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不動産売却の費用と手取り|ローン・税金まで分ける計算表

不動産売却の費用と手取りを、売却価格、仲介手数料、ローン完済額、税金に分けて計算。手付金を二重計上せず、決済日の純増額と最終手取り、未確認費用まで整理できる実額シート付きです。

更新日 2026-08-25執筆 住まいのよりみち編集部最終確認 2026-08-25住まいのよりみち編集部読了目安 20

不動産売却の手取りは、「売却価格から何%か引けば出る数字」ではありません。売却価格が同じでも、ローン完済額、仲介手数料の合意額、登記、測量、解体、家財、税の条件によって、実際に使える金額は変わります。

まず、次の3つを分けてください。

  1. 税の確認前に取引全体で残る累計手取り
  2. 決済日に口座残高が増える純額
  3. 税の確認額まで引いた最終手取り見込み

この記事では、売却価格、売主負担、ローン完済額、税の確認額を一枚へ集めます。読み終えた時点で金額が決まらない項目は、0円にせず、見積りの最小・最大または「範囲未完成」と確認先・期限を残します。

結論:不動産売却の手取りは3つに分けて計算する

表:知りたい数字、何を答える数字か
知りたい数字何を答える数字か
税確認前の累計手取り売却取引全体で、ローンと売却支出を引いた後にいくら残るか。ここでいう「税確認前」は、印紙税等を除かない意味ではなく、譲渡所得税・住民税等の確認額をまだ反映していない状態
決済日の純増額手付金や契約前支出を除き、決済日の入金から同日の支払いを引くと口座残高がいくら増えるか
最終手取り見込み税確認前の累計手取りから、確認した譲渡所得税等の準備額を引くといくらか

基本式は次のとおりです。

> 税確認前の累計手取り = 売却価格 + 受取精算金等 − 売主の現金支出総額 − 決済日時点のローン完済必要額

> 決済日の純増額 = 残代金 + 決済日の受取額 − 決済日の支払額 − 決済日のローン完済必要額

> 最終手取り見込み = 税確認前の累計手取り − 確認した譲渡所得税・住民税等の準備額

「売却価格」と「残代金」は同時に足しません。売却価格の中に、契約時に受け取った手付金と決済時の残代金が含まれるからです。

税額がまだ分からない場合は、勝手な税率で税引後手取りを確定しません。税確認前の累計手取りを出し、税の欄は「未確認」としたうえで、使わない準備額と確認期限を別枠にします。

計算を始める前に止まる条件

次のどれかに当てはまる場合、概算表は作っても、手取り額を確定しません。

  • 査定額しかなく、想定成約価格帯と販売期間が分からない
  • 売主、登記名義人、相続人、共有者が一致していない
  • 売却代金と自己資金でローン完済・抵当権抹消ができるか未確認
  • 売主の住所・氏名と登記記録が一致していない
  • 測量、解体、家財撤去、修繕等を売主が負担するか未決定
  • 取得時の契約書や建築資料が見つからず、本記事だけでは税額を確定できない(概算取得費を含む税務確認が必要)
  • 特別控除等を「使えるはず」と仮定している
  • 売主が法人・非居住者、または取引が事業的・特殊である

ローンが残る場合は、現在のアプリ表示額ではなく、決済予定日時点の完済必要額を金融機関へ確認します。元金だけでなく、日割り利息、繰上返済・完済手数料、必要書類、送金方法等が別にある場合があります。完済計算書で内訳を見て、完済必要額に含まれた手数料は現金支出欄へもう一度入れません。

所有者の住所や氏名が変わっている場合も見落とせません。法務省は、2026年4月1日以後の変更について、変更日から2年以内の住所等変更登記を原則義務化(新しいタブで開きます)しています。施行前に変更済みで未登記の場合は、2028年3月31日までが経過措置の期限です。売却予定があるときは、職権更新が決済までに反映されると仮定せず、登記事項証明書を司法書士・法務局へ示して必要手続と費用を確認してください。

