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不動産売却の費用と手取り|ローン・税金まで分ける計算表

売却の手取りは、売買代金から一律の割合を引いても出せません。売主が払う費用とローン完済必要額を引いた「税の前の手取り」、決済日に口座で増える「決済日の純増額」、確認できた税の準備額を最後に引いた「最終手取り」の3つに分けて計算します。

まだしないこと

分からない費用を0円にしたまま、売り出し価格や家族への分け方を決めないでください。

まずすべきこと
  1. 売買契約書か査定書と、ローンの返済予定表を探す
  2. 金融機関に、決済予定日時点の完済必要額と内訳を聞く
  3. 分からない費用の行に、聞く相手と期限を書き添える

このページで決めること3つの手取りを二重に数えずに試算し、契約の前に確かめる金額と、それを誰に聞けばよいかが分かります。

家の売却代金から取引費用、決済日の入出金、税確認後の手取りを分けて考えるイラスト
公開日 2026年8月25日最終更新日 2026年9月29日法令・制度確認日 2026年9月29日執筆・編集 住まいのよりみち編集部読了目安 17分
この記事の目次を開く(9項目)

家を売っても、査定額がそのまま手元に残るわけではありません。不動産売却の費用、ローンの返済、翌年の税金は、払う時期も性質も違うからです。時期をそろえずに足し引きすると、手付金を二重に数えたり、税の分まで使ったりしかねません。手取りは、お金の出入りを時期ごとに並べてから計算します。

手取りは「3つの数字」に分けて出す

売却の手取りは、1つの数字ではなく、次の3つに分けて出します。なお、査定額は売り出し価格の目安で、成約する値段や手元に残る額を約束するものではありません。

表:数字、何を表すか、使いみち
数字何を表すか使いみち
税の前の手取り取引全体で残る額(税を引く前)売るかどうか、売り出し価格の判断
決済日の純増額決済日に口座で実際に増える額住み替えや返済の資金計画
最終手取り税の前の手取りから、確認した税の準備額を引いた見込み費用と税額を確認した後の資金計画や分配の目安

数字を分けるのは、お金が入る日と出る日がずれるからです。売買代金(契約で決めた値段)は、契約時の手付金と、決済日の残代金に分けて受け取ります。決済日とは、残りの代金を受け取り、家を買主に引き渡す日のことです。一方で、売却益にかかる税金は、翌年に申告して納めます。

ここでは、ローンの返済と税金を「売主が払う費用」に入れません。ローン完済必要額と税の準備額は、それぞれ別の行で引きます。同じお金を2か所で引かないための分け方です。

金額がそろったら、不動産売却の手取り計算ツールでそれぞれの手取りを出せます。このツールは、入力した金額を足し引きするだけのものです。仲介の報酬や印紙税、税額を自動で見積もるわけではありません。

最初に探す資料と、見つからないときに聞く相手

計算に使う金額は、手元の書類から集めます。実家を売る場合は、親の書類の中から次のものを探してください。

  • 売買契約書(契約の前なら、不動産会社の査定書)
  • 住宅ローンの返済予定表、または残高証明書
  • 固定資産税の納税通知書と課税明細書
  • 家を買ったときの売買契約書と領収書
  • 登記事項証明書(法務局で取れる、不動産の登記の記録)

買ったときの書類は、翌年の税金を見積もるときに使います。資料の種類と取り寄せ方は、相続した家の売却に必要な書類の記事にまとめています。

見つからない資料があっても、その金額を0円や空欄のまま進めないでください。次の相手に、それぞれ一文で聞けば足ります。

  • 不動産会社:売主が払う費用を、税込の金額と支払日つきで一覧にしてほしい
  • 金融機関:決済予定日時点の完済必要額と内訳、抹消書類がそろう日数を知りたい
  • 司法書士:抹消登記や住所変更の登記が要るか、税と報酬を分けて見積もってほしい
  • 税務署や税理士:取得費と使える特例を確かめ、税の準備額を出したい

