした。2014年ごろまでに消除された除票や附票は、自治体や資料の種類によって、すでに廃棄されている場合があります(出典:大阪市 除票の取り扱い。参照資料の一覧へ移ります)。

つながりを示せないときは、管轄の法務局に事情を伝え、何を出すかを相談します。求められる書類の例は、次のとおりです。

  • 廃棄済みで交付できないことの証明書、または不在住・不在籍証明書(市区町村で取る)
  • 実家で見つかった権利証の原本
  • 同じ人に間違いないと相続人全員が述べる上申書と、全員の印鑑登録証明書

どれを組み合わせるかは、法務局の取扱いによって違います。権利証の原本を出せば、上申書が要らない扱いもあります。自分で集めきれないときは、司法書士に調査と申請を頼む方法もあります。

登記簿の住所から亡くなったときの住所までは、除票や附票でつなぐ
図の説明

想定の例として、親が40年前に実家を買ってそのときの住所で登記し、その後2回引っ越して、最後は別の市で亡くなった場合。登記簿の住所から最後の住所までの移り変わりを、住民票の除票や戸籍の附票で示す。ただし附票に載るのは、その戸籍にいた間の住所だけで、戸籍が変わっていれば前の戸籍の附票も要ることがある。古い除票や附票は保存期間を過ぎて廃棄されていることがあり、以前は保存期間が5年で、2014年ごろまでに消除されたものは自治体や資料の種類によって廃棄済みの場合がある。つながりを示せないときは、法務局に事情を伝えて何を出すかを相談する。

未登記の建物や私道の持分を見落とさないために

実家には、登記簿に載っていない建物や、見落としやすい私道の持分があるかもしれません。気づかずに手続きを終えると、実家を売るときになって手続きが止まりかねません。次の手がかりで、漏れがないかを確かめましょう。

課税明細書では、家屋番号が空欄の建物や、「未登記」と書かれた建物を探します。昔増築した離れや物置のほか、母屋そのものが未登記のこともあります。未登記の建物の登記には、建物表題登記(建物の今の姿を登記簿に載せる登記)が関係します(出典:水戸市 未登記家屋。参照資料の一覧へ移ります)。市区町村の税の記録上の名義を変える手続きは、別の届出が必要な場合もあります(出典:鹿児島市 未登記家屋。参照資料の一覧へ移ります)。

建物表題登記には、現地の調査や図面の作成が伴います。そのため、土地家屋調査士に相談するのが一般的です。売る前の手順は、相続した家の建物が未登記だったときの記事にまとめています。

実家が私道に面していると、親がその私道の持分を持っていることがあります。私道は固定資産税がかからないことが多く、課税明細書に載らない場合があります(出典:京都市 課税明細書の案内。参照資料の一覧へ移ります)。法務局で公図(土地の位置関係を示す図)を取り、私道の場所を確かめます。必要に応じて、地積測量図(土地の測量図)も確認します。

実家の市区町村では、親の名義の名寄帳(その市区町村にある所有物件の一覧)を取れます。非課税の私道や未登記の建物が載っていることもあり、漏れを探す手がかりになります。ただし、何を載せるかは自治体によって違うため、窓口で確かめてください。

市区町村をまたいで物件を探すなら、所有不動産記録証明制度が使えます(出典:法務省 パンフレット。参照資料の一覧へ移ります)。2026年2月2日に始まった制度で、親が登記名義人の不動産を全国の登記所から一覧にして証明します(出典:法務省 所有不動産記録証明。参照資料の一覧へ移ります)。ただし、登記簿の住所や氏名が古いままの物件は、検索から漏れることがあります。この制度だけに頼らず、課税明細書や権利証と照らし合わせて使ってください。

詳しく:検索用情報の申出との違い

詳しい説明を開く

名前の似た仕組みに、「検索用情報の申出」があります。2025年4月21日から、所有権の保存・移転などの登記を申請するときに、検索用情報を併せて申し出る仕組みです(出典:法務省 検索用情報の申出。参照資料の一覧へ移ります)。検索用情報は、氏名・住所・生年月日などです。相続登記の申請書に記載や添付が要るかは、管轄の法務局の案内で確認してください。

検索用情報の申出は、物件の一覧を証明する制度ではないので、親の物件探しには所有不動産記録証明を使います。

書類がそろったら、申請の前に準備すること

申請書の様式は、法務局のウェブサイトから入手できます(出典:法務局 申請書様式。参照資料の一覧へ移ります)。書き上げた申請書と必要書類は、実家の所在地を管轄する法務局に出します。