最初に集める書類と数字

全国平均の費用率より、次の書類から対象物件の数字を集める方が正確です。

表:確認する数字、主な確認資料・相手
確認する数字主な確認資料・相手
想定成約価格帯・契約価格査定書、購入申込書、売買契約案
仲介手数料の税込合意額媒介契約書、見積書
手付金と残代金売買契約書、通帳、決済案内
受取精算金固定資産税等の精算書案、管理費等の精算書案
ローン完済額金融機関の完済計算書、回答書(元金・日割り利息・手数料の内訳も確認)
登記・司法書士費用登記事項証明書、司法書士見積書
物件固有の費用測量、解体、家財、検査、修繕等の見積書
取得費・取得時期購入・建築契約書、領収書、相続資料
税の確認額税務署・税理士の回答、計算明細

取得時の資料は「昔の支出だから手取り表には不要」と捨てないでください。現在払う費用ではありませんが、税額の計算に使います。探す資料は不動産売却で残す書類にもまとめています。

税確認前の累計手取りを入力する

1. 売却で受け取る総額

表:入金項目、金額・根拠
入金項目金額・根拠
売却価格成約想定レンジ下限・中心値、または契約額
固定資産税・都市計画税等の受取精算金精算書案の金額
管理費等、契約に基づく受取精算精算書案の金額
売却に伴う返戻金等支払者・根拠・入金時期を記入
受取総額(合計)

固定資産税等の精算は法定の全国一律方式ではなく、契約や地域の取引慣行によって起算日・扱いが変わり得ます。一方、売主が未経過固定資産税等に相当する額を買主から受け取る場合、国税庁はその額を譲渡所得の収入金額へ算入(新しいタブで開きます)すると案内しています。現金表だけに入れ、税務資料から落とさないでください。

2. 売主が現金で負担する総額

表:支出項目、金額・状態
支出項目金額・状態
仲介手数料税込合意額・未確認
売買契約書の印紙税契約方式・作成日・契約金額で確認
抵当権抹消・住所氏名変更等の登記登録免許税と専門家報酬を分ける
金融機関の完済額に含まれない送金等の手数料借入先へ確認。完済計算書と二重に入れない
測量・境界確認売主負担の範囲と見積額
解体・石綿・外構・地中物工事範囲と追加費用上限
家財・家庭ごみ・清掃処理担当と見積額
建物状況調査・保証等任意か取引条件かを記入
修繕・設備対応実施理由と売主負担額
立退料・借地権等の承諾料該当時のみ
引越し・移動・保管等売却の資金計画へ含める場合
その他名称、支払先、時期、根拠
現金支出総額(合計)

3. ローンと税を別枠にする

表:別枠項目、金額・状態
別枠項目金額・状態
決済日時点のローン完済必要額元金・日割り利息・含まれる手数料の内訳、確認日を記入
譲渡所得税・復興特別所得税の準備額確認済み・未確認
住民税等の準備額確認済み・未確認
利用を検討する特例名称・確認先・必要資料
税の確認期限(記入)

ローン完済必要額は手取りを減らしますが、土地建物を売るための譲渡費用ではありません。税額計算へ混ぜず、資金返済として別に引きます。金融機関が示す完済必要額に日割り利息や完済手数料が含まれていれば、その金額は現金支出欄へ再計上しません。別請求の送金手数料等だけを現金支出欄へ入れます。

未確定費用は0円にせず、手取りを幅で出す

契約前は、売却価格も費用も一点に確定していません。そこで、少なくとも二つのケースを作ります。

表:ケース、入れる数字
ケース入れる数字
慎重ケース成約価格帯の下限、費用見積りの上限、決済日を遅めにしたローン・保有費
中心ケース根拠を説明できる中心価格、現在の見積額、想定決済日のローン完済必要額

「未確認」を0円にすると、慎重ケースにはなりません。未確認項目は、次のどれかに分けます。

表:未確認項目の状態、慎重ケースでの扱い
未確認項目の状態慎重ケースでの扱い
見積りの幅を取れる最小額と最大額を記入し、最大額を慎重ケースへ入れる
複数項目を予備費へまとめる対象項目、金額、置いた根拠を記入する
必要性も金額上限も決まらない「範囲未完成」と表示し、手取り下限を出さない

