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古い家はリフォームして売る?現況・最低限修繕・改修後を比較

古い家は、リフォーム費用以上に高く売れるとは限りません。まず現況を記録して現況査定を受け、現況売却、最低限修繕、改修後売却の3案を、同じ会社・条件で価格根拠、買主像、工事費、期間、保有費、手取り、残るリスクまでそろえて比べます。

まだしないこと

現況の記録と査定、共有者等の同意前に工事を契約しない

まずすべきこと
  1. 現況写真、図面、修繕・増改築・不具合履歴を集める
  2. 工事前の現況査定と販売計画を不動産会社へ依頼する
  3. 修繕候補を「緊急の安全確保・被害を広げない修繕・売却判断のための調査・見た目や設備の改善」に分ける

このページで決めること3案の価格・費用・期間・リスクを比べ、現況、最低限修繕、改修後、追加調査待ちの方針を選べます。

所有者が古い家を現況・最低限修繕・リフォーム後の三案で比較する様子
公開日 2026年8月31日法令・制度確認日 2026年8月31日執筆・編集 住まいのよりみち編集部読了目安 18

# 古い家はリフォームして売る?現況・最低限修繕・改修後を比較

古い家を売却する際は、工事の契約を結ぶ前に「現況(今の状態)のまま」不動産会社へ訪問査定を依頼してください。かけたリフォーム費用をそのまま売却価格に上乗せできる保証はなく、使ったお金を回収できずに最後の手取り額を減らしてしまう例が少なくないためです。ただし、屋根瓦の落下や外壁・塀の崩落など差し迫った危険がある場合は、査定や見学よりも前に安全の確保を最優先します。

中古住宅を買いたい人の中には、購入後に自分好みの設備や間取りへ作り替えたいリノベーション検討層や、建物を解体して土地を活用したい人もいます。買主の要望に合わない工事を先にしてしまうと、せっかく直した設備を取り壊す解体費用が二重にかかることなどを理由に、購入を敬遠される原因にもなりかねません。

この記事では、「現況売却」「最低限修繕」「改修後売却」の3つの選択肢を、想定される買主像、費用の負担、売却期間、回収リスク、想定手取り額から比較し、後悔しない判断手順を解説します。

3つの売却手法の比較:現況・最低限修繕・改修後

古い家の売却方針は、工事の規模や目的によって大きく3つに分かれます。それぞれの特徴とリスクを整理した比較表は次のとおりです。

表:比較項目、現況売却(そのまま売却)、最低限修繕(安全確保・簡易補修)、改修後売却(設備一新・全面改装)
比較項目現況売却(そのまま売却)最低限修繕(安全確保・簡易補修)改修後売却(設備一新・全面改装)
主な工事内容建物の改修は行わず、現状の状態で引き渡す危険箇所の応急処置、不具合の軽微な補修水回り設備の交換、内装全面張替、間取り変更など
工事費用の目安工事費用の持ち出しなし(※片付けや測量実費は別途)数万〜数十万円程度(補修範囲による)数百万円規模(設備仕様や施工範囲による)
販売開始までの期間査定後、即座に売却活動へ移行可能応急補修の完了後(数日〜数週間程度)工事完了後(数週間〜数か月程度、工事中は内覧制限のリスクあり)
主な想定買主層リノベーション希望者、更地新築検討者、買取業者軽微な手入れですぐ住みたい実需層、購入費用を抑えたい層入居前の改修工事に手間をかけたくない実需層
投下費用の回収リスク工事費の回収リスクなし回収できないリスクあり(解体や全面改装前提の買主には反映されにくい)回収リスクが高い(工事費用を売却価格へ全額反映できる保証はない)
契約不適合の扱い現況渡しとし、特約で責任範囲を調整修繕箇所を明記し、責任範囲を明確化改修箇所の施工責任や既存下地の劣化状況が焦点

古い家だからといって、売主主導の改修工事が常に必要となるわけではありません。まずは建物の現状を把握し、想定される買主層と地域の需要を見極めることが判断の出発点となります。

不動産会社の訪問査定で確認する想定価格と地域の需要

リフォームをするべきかどうかを検討する際は、複数の不動産会社へ「現況のまま」訪問査定を依頼します。机上査定では図面や築年数から大まかに計算しますが、訪問査定であれば、担当者が現地で建物の状態や道路との接し方(接道状況)、日当たりなどを直接確認できるためです。なお、不動産会社による訪問査定は「いくらで売れそうか」という市場価格の見込みを把握する作業であり、建築士などが行う詳細な構造診断や安全性の確定調査とは異なります。

