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不動産の一括査定を申し込むと、電話が何件も続くのではないかと心配になるものです。申込み後に電話をかけてくるのは、主に申込みの情報を受け取った不動産会社です。件数は、申し込む前の設定と、申し込んだ後の伝え方で変えられる部分があります。
一括査定の電話は何件来る?
電話が何件来るかは、一律には決まっていません。申込み画面でよく見る「最大6社に査定依頼」のような表示は、査定を頼める会社の数を示すものです。電話が6回だけ鳴る、という意味ではないのです。
着信の回数は、次の5つで変わります。
- 情報を送った会社の数
- 入力内容に、会社が確認したい点があるか(住所や面積の書きもれなど)
- 選んだ査定方法(家を見ずに出す机上査定か、家を見て出す訪問査定か)
- 各社の連絡のしかた(電話が中心か、メールで済ませるか)
- 電話がつながるまでに、かけ直してくる回数
このうち会社の数は、自分で決められます。送る会社を1社増やすと、連絡してくる窓口も1つ増えます。何社に送るかの決め方は、不動産査定を何社に頼むかの記事で説明しています。
電話は何のためにかかってくる?
各社からの電話には、主に次の4つの目的があります。
| 目的 | 主な中身 |
|---|---|
| 本人と物件の確認 | 本人の申込みか、住所・面積・築年数に誤りがないか |
| 机上査定の結果の報告 | おおよその価格と、その根拠の説明 |
| 訪問査定の日程調整 | 家を見に行く日時、用意してほしい書類 |
| 出られなかった後のかけ直し | 折り返しのお願い、ショートメッセージ |
査定の申込み後の確認を、電話で行うかどうかは、サービスや会社の運用によります。メールで済ませる会社もあるため、申込み先の説明で確かめてください。
たとえば、次のような場合です(想定の例)。4社に送り、各社が本人確認と結果の報告で2回ずつ電話をかけてきたとします。それだけで8回になり、出られずにかけ直しが3回重なれば、着信は11回です。一方で、結果をメールで送ってくる会社が多ければ、電話はずっと少なくなります。
「平均で何回」と考えるより、送る会社の数と、自分が電話に出られる時間から見込むほうが現実に近くなります。
電話をかけてくるのは運営会社?不動産会社?
一括査定の電話は、主に査定をする不動産会社からかかってきます。サイトの運営会社と不動産会社では、役割が分かれているからです。
| 項目 | サイトの運営会社 | 査定をする不動産会社 |
|---|---|---|
| 主な仕事 | 申込みの受付、提携先への情報の送信 | 物件の調べ、査定書の作成 |
| 来る連絡 | 受付完了の自動メール。事前に聞き取りをするサービスもある | 本人確認、物件の聞き取り、査定結果、訪問の相談 |
| 来る時期 | 申込みの直後 | 情報を受け取った後、各社の営業時間内 |
申込み後、早い段階で連絡が来る場合があります。そのため、電話に出られない時間帯に送信すると、不在着信が重なりやすくなります。
選んだ覚えのない会社から電話が来たら
画面で選んだ覚えのない会社から電話が来ても、あわてて詳しい話をしないでください。サービスによっては、提携先やグループ会社に情報が渡る規約になっている場合があります。すぐに違法と決めつけず、次の順で確かめます。
- 会社名、担当者名、電話番号を控える
- 「どのサイトから、どういう理由で私の情報が届いたのか」を聞く
- 同意した提供先に入っていると分かるまで、家族のことや売る時期は話さない
同意した内容と違う形で情報が渡った疑いがあれば、個人情報の窓口に連絡します。連絡先は、サイトの運営会社か、電話をしてきた会社です。どこから情報が渡ったのかの確認と、連絡の停止を求めましょう。
送信前に最終画面で確かめる6つ
電話の数を大きく左右するのは、申込みボタンを押す前の最終画面です。入力欄や選べる項目はサービスによって違うので、画面にあるものを確かめてください。
- 送る会社の名前と数:全社に自動で印が付いていないか見て、自分が対応できる社数に絞る(2〜3社は一例)
- 査定の方法:相場だけ知りたいなら、机上査定が選ばれているか
- 要望を書く欄:メール希望や、電話に出られる時間を書く欄があるか
- 個人情報の使い道と渡る先:利用目的と、情報の渡る先(会社名か、会社の範囲)が書かれているか
- 取消しの窓口:運営会社の問い合わせ先が書かれているか
- 送信の記録:会社選択の画面、同意文、完了メールを残せるか
4つ目の「利用目的」は、集めた個人情報を何に使うかの説明です。情報をほかの会社に渡すことは「第三者提供」と呼ばれます。これには、原則として本人の同意が要ります(出典:個人情報保護委員会 通則編。参照資料の一覧へ移ります)。
情報が渡る先は、サービスごとに違います。最終画面や同意文で、会社名か、提供先の範囲が書かれているかを確かめてください。分からないときは、申込みを確定しないでください。
2つ目の査定方法の違いは、机上査定と訪問査定の違いの記事で比べています。6つ目の記録は、あとで「どの会社に、いつ送ったか」を確かめる手がかりになります。
「メール希望」と書けば電話は来ない?