「要否確認中」は進捗の記録であり、金額ではありません。測量が必要か不明で上限見積りも取れていないなら、項目を消さず、下限手取りは未完成とします。解体や家財撤去も、実施すると決める前に現況売却の条件を確認します。築古戸建てなら古家付き・契約後解体・先行解体の判断表で、採用した案の売主負担だけを本記事へ転記してください。

手付金を二重に足さず、決済日の純増額を出す

売却価格2,000万円、契約時の手付金100万円、決済時の残代金1,900万円なら、取引全体の売却価格は2,000万円です。

> 売却価格2,000万円 = 手付金100万円 + 残代金1,900万円

累計手取りの式では売却価格2,000万円を使います。そこへ手付金100万円を再び足すと、100万円を二重計上します。

一方、「決済日に入出金を終えた後、口座残高がいくら増えるか」を知るときは、売却価格ではなく残代金から始めます。そこへ決済日の精算受取額を足し、決済日の仲介手数料、登記費用、完済必要額に含まれない金融機関手数料、ローン完済必要額等を引きます。

手付金をすでに生活費や工事費へ使っている場合も、取引全体の手取りが増えるわけではありません。契約前後の入出金を通帳と照合し、いつ受け取り、いつ支払ったかを分けてください。

売却費用一覧:必要・条件付き・任意を分ける

表:費用、発生条件・確認点
費用発生条件・確認点
仲介手数料仲介で売買契約が成立し、媒介契約で報酬を合意した場合
印紙税課税対象となる紙の売買契約書等を作成する場合
抵当権抹消抵当権等を抹消して引き渡す場合
住所・氏名変更登記登記記録と現在の所有者表示が異なり、手続が必要な場合
金融機関手数料ローン完済、繰上返済、書類発行、送金等で定めがある場合
測量・境界契約条件、境界状況、買主・不動産会社との協議で必要な場合
解体・外構更地渡し等を売主が負担する場合
家財・清掃引渡条件として売主が処理する場合
修繕・検査・保証売却条件または売主の販売判断で実施する場合
立退料・承諾料賃貸中、借地権等の権利調整が必要な場合
引越し・保管・移動売却に伴う生活上の支出として必要な場合

「よくある費用」と「必ず払う費用」は同じではありません。不動産会社の提案書では、契約・引渡しに必須の項目と、販売のための任意提案を分けてもらいます。

仲介と不動産会社による直接買取では、費用の構成も変わります。売り方をまだ決めていない場合は、先に仲介と直接買取の比較で物件状態と引渡条件をそろえてください。

仲介手数料は「法定の定額」ではなく上限内の合意額

国土交通省は、宅地建物取引業者が依頼者一方から受領できる売買の仲介手数料に上限(新しいタブで開きます)があり、その範囲内で媒介契約時に合意することが重要だと案内しています。

通常の上限は、物件価格の部分ごとに次の税込料率で計算されます。

表:物件価格の部分、依頼者一方からの上限料率(税込)
物件価格の部分依頼者一方からの上限料率(税込)
200万円以下の部分5.5%
200万円超400万円以下の部分4.4%
400万円超の部分3.3%

物件価格が400万円を超える場合の速算式は、物件価格 × 3.3% + 6万6,000円です。計算の基礎となる物件価格と消費税等の扱いは取引条件で確認し、手取り表には速算式の上限ではなく、媒介契約書に記載された税込合意額を入れます。

また、2024年7月1日以後、価格800万円以下の宅地・建物は「低廉な空家等」の特例対象となる場合があります。使用状態を問わず、媒介に要する費用を勘案して通常上限を超える報酬を合意できる制度で、依頼者一方からの上限は税込33万円です。

これは「800万円以下なら必ず33万円」という定額ではありません。特例を使うか、合意額はいくらかを媒介契約前に説明してもらい、書面で確認してください。

印紙税は契約方式・作成日・記載金額で確認する

国税庁は、2027年3月31日までに作成される、記載金額10万円超の一定の不動産売買契約書について印紙税の軽減措置(新しいタブで開きます)を案内しています。よく使われる価格帯の軽減税額は次のとおりです。

