当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

家が売れないときどうする?停止地点から価格・露出・条件を見直す

家が売れないときは、すぐ値下げや会社変更をせず、公開、閲覧、問い合わせ、内覧、申込み、契約条件のどこで止まっているかを特定します。レインズ(不動産会社間で物件情報を共有する仕組み)、広告、活動報告と各段階の数字を集め、原因の仮説に対応する一項目だけを変え、実施日と再判断日を決めます。

まだしないこと

返済・税・転居・相続の期限が迫るのに、一項目ずつの販売改善だけで時間を使わない。期限がない場合も、停止地点を確かめず価格と会社を同時に変えない

まずすべきこと
  1. 販売開始日と現在価格を始めた日を書き出す
  2. 公開から契約まで各段階の件数と活動報告を集める
  3. 最初の停止地点と、次に変える一項目・再判断日を決める

このページで決めること販売の停止地点を証拠から特定し、価格・露出・説明・条件・依頼先のうち次に見直す一項目を決められます。

家が売れない売主が価格・広告・内覧・物件条件のどこで止まるか確認する様子
公開日 2026年8月31日最終更新日 2026年9月14日法令・制度確認日 2026年8月31日執筆・編集 住まいのよりみち編集部読了目安 19

売りに出した家になかなか買い手がつかないときは、まず販売活動がどの段階で止まっているかを突き止め、見直す項目を一つずつ絞り込むことが解決への確実な近道です。焦ってすぐに大幅な値下げを決めたり、理由をよく確かめないまま不動産会社を変えたりするのは得策ではありません。売却が進まない背景には、価格設定だけでなく、広告が十分に届いていないことや写真・図面の説明不足、内覧時の受け入れ態勢、物件そのものが抱える法律上・物理的な条件、不動産会社の活動状況など、さまざまな原因が重なっているためです。

原因が分からないまま一度に多くの条件を変えてしまうと、何が改善につながったのか、あるいは何が逆効果だったのかが判断できなくなってしまいます。まずは「閲覧」「問い合わせ」「内覧」「申込み」「契約」という各段階のどこで話が滞っているのかをつかみ、優先順位の高い対策から順番に進めていくことが大切です。

---

1. 売却活動の停止地点を診断する

不動産の売却活動は、「情報閲覧 → 問い合わせ → 内覧 → 購入申込み → 売買契約」という段階を踏んで進んでいきます。買い手が見つからない原因は一つだけではありません。この一連の流れのどこで商談が止まっているのか、客観的な事実をもとに原因の仮説を立てて対策を考えていきます。

表:停止地点(止まっている段階)、主な現状のサイン(集計・記録)、検討すべき仮説(想定要因)、最初に見直すべき項目
停止地点(止まっている段階)主な現状のサイン(集計・記録)検討すべき仮説(想定要因)最初に見直すべき項目
閲覧・露出の前ポータルサイトの閲覧数が極端に少ない、レインズ(不動産会社間で物件情報を共有する仕組み)未登録の疑い(未取得と区別)広告媒体の不足、レインズ登録手続きの遅延、検索条件(価格帯・駅距離など)の不一致レインズ登録状況、掲載媒体、検索条件の設定
問い合わせの前閲覧数はあるが問い合わせや資料請求が記録されない写真の枚数や状態、間取り図の情報不足、近隣相場との乖離の可能性掲載写真の差し替え、物件特徴の補足、売出価格の再検討
内覧の前問い合わせはあるが現地内覧日程の調整に至らない日程調整の制約、鍵の手配手順、外観や周辺環境に対する事前懸念内覧可能日時の調整、空き家の鍵管理・案内手順、連絡対応速度
申込みの前内覧実施の記録はあるが購入申込書が提出されない室内の印象や生活臭、設備の経年劣化、競合候補との比較清掃・換気・整理、修繕必要箇所の明示、条件交渉への準備
契約の前申込みは入ったが条件交渉で折り合わない、または事前審査が進まない住宅ローンの審査基準、引き渡し時期等の条件不一致、物件状況の確認不足境界・越境の確認状況、付帯設備・告知書の確認、引き渡し条件の再調整