一枚の表に、入出金を時期ごとに書く

集めた金額は、次の表1枚に書き込みます。建物の傷みを調べる調査など、表にない費用があれば、払う時期に合わせて行を足してください。「状態」の欄には、未確認・概算・確定・支払済のどれかを書きます。どの金額がまだ固まっていないかが、ひと目で分かるようにするためです。

表:時期、項目、確かめる書類・相手、金額、状態
時期項目確かめる書類・相手金額状態
参考売買代金(手付金+残代金)売買契約書、査定書
契約時手付金(入金)売買契約書
決済日残代金(入金)売買契約書
決済日固定資産税などの清算金(入金)清算書、売買契約書
契約前測量・片付けなどの着手金見積書
契約時印紙税売買契約書の金額
契約時仲介手数料(契約時の分)媒介契約書
決済日仲介手数料(残り)媒介契約書
決済日ローン完済必要額金融機関の完済額の案内
決済日金融機関の手数料(完済必要額に含まれない分)金融機関
決済日登記の登録免許税司法書士の見積書
決済日司法書士の報酬司法書士の見積書
決済日証明書の取得費市区町村、法務局
決済日測量・解体・片付けの残金見積書、請負契約書
決済後固定資産税の残りの期の納付納税通知書
翌年所得税・住民税の準備額税務署、税理士

売買代金の行は、手付金と残代金の合計が合っているかを見るための参考欄です。手取りの計算では、この行を足しません。登録免許税と司法書士の報酬のように、払う先が違う費用は行を分けて書きます。

3つの手取りの式と、二重に数えやすい4つの所

表の金額を、次の式に当てはめます。

  • 税の前の手取り=売買代金+清算金−売主が払う費用の合計−ローン完済必要額
  • 決済日の純増額=残代金+清算金−決済日に払う費用−ローン完済必要額
  • 最終手取り=税の前の手取り−税の準備額

「売主が払う費用の合計」は、契約前から決済後までの費用をすべて足した額です。契約時の手元残高は、手付金から契約前と契約時に払う費用を引いて出します。この額と決済日の純増額を足し、決済後に払う費用を引くと、税の前の手取りと同じ額になります。翌年の税は、その後に引きます。

時期ごとに足した額が税の前の手取りと合わないときは、どこかで同じ金額を二重に数えていることがあります。間違えやすいのは、次の4か所です。

手付金を売買代金に足さない

手付金は、売買代金とは別にもらうお金ではありません。売買代金の一部を、契約のときに先に受け取るものです。そのため「売買代金+手付金」と足すと、手付金の分だけ手取りが多く出てしまいます。

決済日の計算は、残代金から始める

決済日に振り込まれるのは、売買代金から手付金を引いた残代金です。全額が入ると思って住み替えの資金を組むと、当日の口座が足りなくなるおそれがあります。また、契約時に払った印紙税や仲介手数料は、決済日ではなく契約時の出金として書きます。

完済必要額に含まれる利息と手数料を重ねない

完済必要額に、元金のほか、日割りの利息や繰上返済の手数料が含まれるかは、金融機関の案内で分かります。含まれているなら、利息や手数料を別の行でもう一度引きません。含まれない分があれば、表の「金融機関の手数料」の行に書きます。

固定資産税の清算金と、納付済みの分を分ける

清算金は、決済日に買主から受け取る入金です。固定資産税と都市計画税は、毎年1月1日時点で、市区町村の固定資産課税台帳に載っている所有者にかかります(出典:国税庁 未経過固定資産税。参照資料の一覧へ移ります)。清算をしても、その年の税を市区町村に納めるのは売主のままなので、決済後に残りの期を納めるならその額を支出に入れます。すでに納めた期の分は、もう一度支出に書きません。