表:紙の契約書に記載された金額、軽減税額
紙の契約書に記載された金額軽減税額
100万円超500万円以下1,000円
500万円超1,000万円以下5,000円
1,000万円超5,000万円以下1万円
5,000万円超1億円以下3万円
1億円超5億円以下6万円

表の境界では「超」と「以下」を取り違えないでください。契約金額が10万円以下、記載がない、変更・補充契約書を作る、契約方式が異なるなどの場合は扱いが変わります。契約書作成日が2027年4月1日以後になる場合も、軽減措置の延長・変更を再確認してください。

登記費用とローン完済必要額は、物件数と決済日で出す

法務局の登録免許税の計算資料(新しいタブで開きます)では、抵当権抹消と所有者の住所・氏名変更等の登録免許税は、原則として不動産1個につき1,000円です。土地1個と建物1個を対象にするなら、登録免許税だけで2,000円という数え方になります。同一申請で20個以上を対象にするときは2万円とされるため、多数の筆を含む物件では個数を先に確認してください。

ただし、手取り表に入れる登記関連総額は登録免許税だけではありません。

  • 抹消・変更が必要な不動産の個数
  • 抵当権、根抵当権等の登記内容
  • 住所・氏名変更や相続登記等の追加手続
  • 司法書士へ依頼する場合の報酬・実費
  • 金融機関の書類発行・完済・送金等の手数料

これらを分けた見積りを受け取ります。司法書士報酬や金融機関手数料には全国一律額を置きません。

ローンについては、金融機関へ次を伝えます。

  1. 売却物件と借入番号
  2. 決済予定日
  3. 完済と抵当権抹消を予定していること
  4. 完済必要額の内訳と、それに含まれない手数料、必要書類、申込期限を知りたいこと
  5. 決済日がずれた場合の再計算方法

売却価格の下限と用意できる自己資金を足しても完済必要額・決済費用へ届かない可能性があるなら、通常の売却手順をそのまま進めません。媒介契約・売買契約より前に、借入先と不動産会社へ資金不足を伝えてください。

現金を減らす費用と、税務上の譲渡費用は同じではない

手取り表は「今ある現金がいくら増減するか」を見る表です。譲渡所得の表は「売却で生じた所得を税務上どう計算するか」を見る表です。

表:項目、手取りと税務上の扱い
項目手取りと税務上の扱い
ローン元金の完済手取りを減らすが、譲渡費用ではない
仲介手数料・売主負担の印紙税手取りを減らし、売却へ直接必要なら譲渡費用の対象
売却へ直接必要な測量・取壊し等手取りを減らし、要件を満たせば譲渡費用の対象
修繕・固定資産税・通常の維持管理手取りを減らすが、原則として譲渡費用ではない
取得時の購入代金等今回の現金支出ではないが、取得費として税計算に使う
買主からの固定資産税等精算金現金を増やし、譲渡所得の収入金額にも算入する

国税庁は、譲渡所得を次の考え方で計算すると案内しています。

> 課税譲渡所得 = 収入金額 − 取得費 − 譲渡費用 − 確認した特別控除

国税庁 No.3202(新しいタブで開きます)では、取得費は購入代金等に一定の改良費等を加え、建物は減価償却費相当額を差し引くと説明されています。相続や贈与では、国税庁 No.3270(新しいタブで開きます)のとおり、原則として以前の所有者の取得時期・取得費を引き継ぐため、相続税評価額や現在の固定資産税評価額を購入価格としてそのまま入力しません。

また、国税庁 No.3255(新しいタブで開きます)は、仲介手数料、売主負担の印紙税、一定の取壊し費用等を譲渡費用の例とする一方、修繕費や固定資産税等の維持管理費は譲渡費用に含まれないと示しています。

同じ領収書を手取り表と税務資料の両方で使っても構いませんが、現金から二度引くわけではありません。手取り表では一度だけ支出し、税務表では税額計算上の分類を記録します。