訪問査定の場では、査定額の提示を受けるだけでなく、次の3点を確認してください。

1点目は、似た取引事例から見込める「成約想定価格の幅」です。実際に売れる価格(成約価格)は、面積、築年数、立地、建物の維持管理状態によって変動します。近隣の似た取引事例をもとに、現況のまま売り出した場合の想定価格と、一定の改修を施した場合に見込める価格の幅を聞き比べます。

2点目は、その地域で物件を探している「買主の属性(どんな人たちか)」です。中古住宅を割安に購入して好みの空間に改装したいリノベーション希望者が多い地域では、売主側で行った内装改修が無駄になり、かえって検討対象から外れる原因になります。反対に、購入後すぐにそのまま住みたい実需層(自分で住む人たち)が多い地域であれば、設備が壊れずにしっかり使えるかどうかが評価される場合もあります。

3点目は、「更地需要の有無」です。建物自体の築年数が古く、耐震性や断熱性能の改修に多額の費用が見込まれる場合、土地を購入して新築を建てる買主層が主な検討者となることがあります。更地として利用することを前提とする買主に対しては、建物に施した改修費用は評価されません。

危険箇所の緊急対応と清掃・美化の判断基準

建物の全面的なリフォームは査定結果を待って慎重に判断すべきですが、周囲の人に危害を及ぼす危険な場所がある場合は対応を急ぐ必要があります。安全を確保するための緊急措置と、売却価値を高めるための清掃・美化は明確に分けて判断します。

通行人や近隣の人、案内時の見学者に危険が及ぶ恐れがある箇所は、査定や内覧よりも前に専門業者や自治体の窓口へ相談し、必要な安全措置を講じます。自分で屋根に上ったり、危険な塀を解体したりする作業は行わず、専門業者に判断と施工を依頼してください。

  • 屋根瓦のズレや外壁の浮きなど、強風や地震で落下して事故につながる恐れがある箇所の点検と応急養生(保護)
  • 著しい傾きやひび割れが見られ、倒れる危険があるブロック塀の安全対策(専門業者による撤去・補強)
  • 漏電の恐れがある電気配線の確認と安全処置
  • 進行中の雨漏りや給排水管の破損による水漏れの応急止水

これらは事故や近隣トラブルを未然に防ぐために対応を検討すべき項目です。その一方で、壁紙の変色や、ドア・ふすまなどの建具のわずかなゆがみ、設備の型落ちなどは、査定前に急いで直す必要はありません。

室内の不用品処分(残置物の撤去)や専門業者によるハウスクリーニングは、室内の印象を整える手段として検討されます。ただし、これらを行っても、かかった費用が売却価格に直接上乗せされるとは限りません。不動産の買取業者への売却や建物を解体して引き渡すことを前提とする場合は、清掃費用がそのまま無駄(費用倒れ)になってしまうこともあります。清掃や片付けにどこまで費用をかけるかは、現況査定で想定される買主像や引き渡しの条件を確認した上で決定します。

部分改修や設備交換の見積りと費用回収の検証

一部だけを直す部分改修は、見学(内覧)に来た人の印象を良くする効果が期待できるものの、費用を回収できる保証はなく自己負担となってしまうリスクがあります。そのため、複数の会社から見積もり(相見積もり)を取って詳しい内訳を確かめることが欠かせません。キッチン、浴室、洗面台、トイレといった水回り設備の一部交換や壁紙の張り替えは、建物の骨組みに重大な不具合がなく、設備を新しくすればそのまま住める物件であれば、自分で住むために探している人(実需層)へのアピール力が高まるケースも見られます。

しかし、選ぶ設備の仕様や配管工事の有無、古い設備の解体費用によって工事の見積り額は大きく変わり、百万円単位の支出となる例も珍しくありません。この費用を売却価格へ確実に上乗せできる保証はなく、周辺地域の成約相場を超えた高い売出価格を設定してしまうと、長期にわたって売れ残る原因になります。

部分改修を検討する際は、施工業者から詳細な見積書を取り、内訳を精査してください。見積書を確認する際は、「内装工事一式」といった大雑把な表記を避けます。工種、使用する部材のメーカー名や品番、施工数量、平米単価、既存設備の撤去・処分費用が個別に記載されているかを確かめます。詳細な見積書の確認手順については、住まいるダイヤル「リフォーム見積書セルフチェック」(新しいタブで開きます)の基準を参考にし、必ず同一条件で複数社から相見積もりを取得して比較します。