要望欄に「メール希望」と書いて、連絡方法の希望を伝えられます。ただし、電話が来ないという保証にはなりません。電話をかけるかどうかは、依頼先の会社やサービスの運用によります。
一行だけ「メールのみ」と書くより、次の3つを書いておくほうが伝わります。
- 今は相場を知りたい段階であること
- 机上査定を希望すること
- 結果、根拠、質問への答えをメールで送ってほしいこと
要望欄には、次の文をそのまま使えます。電話に出られる時間があるときだけ、最後の1行を足してください。
現在は売却を考え始めた段階で、おおよその相場を知りたいと考えています。
家の中を見ない「机上査定」を希望します。
日中は仕事で電話に出られません。
査定結果、算出の根拠、ご質問は、記載のメールアドレスへお送りください。
内容を家族と検討し、詳しい相談に進むときはこちらから連絡します。
(通話できる時間がある場合のみ)平日○時〜○時は電話に出られます。関係のない人に電話がかかり、迷惑をかけてしまいます。自分にも査定結果や確認の連絡が届かないため、査定そのものが進みません。電話番号を渡さずに相場を知る方法は、この記事の「よくある質問」で紹介しています。
申込み後の連絡は会社別に記録する
複数の会社に送ったら、各社とのやり取りを会社ごとに記録します。ノートかスマートフォンのメモに、会社ごとに次の項目を控えておけば足ります。誰に何を伝えたかが分かるので、断りの連絡の出し忘れや二重送りを防げます。
記入のしかたは、たとえば次のとおりです(想定の例)。
| 会社名・担当者 | 連絡の日時 | 手段と用件 | 相手の次の予定 | こちらの対応 |
|---|---|---|---|---|
| A不動産・鈴木さん | 9/14 10:30 | メール:机上査定書を受け取った | 特になし | 検討中(家族に共有) |
| B不動産・佐藤さん | 9/14 11:15 | 電話:不在着信 | 折り返しを求めるSMSあり | メールで机上査定の希望を再送 |
| C不動産・田中さん | 9/14 14:00 | 電話:本人確認が済んだ | 翌日夕方までに査定書をメール | 結果待ち |
続けるか終えるかを決めたら、その日時と伝えた内容も書き足します。連絡の停止を頼んだ日時と言葉は、あとで相談するときの記録にもなります。
査定結果がそろったら、金額の高さだけで比べないでください。査定額の根拠には、同種の取引事例など、合理的に説明できるものが挙げられています(出典:国土交通省 解釈・運用の考え方。参照資料の一覧へ移ります)。次の3点を見て、続けて相談する1〜2社に絞ります。
- 根拠:近くで実際に売れた例(成約事例)を示して説明しているか
- 前提:ある程度の期間で売れる見込みの額か、売り出しの希望額か
- 対応:こちらが頼んだ連絡方法を守っているか
担当者の見きわめ方は、不動産会社の選び方の記事にまとめています。合わない会社には、この後で紹介する断り文で連絡を終えます。
各社の答えは、無料の不動産会社の比較シートに同じ欄で書き込めます。
止めたいのは「査定」「営業」「個人情報」のどれ?