費用を支払う時期も手取りと一緒に記録する

表:時期、主な入出金・確認
時期主な入出金・確認
売却活動前証明書、測量、片付け、解体、検査等のうち先に必要な費用
媒介契約時仲介手数料の合意額、低廉な空家等特例、広告等の別費用条件
売買契約時手付金受領、紙契約の印紙税、仲介手数料の一部を払う合意があるか
決済準備ローン完済必要額、登記・司法書士、残代金、精算金、振込先の確定
決済・引渡し残代金・精算金受領、ローン完済、仲介手数料残額、登記・その他支払
売却後税申告の要否確認、譲渡所得税等の準備、証憑保管

費用をすべて売却代金から払えるとは限りません。契約前の測量・家財・解体、契約時の印紙税等は、決済前に資金が必要です。「金額」だけでなく「支払日」と「決済までの立替資金」も手取り表へ記入してください。

架空例で、累計手取りと決済日入金を照合する

次は計算方法を確認するために置いた架空の数字です。相場や推奨額ではありません。

表:項目、架空の入力額
項目架空の入力額
売却価格2,000万円
うち契約時に受領済みの手付金100万円
決済時の残代金1,900万円
固定資産税等の受取精算金6万円
仲介手数料の通常上限72万6,000円
紙契約の印紙税1万円
登記・金融機関関係の仮入力(完済必要額に含まれない費用)4万円
測量等の仮入力20万円
決済日時点のローン完済必要額(元金・日割り利息等を含む仮入力)500万円

この例の現金支出総額は97万6,000円です。うち、印紙税1万円と測量等の一部10万円、合計11万円を決済前に支払い、残る86万6,000円を決済日に支払うとします。

> 税確認前の累計手取り = 2,000万円 + 6万円 − 97万6,000円 − 500万円 = 1,408万4,000円

> 決済日の純増額 = 1,900万円 + 6万円 − 86万6,000円 − 500万円 = 1,319万4,000円

契約時から決済前までの現金は、手付金100万円から先払い11万円を引いた89万円です。これに決済日の純増額1,319万4,000円を足すと、税確認前の累計手取り1,408万4,000円と一致します。

この例では譲渡所得税等を計算していません。そのため、1,408万4,000円を最終的に全額使えるとは結論づけません。取得費、譲渡費用、所有期間、特例等を確認し、税の準備額を引いた段階で最終見込みを更新します。

不動産会社・金融機関・専門家へ聞く質問

不動産会社

「想定成約価格帯の下限・中心値、仲介手数料の税込合意額、契約・引渡しに必須の売主負担、任意提案の費用、支払時期を分けた概算手取り表をください」

あわせて、固定資産税等の精算起算日、管理費等の精算、手付金、残代金、振込費用、仲介手数料の支払時期を確認します。査定額と買取提示額を比べる場合は、同じ物件状態と引渡条件にそろえます。

金融機関

「決済予定日を○月○日とした完済必要額を、元金・日割り利息・含まれる手数料に分けてください。別請求の手数料、申込期限、抵当権抹消書類の受渡方法も教えてください」

日付が変わった場合の再計算方法と、当日の送金・着金手順も確認します。

司法書士・法務局

「この登記事項証明書で、売主側に必要な抵当権抹消、住所氏名変更、相続等の手続と、対象不動産数、登録免許税、報酬・実費を分けて教えてください」

見積りには、誰がどの登記を担当するかも記載してもらいます。

税務署・税理士

「この売却条件、取得資料、費用領収書、利用状況、所有期間で、収入金額・取得費・譲渡費用・特別控除・申告に必要な資料を確認したいです」

相続、共有、賃貸利用、取得費不明、複数の特例候補、非居住者等が関係する場合は、その事実を先に伝えます。

よくある質問

不動産売却の費用は売却価格の何%ですか?

一律には出せません。仲介手数料や紙契約の印紙税には制度上の上限・税額がありますが、ローン完済必要額、測量、解体、家財、登記、税は物件と売主条件で変わります。割合は初期の漏れ確認にとどめ、最終的には本記事の実額表へ置き換えてください。

3,000万円で売れたら、手取りはいくらですか?