数値を整理する際は、集計期間、対象媒体、重複アクセスの扱いを確認し、反響が「ゼロ」なのか「データ未取得」なのかを明確に区別します。反響の少なさや見送り理由の偏りだけから直ちに囲い込みや担当者の不正と決めつけず、客観的な事実に基づいた仮説を立てて検証を進めます。

---

2. 売却期限・最低手取り額・優先条件を再確認する

具体的な対策を始める前に、売却の期限と、手元に残さなければならない最低限の資金枠を整理し直します。ここが曖昧なままだと、場当たり的な値下げで資金計画が崩れてしまったり、時間をかけすぎて建物の維持費が膨らんでしまったりするリスクがあります。

資金計画と住宅ローン残債の確認

資金計画を立てるときは、最終的に手元に残る金額を順番に計算していきます。まずは売出価格から、仲介手数料や登記費用、印紙税などの諸費用を差し引きます。さらに住宅ローン残債(残りの返済額)を一括返済したうえで、譲渡所得税などの納税準備資金を差し引いて、最終的な手取り額を確定させます。

住宅ローンが残っている家を売却する場合、原則として決済(代金の受け取りと物件の引き渡しを行う日)のタイミングでローン残債を一括完済しなければなりません。金融機関から抵当権を抹消するために必要な書類を受け取り、登記申請と決済の段取りを一致させる必要があります。売却にかかる費用を差し引いた後の手取り額がローン残債を下回る場合は、足りない分を手持ちの貯金などの自己資金から補えるか確認します。自己資金での補填が難しいときは、金融機関などの債権者と事前に個別の話し合いが可能かどうかを相談・確認しておくことが欠かせません。

諸費用の詳しい内訳や手取り額の計算手順については、不動産売却の費用と手取りの計算方法で詳しく確認できます。

譲渡期限の整理

売却のスケジュールは、売主それぞれの事情に合わせた期日から逆算して整理します。具体的には、買い替えに伴う新居の購入・決済日や子どもの進学時期などです。相続税の申告・納税が必要な方は、国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」(新しいタブで開きます)が示す「相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内」という期限も別に管理します。売却そのものに全員共通の期限があるわけではないため、自分に関係する期日を整理してください。余裕があれば広告や価格を段階的に改善でき、期日が迫っている場合は直接買取も選択肢になります。

---

3. 査定根拠と直近成約事例を見直す

売り出しを始めてから時間が経っている場合、最初に提示された査定書の根拠が、現在の市場環境とずれてしまっている可能性があります。不動産会社の査定価格は過去の成約事例や周辺の販売実績に基づいて算出されますが、季節要因や競合物件の増減によって市場環境は常に変動するためです。

複数社への査定依頼に伴う連絡管理や不要な営業電話の断り方、やり取りの整理方法については、不動産一括査定後の電話対応と選び方を参考にしてください。

客観的な市場相場を把握するためには、公的な取引データを確認することが有効です。国土交通省「不動産情報ライブラリ」(新しいタブで開きます)では、実際に取引された成約価格情報や地価公示・地価調査などの公的データを地図上から閲覧できます。

【直近成約事例の確認チェック項目】
1. 近隣で過去6か月〜1年以内に成約した類似物件の成約平米単価
2. 築年数、構造、土地建物面積、接道状況と自物件との具体的な差異
3. 当初査定時からの周辺エリアにおける競合・供給件数の推移

担当者に連絡を取り、「売り出し以降に近隣で成約した類似物件の成約価格と成約までの日数」の最新データをレポートとして提出してもらいましょう。

---

4. 売出価格と近隣競合物件を比較する

不動産ポータルサイトなどで物件を検索する買い手候補者は、希望する地域や予算、面積、間取りなどの条件を指定し、検索結果に並ぶ物件同士を見比べながら検討します。

同じ検索条件の中に割安感のある物件や築年数の新しい物件が競合として並んでいると、比較検討される中で候補から外れたり、優先順位を下げられたりする原因になります。

ポータルサイトの検索フィルターを意識した価格設定

ポータルサイトには、予算の上限や下限を指定する検索機能があります。売出価格が利用者の選んだ上限を少しでも超えると、その条件の検索結果には表示されません。まず利用中の媒体で、実際の価格区分を確認します。

