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800万円以下の空き家売却、仲介手数料はいくら?30万円税の特例

2024年7月1日以後、売買価格800万円以下の宅地・建物は特例の対象となり得て、不動産会社が依頼者の一方から受け取れる仲介手数料の上限は30万円+消費税です。ただし定額や最低額ではありません。不動産会社に買主探しを頼む『媒介契約』を結ぶまでに、説明を受けて具体額へ合意する必要があります。

まだしないこと

30万円+税を一律の請求額だと思って、媒介契約へ署名しない

まずすべきこと
  1. 候補の不動産会社へ媒介契約案・見積書を頼み、原則上限・特例上限・合意報酬・別業務を確認する
  2. 売買価格と消費税を含む具体的な手数料額を確認する
  3. 成約しない場合・解約・価格変更時の扱いを書面で尋ねる

このページで決めること特例が関係するかを判定し、仲介手数料と別業務費を分けて、契約前に確認すべき金額を決められます。

低価格の空き家を前に、仲介手数料の契約書と計算内容を確認する売主
公開日 2026年8月31日最終更新日 2026年9月6日法令・制度確認日 2026年9月5日執筆・編集 住まいのよりみち編集部読了目安 15

2024年7月1日から施行された「低廉な空家等の売買・交換の媒介特例」は、売買代金(消費税等を除く)が800万円以下の土地や建物に関する特例ルールです。消費税の課税事業者である不動産会社(宅地建物取引業者)が、依頼者の片方から受け取れる仲介手数料(媒介報酬)の上限を、「30万円+消費税(税込33万円)」以内と定めています。これは、法律で決まっている定額の請求額や、最低限もらえる保証額ではありません。

e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」第46条(新しいタブで開きます)に基づき、媒介契約(仲介の契約)を結ぶ前の事前説明と双方の合意がなければ、不動産会社が原則の計算による上限額を超えて請求することは法的に認められません。また、室内に残った家具などの処分(残置物処分)や草刈りといった、仲介業務に含まれない作業の費用を、仲介手数料と合算して請求することも禁じられています。

この記事では、800万円以下の空き家や土地を売却する所有者や相続人の方に向けて、特例の上限と原則の上限における計算の違いをはじめ、契約前の確認手順や別業務にかかる費用の見分け方、媒介契約書に署名してはならない警戒サインを分かりやすく整理します。

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低廉な空家等の仲介手数料特例|四つの基本要件

仲介手数料の上限は、国土交通省の告示「宅地建物取引業者が受けることができる報酬の額(新しいタブで開きます)」(昭和45年建設省告示第1552号・令和6年6月21日国土交通省告示第949号改正)で定められています。国土交通省の報道発表資料「不動産業による空き家対策推進プログラム(新しいタブで開きます)」の一環として見直された売買特例の基本要件は、次の4点です。

【低廉な空家等の媒介特例の4要件】
1. 対象物件:実際の売買代金(消費税等を除く)が800万円以下の宅地・建物
2. 対象状態:空き家に限らず、居住中や更地も含め「使用の状態は不問」
3. 上限金額:課税事業者の不動産会社の場合、依頼者の一方につき「30万円+消費税(税込33万円)」以内
4. 手続要件:媒介契約の締結時にあらかじめ説明を受け、合意していること

2018年に始まった旧制度では、「売買代金400万円以下・売主のみが対象・現地調査費用などを考慮して最大18万円+税」と定められていました。2024年7月1日以降は対象となる価格が800万円以下に拡大され、売主に加えて買主側からも特例上限まで受け取れるように改定されています。

国土交通省「不動産取引に関するお知らせ・仲介手数料(新しいタブで開きます)」や運用指針に示されているとおり、「低廉な空家等」とは価格が800万円以下の宅地や建物のことを指し、現在どのように使われているかは問われません。空き家を解体した後の更地や、現在人が住んでいる古い家であっても、税抜800万円以下であれば特例の対象に含まれます。

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30万円+消費税は「請求額」ではなく「上限」

不動産会社の担当者から「法改正によって、仲介手数料は一律33万円になりました」と説明された場合、その説明は正確ではありません。国土交通省の報酬額告示(新しいタブで開きます)が定めているのは請求額ではなく上限です。

国土交通省の報酬額告示・第七(新しいタブで開きます)では、「媒介に要する費用を勘案して、原則の計算方法により算出した金額を超えて報酬を受けることができる。ただし、当該依頼者から受ける報酬の額は三十万円の一・一倍に相当する金額(33万円)を超えてはならない」と定めています。

これは、価格が安い不動産の取引において現地調査や広告活動などの業務負担を考慮し、売主や買主との個別の合意を条件として「最大33万円(税込)まで引き上げてもよい」と認められた許可枠(上限)です。最低料金や固定された金額ではありません。

実際に合意して決める報酬額には、主に次のようなパターンがあります。

  1. 原則上限より低い金額(不動産会社の判断と合意により、割引を設定する場合など)
  2. 原則上限どおりの金額(特例を適用せず、法律で定められた料率の計算どおりに引き受ける場合)
  3. 原則上限を超え、特例上限(33万円)までの間の金額(話し合いによって決めた金額)
  4. 特例上限である30万円+消費税(33万円)(双方が書面などで合意した場合)