売却価格だけでは決まりません。ローン完済必要額、仲介手数料の合意額、登記、測量・解体等の売主負担、受取精算金、税の確認額が必要です。まず3,000万円を売却価格欄へ入れ、未確認項目を0円にせず順番に埋めます。

仲介手数料は売却代金から払えますか?

支払時期と方法は媒介契約・不動産会社の案内で確認します。売買契約時と決済時に分けて払う場合、決済時にまとめて払う場合等があり、契約時には売却残代金をまだ受け取っていません。決済前に必要な現金を確認してください。

不動産会社の直接買取なら仲介手数料はゼロですか?

不動産会社が直接買主となり、別の仲介者がいなければ、その取引を仲介する手数料は通常ありません。ただし、別会社が仲介する場合や、登記・残置物等の別費用がある場合があります。売買契約の買主と費用明細を確認します。

ローン残高を譲渡所得から引けますか?

ローン完済必要額は現金手取りから引きますが、取得費や譲渡費用として自動的に税務上の所得から引くものではありません。税務上は収入金額、取得費、譲渡費用、特別控除を別に計算します。

売る前に払った費用はすべて譲渡費用になりますか?

なりません。国税庁は、売却へ直接かかった仲介手数料、売主負担の印紙税、一定の取壊し費用等を例示する一方、修繕費や固定資産税等の維持管理費は譲渡費用に含まれないとしています。支出目的、売買との関係、日付、証憑を示して個別確認してください。

税金が分からなくても手取り表を作れますか?

作れます。まず税確認前の累計手取りを出し、税の欄は「未確認」とします。ただし、その金額を全額使えるとは扱いません。取得資料と費用領収書を集め、確認担当と期限を決めて最終見込みを更新してください。

家族と担当者へ渡す完成シート

表:記録すること、記入欄
記録すること記入欄
価格の基準日・下限・中心値(記入)
売却価格または契約額(記入)
受取精算金等(記入)
売主の現金支出総額確定・見積・未確認を併記
決済日時点のローン完済必要額元金・利息・含まれる手数料の内訳を記入
税確認前の累計手取り下限・中心値を記入。上限費用が不明なら下限は「範囲未完成」
手付金受領済額入金日・使途を記入
決済日の純増額(記入)
税の確認額・準備額確認済み・未確認
最終手取り見込み確定できなければ保留
決済前に必要な立替資金金額・日付を記入
未確認項目最小額・最大額・予備費・範囲未完成のいずれかを記入
確認担当・期限(記入)
更新日(記入)

このシートを更新するときは、金額だけでなく根拠資料と確認日も残します。見積りが変わったら以前の金額を消すだけでなく、変更理由と最終回答者を記録してください。

次にすること

最初に、不動産会社へ想定成約価格帯と売主負担の一覧を依頼し、同じ日に金融機関へ決済予定日時点の完済必要額と内訳を確認します。複数社の費用条件がそろわない場合は、不動産売却を任せる会社の選び方の共通質問を使ってください。未確認費用にも上限を置ければ、税が未確認でも税確認前の累計手取りの下限を作れます。上限を置けない項目が残る間は「範囲未完成」としてください。

売る・貸す・残すの比較表をすでに作っている場合は、本記事で出した売却手取りを売る・貸す・残す判断表へ戻してください。仲介・買取をまだ決めていない場合は、仲介と直接買取の手取り比較へ進みます。

参照した公的情報

国土交通省「不動産取引に関するお知らせ・仲介手数料」参照日 2026-08-25国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」参照日 2026-08-25法務局「登録免許税の計算」参照日 2026-08-25国税庁 No.3202「譲渡所得の計算のしかた」参照日 2026-08-25国税庁 No.3214「収入金額に含める金額」参照日 2026-08-25国税庁 No.3252「取得費となるもの」参照日 2026-08-25国税庁 No.3255「譲渡費用となるもの」参照日 2026-08-25国税庁 No.3270「相続・贈与で取得した土地建物の取得費と取得時期」参照日 2026-08-25法務省「住所等変更登記の義務化」参照日 2026-08-25国税庁 No.2879「非居住者等から不動産を購入したとき」参照日 2026-08-25