清算をするかどうか、何日を境に分けるかは、法律ではなく売買契約で決まります。清算書の数字だけで判断せず、売買契約書の条項と見比べてください。

現金の出入りと、税金の計算で引ける経費は、別のものです。手取りの表では引く支出でも、税の計算では引けないものがあります。

売却の手取りは、お金が出入りする時期ごとに並べて出す
図の説明

お金の出入りを、契約前、契約時、決済日、決済後、翌年の5つの時期に並べる。契約前は、測量や片付けなどの着手金を払う。契約時は、手付金を受け取り、印紙税と、契約時の分の仲介手数料を払う。手付金は売買代金の一部。決済日は、残代金と、固定資産税などの清算金を受け取り、ローン完済必要額、残りの仲介手数料、登記の登録免許税と司法書士の報酬、証明書の取得費、測量・解体・片付けの残金、完済必要額に含まれない金融機関の手数料を払う。残代金は売買代金から手付金を引いた額。決済後は、固定資産税の残りの期を納める。翌年は、所得税と住民税の準備額を用意する。決済日の純増額は決済日だけ、税の前の手取りは契約前から決済後まで、最終手取りは翌年の税の準備額まで数える。

分からない費用があるときと、計算を止めるとき

見積もりが出ていない費用は、0円として計算しないでください。0円にすると、手取りが実際より多く出るからです。分からない費用は、考えられる最大の額を仮に置き、状態を「概算」にします。

たとえば、片付けの見積もりが2社から30万円と45万円で出たとします(想定の例)。この場合は高いほうの45万円を置くと、手取りを多く見積もらずに済みます。見積もりが1社だけなら、追加の費用がかかる条件をその業者に聞いておきましょう。

測量や解体のように、最大の額すら置けない費用もあります。その場合は、手取りの下限を出せたように見えても、完成した数字として扱いません。表に「範囲未完成」と書き、確認先と期限を添えておきます。

次のどれかが確かめられていないときは、手取りを確定させず、契約の判断もいったん止めます。

  • 売主は誰で、誰に売却を決める権限があるか(相続した家なら、相続の登記が済んでいるか)
  • 共有者の全員が、売ることに同意しているか
  • ローンを売却代金で完済できるか
  • 測量・解体・片付けの費用を、売主と買主のどちらが負担するか
  • 税の特例が使えるか

親の家を兄弟で共有しているときの進め方は、共有名義の実家を売却するときの記事で確かめられます。

この記事の計算は、日本国内の不動産を売る個人の売主を前提にしています。法人の売主、売買をくり返す事業としての売却、競売や任意売却、信託受益権などの特殊な取引は対象外です。

売主が海外に住む非居住者の場合も、この記事の計算の対象外です。買主側の源泉徴収によって、入金額が変わる場合があります(出典:国税庁 No.2879。参照資料の一覧へ移ります)。適用の有無と税額の精算方法は、税務署か税理士に確認してください。

3,000万円で売る想定の例で照らし合わせる

3つの式を、想定の例で確かめます。仲介手数料は、法律で決まった上限いっぱいの額とします(出典:国土交通省。参照資料の一覧へ移ります)。

  • 売買代金3,000万円(手付金300万円、残代金2,700万円)
  • ローン完済必要額1,503万3,000円(元金1,500万円、利息と手数料3万3,000円を含む)
  • 仲介手数料105万6,000円を、契約時と決済日に半分ずつ払う前提
  • 印紙税1万円(売主の契約書1通分)、登記の税と司法書士の報酬で計5万円
  • 清算金、測量、解体はなし
  • 税は、売った年の1月1日時点で持っていた期間が5年を超える前提で、概算取得費を使い、特例なしの20.315%で計算
表:段階、計算、結果
段階計算結果
契約時の手元手付金300万円−印紙税1万円−仲介手数料52万8,000円246万2,000円
決済日の純増額残代金2,700万円−完済必要額1,503万3,000円−仲介手数料52万8,000円−登記5万円1,138万9,000円
税の前の手取り246万2,000円+1,138万9,000円1,385万1,000円
税の準備額課税譲渡所得2,743万4,000円×20.315%約557万3,217円
最終手取り1,385万1,000円−約557万3,217円約827万7,783円

課税譲渡所得は、3,000万円から概算取得費150万円と譲渡費用106万6,000円を引いた額です(出典:国税庁 No.3202。参照資料の一覧へ移ります)。譲渡費用は仲介手数料と印紙税の合計で、ローンと登記の費用は入れていません。実際の税額は、端数の処理や使える特例で変わります。