例:上限3,000万円で検索する利用者には、3,080万円の物件は表示されません。値下げを勧める一律の基準ではなく、価格を見直す際に検索区分も確かめるための例です。

利用している主要な媒体の検索仕様や区切り設定を確認し、自物件の価格設定が検索条件から外れやすくなっていないかを点検することが大切です。

以下は、物件を比較する際の視点を整理するための架空の比較例です。

表:比較項目、自物件(架空例)、競合物件A(架空例)、競合物件B(架空例)
比較項目自物件(架空例)競合物件A(架空例)競合物件B(架空例)
売出価格3,480万円3,380万円3,550万円
土地・建物面積土地100㎡ / 建物90㎡土地95㎡ / 建物85㎡土地115㎡ / 建物100㎡
築年数・構造築18年(木造)築22年(木造)築12年(軽量鉄骨)
駅徒歩分数徒歩12分徒歩15分徒歩9分
リフォーム履歴なし(現状渡し)水回り交換済み一部壁紙張替えのみ
駐車スペース1台1台2台(並列)

買い手の視点に立ち、一覧画面で自物件がどのような優先順位で比較・評価される可能性があるかを客観的に確認してみましょう。

---

5. 広告掲載先・写真・説明・図面を確認する

閲覧数は一定数あるものの問い合わせにつながらない場合、広告の見せ方に改善の余地があるケースが見られます。買い手が最初に見る広告の品質を点検しましょう。

広告のチェックリスト

  • ポータルサイトへの掲載範囲:主要なポータルサイトに適切に掲載されているかを確認します。掲載先が限定されている場合、買い手の目に留まる機会そのものが狭まっている可能性があります。
  • 写真の枚数とクオリティ:外観だけでなく、主要な居室、水回り、収納、前面道路などが網羅されているかを確かめます。明るい時間帯に撮影されているか、生活感が過度に写り込んでいないかも確認してください。
  • 間取り図の正確性と視認性:部屋の配置、広さ、収納、ドアの開閉向きなどが分かりやすく描かれ、方角が正しく記載されているかを確認します。
  • 物件の強みとアピールの記載:生活利便施設までの距離や日当たり、通風、過去の修繕履歴など、住環境に関わる情報が具体的に記載されているかを点検します。

担当会社との契約内容や利用媒体のプランによって、写真の差し替えや掲載追加に対応できる範囲や費用負担が異なります。実際の画面を確認したうえで、担当者に相談してみてください。

---

6. 問い合わせ数と内覧数の記録を整理する

販売活動の状況を正しく把握するためには、定例報告で具体的な数値を記録してためていくことが欠かせません。感覚だけで悩むのを避け、客観的な実数をもとに分析を進めます。

【販売活動記録シートの確認項目】
・集計対象期間および利用媒体(ポータルサイト名、レインズ等)
・PV数(物件詳細表示数)とお気に入り登録数(重複アクセスの扱い・未取得の有無)
・問い合わせ・資料請求の件数(「0件」と「データ未取得」を区別)
・現地内覧の申込み件数および実施件数
・内覧後の見送り理由(回答が得られた範囲での価格、間取り、日当たり、設備状態など)

内覧後に見送りとなった場合は、担当者を通じて相手方の仲介会社などへ理由の聞き取りを依頼します。ただし、相手方の事情により理由が得られない場合や、一般的な回答にとどまることもあります。そのため、回答が得られた範囲の内容をしっかり記録しておきます。具体的な理由が把握できれば、優先して改善すべき仮説を立てる有力な手がかりになります。なお、反響の少なさや理由の偏りだけで不当な囲い込みと決めつけず、媒体ごとの集計条件や回答状況を踏まえて冷静に判断することが大切です。

---

7. 内覧時の受け入れ態勢と室内状態を改善する

内覧はあるのに購入申込みが入らない場合、見学時の第一印象や受け入れ態勢に課題がある可能性が高くなります。事前の安全確認と立ち入り権限の管理を前提として対策を進めましょう。