全面リフォームに伴う追加費用と販売期間のリスク

間取りの変更や配管の取り替えを伴う全面改装を売主主導で行うことには、大きな費用のリスクと期間のリスクが伴います。古い木造住宅では、壁や床を解体したあとに、柱の腐食や過去の雨漏りの通り道、シロアリ被害、給排水管の深刻な劣化が見つかることが少なくありません。解体後に見つかった建物の骨組みの欠陥(構造的欠陥)をそのままにして表面だけを仕上げるわけにはいかないため、当初の想定を上回る追加費用が発生しやすくなります。

追加工事をめぐるトラブルを防ぐためには、工事が始まる前に施工業者と「予期せぬ劣化が見つかった場合の連絡体制と、見積もり提示のルール」を取り決めておく必要があります。住まいるダイヤル「リフォームの追加請求のトラブルを防ぐために」(新しいタブで開きます)でも案内されているように、施工業者が売主の事前の書面による承諾を得ないまま工事を進め、完了後に追加費用を一括で請求してくるような事態を防がなければなりません。

また、大規模な改修には設計や施工に数週間から数か月単位の期間がかかります。工事の期間中も物件の広告を出したり購入相談を進めたりすることは可能ですが、安全管理の観点から建物内部の内覧が制限される場合があり、工事の遅れが生じると引き渡しの時期にも影響します。売却が長引くほど固定資産税や火災保険料、光熱費の基本料金などの維持管理費が積み重なり、手取り額を減らす要因となります。

建物状況調査(インスペクション)の制度と調査の限界

建物状況調査(インスペクション)は、建物の劣化状況を客観的に把握する有効な手段ですが、実施するかどうかは自由(任意)です。また、建物を壊さずに調べる「非破壊検査」に伴う調査の限界があることを前提にして、活用するかどうかを判断する必要があります。

宅地建物取引業法第34条の2に基づき、不動産会社が売主と売却の媒介契約を結ぶ際、建物状況調査を行う事業者のあっせん(紹介)ができるかどうかを確認し、書面に記載して交付することが義務付けられています。法律で義務付けられているのは「あっせんの有無の確認と書面の交付」であり、調査を実際に受けるかどうかは売主・買主の任意です。制度の詳細は、国土交通省「インスペクション(既存住宅の点検・調査)」(新しいタブで開きます)で解説されています。

建物状況調査は、国土交通省の登録を受けた講習を修了した建築士(既存住宅状況調査技術者)が、目視や計測機器を使って、建物の基礎や外壁のひび割れ、雨漏りの形跡、床や壁の傾きなどを検査する制度です。検査の対象は、建物を支える「構造耐力上主要な部分」と、雨水の浸入を防ぐ「雨水浸入防止部分」の劣化状況であり、原則として建物を壊さない非破壊検査の範囲で行われます。

そのため、壁の内部や、床下・小屋裏(屋根裏)の進入できない部分にある隠れた欠陥、給排水設備の配管内部の劣化、詳しい耐震性能などをすべて確定できるわけではありません。シロアリの生息調査や詳しい耐震診断、設備配管の検査などは、標準的な建物状況調査とは異なる「追加の専門調査」として区別して捉える必要があります。

売却前に建物状況調査を実施しておくと、直すべき箇所と現状のままでよい箇所を切り分けるのに役立ちます。また、調査報告書を買主へ開示することで、引き渡し後の予期せぬトラブルを予防する効果も期待できます。あわせて、設計図書や過去の修繕記録をまとめた「住宅履歴情報(いえかるて等)」があるかを確認し、手元の書類を整理しておくことが重要です。この仕組みの詳細は、国土交通省「住宅履歴情報とは」(新しいタブで開きます)で確認できます。

契約不適合責任と告知義務:工事による責任免除の限界

古い家を売却する際は、売主が負う民法上の「契約不適合責任」を理解しておく必要があります。引き渡した物件が種類、品質、数量に関して契約内容と合っていない場合、買主は売主に対して責任を追及できます。具体的には、不具合の修理を求める修補請求、代金減額請求、契約解除、損害賠償を請求できます。