照らし合わせとして、税の前の手取りを売買代金から直接出してみます。売主が払う費用の合計は、111万6,000円です。3,000万円からこの費用と完済必要額1,503万3,000円を引くと、1,385万1,000円になります。時期ごとに足した額と同じなので、二重に数えていないことが分かります。

同じ条件で、売買代金が10%下がって2,700万円になったとします。最終手取りは約593万5,649円で、3,000万円のときより約234万2,000円少なくなります。減る額が値下げ幅の300万円より小さいのは、代金に応じて決まる仲介の報酬と税も下がるからです。

ただし割合で見ると、代金の10%の値下げで、最終手取りは約28%減ります。ローン完済必要額は、売る値段が下がっても変わらないためです。価格の交渉に入る前に、最低限残したい額を決めておくと判断しやすくなります。

決済日のローン完済と、売主が払う登記の費用

ここからは、表に書く費用の中身を見ていきます。まずは、決済日に出ていく額が大きくなりやすいローンの完済です。

ローンが残る家は、決済日にローンを完済する取引で売ります。その場合は、抵当権(ローンの担保として家に付けた権利)を消してから、買主に引き渡します。売却代金で返しきれないなら、足りない分を手持ちの資金で用意しなければなりません。

契約の前に、金融機関に次の2つを聞いておきます。

  • 決済予定日時点の完済必要額と、その内訳(元金、日割りの利息、繰上返済の手数料など)
  • 抵当権の抹消に使う書類がそろうまでの日数

抵当権の抹消登記には、登録免許税(登記のときに国に納める税金)がかかります。税額は、不動産1個(土地1筆、建物1棟)につき1,000円が基本です(出典:法務局 情報番号1312。参照資料の一覧へ移ります)。たとえば土地2筆と建物1棟なら、3個で3,000円になります。これとは別に、司法書士(登記の専門家)に頼めば報酬がかかり、額は事務所ごとに違います。

税額は登録免許税法(新しいタブで開きます)の別表で決まっています。最新の額は、法務局か司法書士に確認してください。

登記簿の住所や氏名が今のものと違うときは、抹消などの登記の前に、変更の登記を求められることがあります。変更の登記にも、登録免許税と司法書士の報酬がかかります。必要かどうかと費用は、司法書士か法務局に確認してください。

登記には、住民票や印鑑証明書などの証明書も使います。取り寄せにかかる費用も、登録免許税や報酬とは別の行に書いておくと、見積書と見比べやすくなります。

名義を買主に移す登記の税と報酬、抵当権の抹消や住所変更の登記の費用は、誰が払うかを売買契約で決めます。法律で決まっているわけではないので、売買契約書で確かめてください。

詳しく:抹消登記の税額の上限と、住所・氏名の変更登記

詳しい説明を開く

多くの不動産をまとめて抹消するときは、税額に上限が設けられています。同じ申請書で20個以上の不動産の抹消をするときは、税額は20,000円で頭打ちになります(出典:法務局 情報番号1312。参照資料の一覧へ移ります)。

住所・氏名の変更登記は、2026年(令和8年)4月1日から申請が義務になっています(出典:法務省。参照資料の一覧へ移ります)。申請の期限は、変更の日から2年以内です。2026年4月1日より前の変更は、2028年(令和10年)3月31日までに申請すればよい決まりです。

仲介手数料・印紙税と、物件によって増える費用

売主が払う費用には、法律で額が決まる税金と、見積もりや合意で決まる料金があります。仲介手数料は後者で、印紙税は前者です。

仲介手数料

仲介手数料は、売買が成立したときに不動産会社に払う報酬です。法律で決まっているのは上限の額で、実際の額はその範囲で不動産会社と合意して決めます(出典:国土交通省。参照資料の一覧へ移ります)。

売買代金が400万円を超えるときの上限は、「売買代金×3%+6万円」に消費税を足した額です。税抜3,000万円なら、上限は105万6,000円(税込)になります。