居住中物件の内覧対策

売主が住みながら売却を進める場合は、見学者の安全確保と防犯に配慮し、売主および仲介担当者の立ち会いのもとで実施します。

  • 整理整頓と不用品の退避:玄関、キッチン、浴室や洗面台などの生活雑貨をできる限り収納へ片付け、室内を広くすっきり見せます。
  • 採光と照明:日中であってもすべての照明を点灯し、カーテンを開けて室内を明るく保ちます。
  • 換気と生活臭への配慮:ペットや調理、排水口などの生活臭について、事前にしっかりと換気を行い、無香性の消臭剤を使って対策を施します。
  • 立ち会い時の配慮:見学者が落ち着いて確認できるよう、案内は担当者に任せます。売主は質問を受けた際に、生活実感に基づいて穏やかに回答するようにします。

空き家物件の内覧対策

すでに退去が完了している空き家の場合、定期的な管理と安全な案内体制の確保が重要です。

  • 通気と通水の管理:給排水管や設備の状況に問題がないことを確認したうえで、定期的な換気や通水を行い、室内に湿気が滞留することや、排水トラップの水が蒸発して悪臭が上がってくるのを防ぎます(設備の老朽化や凍結防止などの事情がある場合は、状況に応じた対応をとります)。
  • 鍵の管理と案内手順の統制:現地にキーボックスを設置して案内を行う場合でも、誰でも自由に利用できる運用は避けます。事前予約の受領、利用者の身元確認、暗証番号の定期変更、入退室記録の管理など、安全確保と防犯対策を徹底した運用を行います。

---

8. 接道・境界・不具合・書類の不備を洗い出す

価格や広告に問題がなくても、物件の権利関係や法律上の課題が原因で、購入検討者が住宅ローンの審査に通らなかったり、契約直前で躊躇したりすることがあります。

不動産適正取引推進機構「2026年度版 不動産売買の手引」(新しいタブで開きます)では、売買契約時に重要となる権利関係や物件状況の確認事項が解説されています。以下の項目を点検してください。

法的制限と境界の確認

  • 接道義務と再建築の可否建築基準法第43条(e-Gov法令検索)(新しいタブで開きます)では、原則として敷地が同法上の道路に2メートル以上接することを求めています。ただし、同条の例外や自治体条例による制限もあるため、接道長だけで再建築できると判断してはいけません。道路の種類、私道負担、セットバックの要否を自治体の建築担当窓口や専門家に確認し、買い手へ説明できる状態にします。
  • 境界標と敷地状況の確認:隣地との境目を示す「境界標」の有無や、越境物がないかを確認します。境界標の不足や不明箇所がある場合でも、すべての取引で直ちに確定測量や越境の覚書締結が必須となるわけではありません。しかし、買主の融資利用要件や将来のトラブル防止の観点から必要性が生じることもあるため、担当会社や専門家と協議して進め方を判断します。

物件状況報告書と付帯設備表の整備

雨漏りやシロアリ被害、給排水管の故障、過去の増改築履歴といった物件状況について、売主が把握している情報を事前に正確に開示することがトラブル防止につながります。インスペクション(建物状況調査)についても全件で必須ではありませんが、建物の基礎や外壁、屋根の状況を調査して客観的な情報を提供することが、買い手の安心材料となる場合があります。

---

9. 媒介契約の種類・レインズ登録・報告義務を確認する

依頼先の不動産会社が、法令や契約約款に基づいた販売活動を適切に行っているかを確認します。

媒介契約の種類と報告義務

媒介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があり、法令上の義務が異なります。国土交通省「標準媒介契約約款」(新しいタブで開きます)に定められた報告基準とレインズ登録期限を比較します。

表:項目、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約
項目一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約
他社への重ねての依頼可能(複数社と並行契約)不可(1社のみ)不可(1社のみ)
売主自身が見つけた相手との自己発見取引可能可能不可
契約の有効期間法令上の上限なし(標準約款では3か月以内)最長3か月(宅建業法)最長3か月(宅建業法)
レインズへの登録義務法的義務なし契約締結翌日から7日以内(休業日除く)契約締結翌日から5日以内(休業日除く)
売主への業務処理状況報告義務定期報告の義務なし(購入申込み時は遅滞なく報告)2週間に1回以上1週間に1回以上

専任媒介契約・専属専任媒介契約では定期的な業務処理状況の報告義務が課されているほか、いずれの媒介契約であっても購入申込みを受けたときは、遅滞なく売主へ報告する義務が定められています。