申請のときには、登録免許税という国の税金を納めます。計算には、土地と建物の評価額を使います。計算の手順と免税になる土地の条件は、相続登記の登録免許税の記事で確かめられます。

出した戸籍などの原本は、原本還付(原本を返してもらう手続き)を申し出ると、返してもらえる場合があります。返してほしい原本のコピーに「原本と相違ありません」と書き、署名と押印をして一緒に出す方法です。戸籍は、相続関係説明図(家系図のような一覧)を付けると、原本を返してもらえる案内があります(出典:前橋地方法務局 相続登記の案内。参照資料の一覧へ移ります)。返してもらえる書類の範囲とコピーの作り方は、管轄の法務局の案内で確かめてください。

登記の後に売るときの書類は、無料の相続した家の売却必要書類チェックリストで段階ごとに確かめられます。

法務局では、自分で申請する人のために登記手続案内をしています(出典:法務局 よくある質問。参照資料の一覧へ移ります)。申請書の様式や、一般的な必要書類、記入例を聞ける窓口です。ただし、書類が通るかを前もって審査したり、申請書を代わりに作ったりはしません。誰が相続すべきかといった、個別の法律相談にも応じていません。

この記事の内容は一般的な情報です。自分の場合に何が必要かは、管轄の法務局か司法書士に確認してください。次のようなときは、自分で進めるのをいったん止めて、司法書士や弁護士に相談しましょう。

  • 誰が実家を取得するか、相続人の間で合意できない
  • 相続放棄を考えている相続人がいる
  • 祖父の代から名義が変わらず、相続が何代も重なっている
  • 戸籍や住所のつながりを、自分では確かめきれない
  • 書類の作成や申請を任せたい

相続人の間で争いがあるときは弁護士、登記の書類と申請は司法書士が相談先です。自分で申請できるかどうかは、相続登記は自分でできるかの記事で見極められます。登記を終えて実家を売るときの流れは、相続した家を売却する流れの記事にまとめています。

参照資料

※2法務局「相続による所有権の登記の申請に必要な書類とその入手先等」参照日 2026年9月29日 ↗法務省民事局「登記申請手続のご案内(相続登記①/遺産分割協議編)」(令和8年4月、登記手続ハンドブック)参照日 2026年9月29日 ↗※3法務省の相続登記義務化に関するページ参照日 2026年9月29日 ↗※6裁判所「遺言書の検認」参照日 2026年9月29日 ↗※10法務省「戸籍証明書等の広域交付について」参照日 2026年9月29日 ↗※20法務省「所有不動産記録証明制度について」参照日 2026年9月29日 ↗※21法務省「検索用情報の申出について」参照日 2026年9月29日 ↗※12法務省「自筆証書遺言書保管制度の証明書」参照日 2026年9月29日 ↗※9法務局「不動産登記の申請書様式について」参照日 2026年9月29日 ↗※14法務局「登記申請を御自身ですることを検討されている方からよくある質問」参照日 2026年9月29日 ↗※7横浜市「戸籍の附票の写しにより住所経過を証明したいのですが。」参照日 2026年9月29日 ↗※1前橋地方法務局「おくやみ窓口資料」相続登記の案内(富岡市掲載)参照日 2026年9月29日 ↗※4能代市「相続登記の申請義務化について」参照日 2026年9月29日 ↗※8京都市「相続登記の義務化に伴い固定資産評価証明書を請求される方へ」参照日 2026年9月29日 ↗※11横浜市「戸籍証明書の広域交付について」参照日 2026年9月29日 ↗※19法務省パンフレット「所有不動産記録証明制度」「検索用情報の申出」(大阪市掲載)参照日 2026年9月29日 ↗※16大阪市「住民票の除票の取り扱いについて」参照日 2026年9月29日 ↗※15大阪市「戸籍の附票廃棄済証明の交付請求」参照日 2026年9月29日 ↗※17水戸市「登記のない家屋の所有者の変更について」参照日 2026年9月29日 ↗※18鹿児島市「登記されていない家屋の名義などを変えるには」参照日 2026年9月29日 ↗※5法務省「相続人申告登記について」参照日 2026年9月29日 ↗※13e-Gov法令検索「民法」(第900条)参照日 2026年9月29日 ↗