払う時期は、媒介契約(不動産会社と結ぶ、売却を頼む契約)で決めます。契約時と決済日に分けて払う取り決めもあります。金額と支払日は、媒介契約で確かめてください。仲介ではなく不動産会社に直接買い取ってもらう方法もあり、違いは仲介と買取の違いの記事で比べられます。

印紙税

紙の売買契約書には、書かれた金額に応じて印紙税がかかります。契約書を売主と買主が1通ずつ持つ場合は、印紙税を誰が負担するかを契約で確かめます。2027年(令和9年)3月31日までに作る契約書は、税額が軽くなっています(出典:国税庁 No.7108。参照資料の一覧へ移ります)。

表:契約書の金額、軽くなった税額、本来の税額
契約書の金額軽くなった税額本来の税額
500万円を超え1,000万円以下5,000円1万円
1,000万円を超え5,000万円以下1万円2万円
5,000万円を超え1億円以下3万円6万円

電子契約で紙の契約書を作らない場合は、印紙税がかかりません。

物件によって増える費用

契約の条件や家の状態によっては、次の費用もかかります。

  • 境界確定測量:隣の土地との境界をはっきりさせる測量で、土地家屋調査士に頼む
  • 解体:古い家を壊し、更地で引き渡す約束をしたときの工事
  • 片付け:家具や家電など、家に残った物を処分する費用
  • 建物状況調査:建築士が、基礎や柱、雨水が入りやすい所の傷みを調べる

どれも民間の見積もりで決まる費用で、一律の相場はありません。契約の前に着手金を払うこともあるため、払う時期も表に書いておきます。誰が負担するかは、売買契約書と重要事項説明書で取り決めます。家を解体してから売るかどうかは、古い家を解体して売るかの判断の記事で比べられます。

詳しく:仲介手数料の価格帯ごとの計算と、安い物件の特例

詳しい説明を開く

上限は、売買代金(建物に消費税がかかるときは税抜の額)を価格帯ごとに分けて計算します。

  • 200万円以下の部分:5%+消費税
  • 200万円を超え400万円以下の部分:4%+消費税
  • 400万円を超える部分:3%+消費税

「3%+6万円」は、この3つを足した額を一度に出す式です。売買代金が800万円以下の土地・建物には、2024年(令和6年)7月1日から特例があります。空き家かどうかは問いません。

不動産会社から事前に説明を受け、媒介契約で合意した場合に限り、売主側の上限は税込33万円です(出典:国土交通省。参照資料の一覧へ移ります)。自動で当てはまるものではなく、通常の上限に上乗せする決まった料金でもありません。

翌年の税金は、手取りからどう見積もる?

売却で利益が出たら、原則として翌年に確定申告をして、所得税と復興特別所得税を納めます(出典:国税庁 No.3102。参照資料の一覧へ移ります)。住民税も、そのあと市区町村からの通知に沿って納めます。つまり、決済日に受け取ったお金には、翌年に納める税の分が含まれています。

税がかかる利益(課税譲渡所得)は、次の式で出します(出典:国税庁 No.3202。参照資料の一覧へ移ります)。

  • 課税譲渡所得=収入金額−(取得費+譲渡費用)−特別控除額

収入金額には、売買代金に加えて固定資産税などの清算金も入ります(出典:国税庁 No.3214。参照資料の一覧へ移ります)。清算金は、税金が戻ってきたお金ではなく、売った代金の一部として扱われるからです(出典:国税庁 未経過固定資産税。参照資料の一覧へ移ります)。清算金を受け取るなら、税の準備額もその分を含めて試算してください。

取得費:買ったときの値段

取得費は、家を買ったときの代金に、買ったときの仲介手数料や登録免許税などを足した額です(出典:国税庁 No.3252。参照資料の一覧へ移ります)。建物は、買った代金から、年数に応じた減価償却費(古くなった分)を引きます。相続した家は、原則として親が買ったときの代金と時期を引き継ぎます(出典:国税庁 No.3270。参照資料の一覧へ移ります)。相続税の計算に使った評価額を、取得費の代わりにすることはできません。