レインズ登録証明書とステータス管理機能の確認

専任媒介契約または専属専任媒介契約を締結して指定流通機構(レインズ)に登録された場合、不動産会社から「登録証明書」が売主に交付されます。登録証明書に記載された確認用IDとパスワードを使用することで、売主自身が専用画面から自物件の登録内容や取引状況を確認できます。

レインズには、物件の取引状態を示すステータス管理機能が備わっています。詳細な確認手順は、国土交通省「レインズのステータス管理機能・売主向けリーフレット」(新しいタブで開きます)および国土交通省「不動産取引に関するお知らせ」(新しいタブで開きます)で案内されています。

【レインズのステータス区分】
1. 公開中:他社からの問い合わせや購入申込みを受け付けている正常な状態
2. 書面による購入申込みあり:買い手から書面で購入申込みを受理した状態
3. 売主都合で一時紹介停止中:売主の都合で一時的に紹介を止めている状態

自物件のステータスが、売主の承諾なく勝手に「書面による購入申込みあり」や「売主都合で一時紹介停止中」に変更されていないかを確認します。他社からの内覧申込みを不当に拒絶する囲い込みが行われている疑いがないかを確かめるための有効な手段となります。

---

10. 価格変更・広告改善・修繕・買取の比較

状況打開のための手段として、価格変更、広告改善、修繕、事業者買取などの選択肢があります。それぞれの特徴と注意点を把握し、現状に最適な手段を選定します。

表:改善手段、主な適応シナリオ、メリット、注意点・リスク
改善手段主な適応シナリオメリット注意点・リスク
広告の改善閲覧数が少ない、写真が暗い、説明不足既存契約の範囲内であれば費用を抑えて反響改善を図れる可能性がある写真撮り直しや追加掲載の対応可否・費用負担の有無は契約内容や会社による
内覧態勢の改善閲覧や問い合わせはあるが内覧・申込みが入らないハウスクリーニング等の手入れで印象を大きく高められる場合がある根本的な立地条件や間取り自体の制約までは解消できない
価格変更(値下げ)近隣競合に比べて割高、閲覧も問い合わせも入らない媒体の通知機能や価格帯の合致により新たな検討層に届く可能性がある資金計画への影響、買い手側に「さらなる値下げ余地がある」と受け取られる懸念
小規模修繕・補修設備の故障や汚れが見送り理由として具体的に判明している内覧時の減点要素を抑え、過度な減額要求の理由を減らせる大規模なリフォーム費用は売却価格に十分上乗せできないことが多い
事業者による直接買取売却期日が迫っている、早期の現金化や計画確定を優先したい仲介業者を介さない売買のため仲介手数料が発生しない買取可否や最終提示額、減額・解除条件、決済日の確認が必要。仲介成約相場より金額が低くなる傾向があり、契約不適合責任免責や残置物引受が自動適用されるわけではない

一般市場での仲介売却と不動産会社による直接買取の違いや使い分けについては、仲介と直接買取のメリット・デメリット比較で詳しく解説しています。

---

11. 変更ごとの検証期間と評価指標を決める

対策を実施する際は、どのくらいの期間試すかという「検証期間」と、効果を測るための「評価指標」をあらかじめ設定しておきます。無計画な様子見を避け、あらかじめ期日を決めて結果を測定します。

【施策検証の設計例(仮定の試算例)】
・変更施策:ポータルサイトの掲載写真の撮り直し(一項目のみ変更)
・検証期間の目安:変更実施日から2〜3週間程度(媒体の更新反映を踏まえた仮定期間)
・評価指標の目安:物件詳細PV数の増加傾向、または問い合わせ発生(仮定の目標値)
・未達時の次の一手:写真以外の要素(間取り図や紹介文)の点検、または価格設定の再検討

施策を検証する際は、原因をきちんと見分けるために「一度に変更する項目を一つに絞る」ことが基本です。なお、広告における誤表示や法令違反事項の訂正、建物の安全確保に関する緊急対応などは、検証期間を待つことなく直ちに修正・是正を行ってください。