「もう連絡しないでほしい」と伝える前に、何を止めたいのかを分けておきます。止めたいものによって、伝える先も、よりどころになる決まりも違うからです。
| 止めたいもの | 伝える先 | 注意点 |
|---|---|---|
| 査定の作業(依頼の取消し) | 運営会社の取消し方法に沿う。連絡してきた各社にも伝える | 運営会社に伝えても、各社の連絡がすぐ止まるとは限らない |
| 売却の営業(契約の勧誘) | 勧誘してくる不動産会社 | 頼んだ査定書を届ける連絡などは、勧誘とは別 |
| 自分の情報(利用停止・消去) | 運営会社と各社の個人情報の窓口 | 法律の条件に当たるかの確認や、本人確認が要ることがある |
1つ目の取消しは、まず運営会社の取消し方法を確かめます。そのうえで、すでに連絡してきた各社にも、取下げを伝えてください。申込みの時点で、情報が各社に送られている場合があるからです。全社にどう伝わるかは、サービスの規約やFAQで確かめます。
2つ目の営業を止めるには、媒介契約(売却を不動産会社に任せる契約)は結ばないと、相手に直接伝えます。売却の検討を続けていても、その会社からの提案だけを断ることはできます。契約しない意思を示した人への勧誘を続けることは、宅地建物取引業法の施行規則で禁じられています(出典:国土交通省 運用通知。参照資料の一覧へ移ります)。
3つ目は、保有個人データの利用停止や消去を求める手続きです。保有個人データは、会社が本人の求めに応じて、開示や消去などをする権限を持つ個人データです。使うのをやめてもらう、消してもらうといった求めは、法律の条件に当たるときに認められます(出典:個人情報保護委員会 通則編。参照資料の一覧へ移ります)。たとえば、目的の外で使われた、不正に手に入れられた、使う必要がなくなった、といった場合です。
一括査定の電話を断るときの伝え方
断るときに、長い理由は要りません。次の3つを短く伝えれば、行き違いを防げます。
- どの物件の査定か
- 検討した結果、どうするか
- 今後の電話や提案は要らないこと
メールでも電話でも、前置きと結びは次の形で使えます。間に、場面に合う本文を入れてください。
【前置き】
○○不動産 ○○様(担当者が分からなければ「査定ご担当者様」)
先日、査定サイトから○○市○○町の物件の査定を依頼した○○です。
【結び】
本件について、今後のご提案やお電話はご遠慮ください。
これまでのご対応、ありがとうございました。送った後は、各社からの連絡が止まったかを確かめます。行き違いで電話が来たら、「メールでお送りしたとおりです」と落ち着いて伝えましょう。
机上査定までで、訪問査定は断る
売却の検討は続けながら、家に来てもらうことと電話を止めたいときの文です。
机上査定書をお送りいただき、ありがとうございました。
検討の結果、現地の訪問査定は見送ることにしました。
日程の調整やお電話は不要です。相談が必要になれば、こちらから連絡します。ほかの会社に売却を任せると決めた
売ることは進めながら、この会社との契約を断るときに使います。
査定とご提案をいただき、ありがとうございました。
検討の結果、今回は別の不動産会社に売却を依頼することにしました。
貴社との媒介契約や追加のご提案は希望しません。売るのをやめた
売る計画そのものをやめて、当面は持ち続けると決めたときの文です。
ご対応いただき、ありがとうございました。
家族で話し合った結果、当面は売却をせず、所有を続けることにしました。
今後の営業のご連絡や物件確認のお電話はご遠慮ください。間違えて送信した
入力の間違いや操作の誤りで送ってしまい、すぐに査定を止めてほしいときの文です。
操作を誤り、査定を申し込んでしまいました。
お手数ですが、本件の査定を中止し、依頼を取り下げてください。
査定結果の送付や、お電話・メールでのご連絡も不要です。断った後も勧誘が続くときは?