取得費が分からないときは、収入金額の5%を「概算取得費」として使えます。ただし、実際の取得費より低くなり、税が重くなることがあります。通帳の記録や当時のローンの書類から、実際の額を示せないか探す余地は残っています。探し方は、相続した家の取得費が分からないときの記事にまとめました。

譲渡費用:売るために直接かかった費用

譲渡費用に入るのは、売るために直接かかった費用だけです(出典:国税庁 No.3255。参照資料の一覧へ移ります)。手取りの表で引いた支出でも、次のように扱いが分かれます。

表:扱い、主な費用
扱い主な費用
譲渡費用に入る仲介手数料、売買契約書の印紙税、売るための境界確定測量費、売る条件として行った解体費
譲渡費用に入らないローンの元金と完済の手数料、抵当権の抹消登記の費用、ふだんの修繕費、固定資産税

家の価値を高める改良の費用は、取得費に足せる場合があります。片付けや工事の費用は、売る条件とどう結び付くかで扱いが変わります。目的と契約の条件を書いたものを持って、税務署に確かめてください。

税の準備額の出し方

税の準備額は、課税譲渡所得に税率を掛けて出します。税率は、売った年の1月1日時点で、持っていた期間が5年を超えるかどうかで変わります(出典:国税庁 No.3208。参照資料の一覧へ移ります)。相続した家の税額と特例は、相続した家の売却にかかる税金の記事で計算の順に追えます。

取得費や特例が使えるかは、家ごとに判断が分かれます。この記事の計算は一般的な情報です。自分の家の税額は、税務署か税理士に確認してから最終手取りに反映してください。

詳しく:税率と特例の条件

詳しい説明を開く
表:区分、売った年の1月1日時点の所有期間、税率の合計
区分売った年の1月1日時点の所有期間税率の合計
長期5年を超える20.315%
短期5年以下39.63%

長期は所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%の合計です。短期は所得税30%、復興特別所得税0.63%、住民税9%を足します(出典:国税庁 No.3211。参照資料の一覧へ移ります)。

自分が住んでいた家を売るときは、最高3,000万円を差し引ける特例があります(出典:国税庁 No.3302。参照資料の一覧へ移ります)。住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることなど、いくつかの要件があります。特例で税額が0円になっても、原則として確定申告が必要です。新居で住宅ローン控除を使う予定があるときは、特例と一緒に使えない場合もあります。

参照資料

※3国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ」(仲介手数料の節)参照日 2026年9月29日 ↗※7国税庁 No.7108「不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」参照日 2026年9月29日 ↗※5法務局「登録免許税はどのように計算するのですか?(情報番号1312)」参照日 2026年9月29日 ↗e-Gov法令検索「登録免許税法」参照日 2026年9月2日 ↗※4国税庁 No.3202「譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」参照日 2026年9月29日 ↗※9国税庁 No.3214「土地建物を売ったときの収入金額に含める金額」参照日 2026年9月29日 ↗※1国税庁「未経過固定資産税等に相当する額の支払を受けた場合」参照日 2026年9月29日 ↗※10国税庁 No.3252「取得費となるもの」参照日 2026年9月29日 ↗※12国税庁 No.3255「譲渡費用となるもの」参照日 2026年9月29日 ↗※11国税庁 No.3270「相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期」参照日 2026年9月29日 ↗※6法務省「住所等変更登記の義務化」参照日 2026年9月29日 ↗※2国税庁 No.2879「非居住者等から土地等を購入したとき」参照日 2026年9月29日 ↗国税庁「令和7年分 確定申告特集」参照日 2026年9月29日 ↗※13国税庁 No.3208「長期譲渡所得の税額の計算」参照日 2026年9月29日 ↗※14国税庁 No.3211「短期譲渡所得の税額の計算」参照日 2026年9月29日 ↗※15国税庁 No.3302「マイホームを売ったときの特例」参照日 2026年9月29日 ↗※8国税庁 No.3102「譲渡所得の申告期限」参照日 2026年9月29日 ↗