築年数の経過した中古物件では、「現状有姿(現況渡し)」を条件とし、契約書に「契約不適合責任の免責特約」を設けて取引することが実務上多く見られます。しかし、免責特約を設けたからといって、売主の責任が無条件にすべて免除されるわけではありません。

民法第572条の規定により、売主が知っていたにもかかわらず買主に告げなかった不適合については、たとえ契約書に免責特約を定めていても責任を免れることはできません。この取り扱いは、不動産適正取引推進機構「2026年度版 不動産売買の手引」(新しいタブで開きます)においても重要事項として解説されています。なお、この条文は「知りながら告げなかった特定の不適合」について免責の主張を認めないとする決まりであり、免責特約のすべての条項が当然に無効となるわけではありません。

リフォームを行って壁紙や床を新しく張り替えると、過去の雨漏りの跡や土台の腐食などは見えなくなります。しかし、表面を取り繕ったとしても、売主の告知義務が消えることはありません。過去の浸水歴や配管の不具合を知りながら告げずに売却した場合、引き渡し後に深刻なトラブル(紛争)へ発展します。

トラブルを防ぐためには、「物件状況等報告書(告知書)」と「付帯設備表」を作成し、把握している不具合や過去の修繕歴を漏れなく記載して、書面で買主へ開示・説明することが実務上の基本となります。

自治体の補助金と税制特例:事前確認と適用要件

リフォームや取り壊し(解体・除却)を検討する際は、国や地方自治体の補助金制度を活用できる場合があります。たとえば、耐震診断・耐震改修の補助金や、危険なブロック塀の除却補助金、空き家対策補助金、省エネ改修補助金などが挙げられます。

補助金を利用する際は、制度ごとの申請手順や工事を始める時期の要件に注意が必要です。自治体の耐震改修や除却補助金では、「事前に申請を行い、交付決定通知を受ける前に契約や着工をした場合は補助対象外」とする規定が多く見られます。一方で、国の省エネリフォーム支援事業などでは、登録事業者が代わりに申請する代理申請や予約制度が採用されている場合もあります。利用を検討する制度の最新の募集要領や要綱を確認し、契約や着工の前に申請手続きの流れを把握してください。

また、税制の特例制度についても、適用要件を正確に確認する必要があります。マイホームを売却した際の「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」と、相続した実家を売却する際の「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」では、適用要件が異なります。

相続空き家の特例(国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」(新しいタブで開きます))は、昭和56年5月31日以前に建築された旧耐震基準の家屋が対象です。2024年1月1日以後の譲渡では、売主自身が工事を行わずに現況で引き渡し、買主が譲渡日の属する年の翌年2月15日までに耐震改修または全部取壊しを完了した場合でも特例の適用対象となり得ます。この特例の現行の適用期限は2027年12月31日までの譲渡です。

控除限度額は原則として最高3,000万円ですが、家屋や敷地などを取得した相続人の数が3人以上である場合は、1人あたり最高2,000万円となります。さらに、相続開始の直前における被相続人の居住実態や、相続時から譲渡時まで事業や貸付・居住の用に供されていないこと、売却代金が1億円以下であることなど、細かな要件が定められています。工事の範囲や売却方法を決める前に、管轄の税務署または税理士へ相談してください。

査定から工事判断までの5つの実行手順と3案比較

古い家を売却する際、判断の誤りを防ぐための標準的な手順は次の5つのステップです。

  1. 【安全確認】屋根や外壁の崩落、塀の倒壊、漏電などの危険がないか確認し、危険が疑われる場合は見学を一時見合わせ、安全な位置から専門業者や自治体窓口へ応急対応を相談する
  2. 【書類整理】登記事項証明書、新築時の建築確認済証、過去の修繕記録(住宅履歴情報)など手元の書類を整理する
  3. 【現況訪問査定】複数の不動産会社へ連絡し、「現況のまま」訪問査定を依頼して成約想定価格の幅と地域の需要(リノベ層、実需層、更地層)を確認する
  4. 【工事見積りと条件確認】改修や修繕を検討する場合、相見積もりを取得して工種・部材・単価の内訳、追加費用の発生ルール、工期中の内覧制限を確認する
  5. 【同条件での3案比較】「現況売却」「最低限修繕」「改修後売却」の3案について、成約想定価格の幅、工事費、保有延長コスト、想定手取り額を同一条件で比較して方針を決定する