---

12. 担当会社への相談文例

担当者に現状の改善を促す際は、感情的な不満を伝えるだけでなく、客観的なデータや事実を示して質問することが効果的です。

【担当者への相談・改善依頼の文例】

○○不動産 担当 ○○様

いつも販売活動にご尽力いただきありがとうございます。
売り出し開始から○か月が経過いたしましたので、今後の販売戦略についてご相談したくご連絡いたしました。

現状の活動データについて、以下の項目を整理して共有いただけますでしょうか。

1. 過去○週間の利用媒体別PV数・お気に入り登録数の推移(未取得・重複の別を含む)
2. レインズを通じた他社からの問い合わせ・物件確認の状況
3. 内覧後の見送り理由(相手方から得られた範囲の具体的な内容)
4. 近隣エリアにおける類似物件の直近成約データ

また、現在の閲覧・内覧状況を踏まえ、写真の差し替えや紹介文の補足など、優先して見直すべき具体的な改善項目についてご提案をいただきたいと考えております。

つきましては、○月○日(○曜日)頃に、これらを踏まえた販売改善計画についてお打ち合わせをさせていただけますでしょうか。
何卒よろしくお願い申し上げます。

担当者から明確なデータや具体的な改善策が提示されない場合は、依頼先の見直しを検討する段階に入ります。

---

13. 媒介契約の満了・解除と依頼先の見直し

対策を重ねても状況が好転せず、担当会社の対応に改善が見られない場合、媒介契約の更新を行わず、他社へ切り替えることを検討します。

不動産会社の選び方や比較基準については、信頼できる不動産会社の選び方と見極め手順で詳しく確認できます。

契約解除と費用請求のルール

媒介契約の有効期間が満了し、更新しない場合は、まず契約書に自動更新や費用に関する特約がないかを確認してから他社への切り替えを進めます。ただし、国土交通省「標準媒介契約約款」(新しいタブで開きます)には、媒介契約の終了後2年以内に、前の不動産会社の紹介で知った相手方と同社を排除して直接取引した場合、契約成立への寄与に応じた報酬を請求できる旨の条項があります。実際に締結した契約書が標準約款と同じとは限らないため、直接取引や広告実費に関する条項も確認してください。

一方、有効期間の途中で売主の都合により解約する場合、費用請求が当然に生じるわけではありませんが、契約約款の定めに基づき、契約履行のために要した費用の請求を受ける可能性があります。請求が発生し得る理由、対象となる実費の範囲、約定上限額、事前承諾の有無などを確認することが重要です。

標準媒介契約約款では、義務の不履行について相当の期間を定めて改善を求め(履行の催告)、その期間内に履行されない場合の解除と、重大な背信行為などを理由とする解除が区別されています。報告や登録の不備だけで直ちに無条件解除できると決めつけず、違反内容、改善要求の記録、実際の契約条項を確認してください。トラブルを防止するためにも、契約書に定められた条項や特約をあらかじめ慎重に確認したうえで手続きを進めることが大切です。

---

14. 専門家や第三者機関へ相談する前の準備

売却が長期化し、個別の事情(私道の権利関係や境界紛争、借地権、特殊な構造の瑕疵など)が絡んでいる場合は、司法書士や土地家屋調査士、弁護士などの専門家への相談が必要になります。

相談を円滑に進めるため、事前に以下の資料を整理して持参してください。

【相談時に持参する基本資料】
1. 不動産の権利・測量・建築関連書類(登記事項証明書、公図、測量図、確認済証等)
2. 現在の媒介契約書およびレインズ登録証明書
3. 販売活動報告書および直近の成約事例・競合状況の整理資料

専門家には「いつまでに、いくら以上の手取り資金を残す必要があるか」「現在どの停止地点で停滞しているか」を端的に伝えて助言を求めます。

参照資料

国土交通省「レインズのステータス管理機能・売主向けリーフレット」参照日 2026年8月31日国土交通省「不動産取引に関するお知らせ」参照日 2026年8月31日国土交通省「不動産情報ライブラリ」参照日 2026年8月31日国土交通省「標準媒介契約約款」参照日 2026年9月20日国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」参照日 2026年9月20日e-Gov法令検索「建築基準法」参照日 2026年9月20日不動産適正取引推進機構「2026年度版 不動産売買の手引」参照日 2026年8月31日