断った後の電話が、すべて違反になるわけではありません。禁じられているのは、契約しない意思を示した人に、契約の勧誘を続けることです(出典:国土交通省 運用通知。参照資料の一覧へ移ります)。一方で、頼んでいた査定書を届けるための住所の確認などは、勧誘とは別の事務の連絡です。
「今は手が離せません」「後でかけ直してください」では、断ったと受け取られないことがあります。止めたいときは、「媒介契約を結ぶつもりはないので、営業の電話は控えてください」と伝えます。高齢の方の自宅を強引に売らせようとするトラブルには、国土交通省も注意を呼びかけています(出典:国土交通省 高齢者の自宅売却。参照資料の一覧へ移ります)。
相談の前に残す記録
断った後も勧誘が続くなら、言い争いは避けて、起きたことを記録します。次の4つがそろえば、相談先に事情が伝わります。
- 会社名、店名、担当者名、免許番号
- 電話が来た日時(着信履歴の画面を保存する)
- 断った日時と、そのとき使った言葉
- 断った後の勧誘の中身(話の内容、着信の回数、訪問の様子)
どこに相談する?
記録がそろったら、内容に合う窓口に相談します。消費者ホットラインは、局番なしの188です(出典:消費者庁 消費者ホットライン。参照資料の一覧へ移ります)。
| 相談先 | 相談できること |
|---|---|
| 免許行政庁(都道府県や地方整備局など) | 不動産会社を指導・監督する役所。断った後も勧誘が続くこと |
| 消費者ホットライン | 近くの消費生活センターなどの案内。事業者とのトラブル全般 |
| 個人情報保護委員会の相談窓口 | 情報を消す求めに応じないなど、個人情報の扱い |
免許行政庁は、不動産会社に免許を出し、指導する役所です。相手の免許番号と免許行政庁は、国土交通省の宅建業者の検索案内(新しいタブで開きます)で調べられます。個人情報の相談窓口は、個人情報保護委員会(新しいタブで開きます)のトップページにある「個人情報保護法相談ダイヤル」の案内から探せます。
勧誘の日時、会社や担当者の情報、やり取りの中身は、記録して免許行政庁へ知らせるよう案内されています(出典:国土交通省 勧誘の記録。参照資料の一覧へ移ります)。勧誘が違反に当たるかどうかの個別の判断は、相談先で確認してください。
詳しく:知事免許と大臣免許で相談先が違う
詳しい説明を開く
不動産会社の免許には、都道府県知事の免許と、国土交通大臣の免許があります。1つの都道府県だけに事務所があれば知事、2つ以上の都道府県にあれば大臣の免許です(出典:宅地建物取引業法 第3条。参照資料の一覧へ移ります)。知事の免許なら都道府県の担当課、大臣の免許なら管轄の地方整備局などが相談先になります。
免許番号は「○○県知事(○)第○号」「国土交通大臣(○)第○号」の形です。会社のホームページなどで確かめ、控えてから相談しましょう。
よくある質問
質問と回答を開く(4件)
運営会社に取り消しを伝えれば、全社の電話は止まる?
止まるとは限りません。申込みを送った時点で、情報は各不動産会社に届いている場合があるからです。運営会社での取消しに加えて、連絡してきた各社にも「査定を取り下げます」と伝えてください。
まだ売るか決めていなくても、一括査定を使ってよい?
使えます。ただし、利用の条件は申込み先のサービスで確かめてください。訪問査定の日程を提案してくる会社もあります。要望欄に「売る時期は決まっておらず、まずは机上査定だけを希望します」と書くと、行き違いを防ぎやすくなります。
個人情報の削除を求めたら、すぐに消える?
すぐに消えるとは限りません。手続きは各社の方法に沿って進み、本人確認の書類を求められることがあります(出典:個人情報保護委員会 Q&A。参照資料の一覧へ移ります)。また、法律で保存が義務づけられているデータは、保存の期間が終わるまで消せない場合があります(出典:個人情報保護委員会 通則編。参照資料の一覧へ移ります)。
電話番号を渡さずに相場を知る方法は?
国が公開しているデータで調べられます。国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、実際に取引された価格や地価公示などを地図で見られます(出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ。参照資料の一覧へ移ります)。個人情報を入れずに使えるため、近所の取引のおおよその価格を知る入口として役立つはずです。
名前や電話番号を入れずに概算を出す「匿名査定」もあります。ただし、サービスによっては、結果を見る前に電話番号・メールアドレス・詳しい住所の入力を求められます。使う前に、必要な入力項目を確かめてください。家の中の傷み具合などは反映されないので、価格には幅が出ます。
匿名査定の仕組みと精度は、匿名の不動産査定の記事で説明しています。遠くにある実家なら、遠方の実家を売却する進め方の記事もあわせて読めます。