3つの選択肢を比較する際は、単に売出価格の高さだけで判断せず、成約想定価格から工事費用や諸費用を差し引いた「想定手取り額(税引前)」で判断します。

  • 現況売却案:成約想定価格(現況) − 仲介手数料等の諸費用
  • 最低限修繕案:成約想定価格(修繕後) − 応急修繕費用 − 仲介手数料等の諸費用
  • 改修後売却案:成約想定価格(改修後) − 改修工事費用 − 工事期間中の保有維持費 − 仲介手数料等の諸費用

工事費用をかけて売出価格を上げても、成約価格に反映されなければ、改修費用と保有コストの分だけ手取り額は減少します。また、修繕費用が譲渡費用として認められるかどうかは税務上の個別判断を伴います。必ず同一の計算基準で試算を比較してください。

相談窓口へ持参する資料と具体的な質問項目

不動産会社、リフォーム会社、税理士などの専門窓口へ相談する際は、次のような書類を準備しておくと具体的な助言を得やすくなります。

相談時に準備する書類は次のとおりです。

  • 建物の登記事項証明書(現在の所有権や権利関係を確認するため。※権利証や登記識別情報通知書は、実際の登記手続きで厳格に管理する重要書類です。査定相談の段階で安易に写しを配らず、手元での保管と所在の確認にとどめてください)
  • 建物の設計図面、配置図、建築確認済証、検査済証
  • 過去のリフォームや修繕工事の見積書、契約書、工事内訳書
  • 固定資産税・都市計画税の納税通知書(課税明細書)
  • 直近の建物状況調査(インスペクション)報告書(すでに実施している場合)

各窓口では次の点を確認してください。

不動産会社に対しては、まず「この地域で同程度の築年数の物件を購入する買主は、どのような改装を好む傾向があるか」を確認します。あわせて「現況のまま売り出す場合と、部分修繕を施して売り出す場合とで、成約想定価格や売却期間にどのような違いが見込めるか」も聞いてください。

リフォーム会社に対しては、まず「解体後に柱の腐食やシロアリ被害が見つかった場合、追加費用の算出基準や書面による事前承諾の手順はどうなっているか」を質問します。あわせて「見積書に部材名や平米単価が具体的に明記されているか」も確認してください。

税理士や税務署には、まず国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」(新しいタブで開きます)を示し、適用できる控除額、買主が耐震改修や除却を行う場合の期限、必要書類を確認します。売却前の修繕費を譲渡費用にできるかも、工事内容と領収書を見せて個別に確認してください。

よくある質問

質問と回答を開く(2件)

Q. 売却前に水回り設備だけを新品に交換すれば、内覧者の印象が良くなって費用以上に高く売れますか?

内覧時の印象は良くなる場合がありますが、設備交換の費用をそのまま成約価格へ上乗せして全額回収できる保証はありません。周辺の成約相場を超えた売出価格を設定すると、長期にわたって売れ残る原因になります。また、買主自身が好みの設備を選びたいリノベーション希望者や、解体を前提とする買主である場合、売主が選んだ新品の設備が無駄になってしまうこともあります。ハウスクリーニングや軽微な補修についても査定前に一律で発注することは避け、現況査定で買主層を確認した上で必要な範囲を判断するのが安全です。

Q. 「現況有姿(現状渡し)」で売却すれば、引き渡し後に雨漏りが見つかっても売主は一切責任を負わずに済みますか?

責任がすべて免除されるわけではありません。契約書に「契約不適合責任の免責特約」を定めていても、民法第572条の規定により、売主が知っていたにもかかわらず買主に告げなかった不適合については免責を主張できません。ただし、この規定は告げなかった特定の不適合について免責を排除するものであり、免責特約の全体が当然に無効となるわけではありません。予期せぬトラブルを防ぐため、過去の雨漏りの履歴やシロアリ被害、給排水管の不調などは「物件状況等報告書」に漏れなく記載し、買主へ書面で開示して合意を取り交わす必要があります。

参照資料

国土交通省「インスペクション(既存住宅の点検・調査)」参照日 2026年8月31日国土交通省「住宅履歴情報とは」参照日 2026年8月31日住まいるダイヤル「リフォームの追加請求のトラブルを防ぐために」参照日 2026年8月31日住まいるダイヤル「リフォーム見積書セルフチェック」参照日 2026年8月31日不動産適正取引推進機構「2026年度版 不動産売買の手引」参照日 2026年8月31日国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」参照日 2026年8月31日