依頼者の側から一方的に値引きを強制できるわけではありません。不動産会社が仕事を引き受けるかどうかの判断も含めて、お互いに合意して金額を決定します。不動産会社が特例上限を希望する場合でも、事前にどのような業務を行うのか、なぜその費用が必要なのかを説明し、売主の承諾を得る必要があります。売主が合意しなければ、原則の計算による上限額を超えて請求することはできません。

なお、不動産会社が消費税の免税事業者である場合は加算できる消費税相当額の割合が異なり、国土交通省の報酬額告示・第十一第2項(新しいタブで開きます)に基づき「30万円に100分の104(または仕入れにかかる消費税等相当額)を掛けた金額(最大31.2万円)」が上限となります。

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800万円以下かは「売買代金の消費税等を除いた額」で判定する

特例が適用されるかどうかの基準となる「800万円以下」は、実際に成立した売買契約書に記載される売買代金のうち、消費税などを除いた本体価格(税抜価格)で判定します。査定価格や売出価格ではありません。

ここで注意が必要なのは、取引価格から差し引く「物件にかかる消費税」と、仲介手数料に上乗せされる「仲介手数料の消費税」は別物であるという点です。

そのため、非課税である土地の代金まで一緒にして「1.1で割る」といった誤った計算をしてはいけません。

【価格判定の原則】
・判定対象:売買契約における代金のうち、建物にかかる消費税等を除いた「税抜本体価格」
・合算判定:土地と建物を一括売買する場合は、「土地代金(非課税)+建物本体価格(税抜)」の合計額

判定の具体例

次表は、国土交通省の報酬額告示(新しいタブで開きます)国税庁の土地譲渡の非課税ルール(新しいタブで開きます)に沿った計算例です。

表:物件の内訳、税込総額、税抜本体価格、特例の対象判定、適用される上限規定(課税業者の場合)、備考
物件の内訳税込総額税抜本体価格特例の対象判定適用される上限規定(課税業者の場合)備考
土地のみ売買(非課税)750万円750万円対象(800万円以下)特例上限:33万円(税込)土地は常に非課税
土地500万円+建物300万円(個人売主の居住用資産)800万円800万円対象(800万円以下)特例上限:33万円(税込)個人売主の生活用資産のため建物も消費税対象外
土地300万円+建物550万円(課税事業者売主・消費税50万円込)850万円800万円対象(税抜800万円以下)特例上限:33万円(税込)建物税抜500万円+土地300万円で判定
土地500万円+建物310万円(税抜)810万円810万円対象外(800万円超)原則上限規定(約33.3万円税込)800万円を1円でも超えると特例対象外

※上記表の仲介手数料上限(33万円)は、不動産会社が課税事業者の場合の金額です。免税事業者の不動産会社の場合は告示第十一第2項(新しいタブで開きます)に従い最大31.2万円となります。

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原則上限と特例上限の比較|800万円未満の取引で差額が広がる

この特例によって不動産会社が受け取れる上限額が実質的に引き上げられるのは、売買代金(税抜)が800万円未満の取引です。国土交通省の報酬額告示(新しいタブで開きます)の料率で計算すると、売買代金がちょうど800万円の取引では、原則の上限(800万円×3.3%+6.6万円=33万円)と特例の上限(30万円+税=33万円)が一致します。価格が低くなるほど、原則の上限と特例の上限との差は広がります。

国土交通省の報酬額告示・第二(新しいタブで開きます)による原則の仲介手数料上限は、売買代金(税抜)を3つの区分に分けてそれぞれの割合を掛け、それらを合計する方式で計算します。

  • 200万円以下の部分:代金の5.5%(税抜5%+消費税10%)
  • 200万円を超え400万円以下の部分:代金の4.4%(税抜4%+消費税10%)
  • 400万円を超える部分:代金の3.3%(税抜3%+消費税10%)

売買価格別の原則上限と特例上限の対比

以下は国土交通省の報酬額告示(新しいタブで開きます)に基づく、課税事業者へ依頼する場合の上限比較です。

表:売買代金(税抜)、原則上限(税込)、計算式(税抜+消費税10%)、特例上限(税込)、上限の差額
売買代金(税抜)原則上限(税込)計算式(税抜+消費税10%)特例上限(税込)上限の差額
100万円55,000円100万円 × 5.5%330,000円+275,000円
200万円110,000円200万円 × 5.5%330,000円+220,000円
300万円154,000円(200万×5.5%)+(100万×4.4%)330,000円+176,000円
400万円198,000円(200万×5.5%)+(200万×4.4%)330,000円+132,000円
500万円231,000円500万円 × 3.3% + 6.6万円330,000円+99,000円
600万円264,000円600万円 × 3.3% + 6.6万円330,000円+66,000円
700万円297,000円700万円 × 3.3% + 6.6万円330,000円+33,000円
800万円330,000円800万円 × 3.3% + 6.6万円330,000円±0円(同額)

※売買代金400万円超の速算式:「(税抜価格 × 3% + 6万円)× 1.1」を使用。不動産会社が課税事業者の場合。

国土交通省の報酬額告示(新しいタブで開きます)の料率で比べると、売買価格が100万円〜300万円程度の取引では、原則の上限と特例の上限との差が大きくなります。手元に残る金額を計算したいときは、不動産売却の諸費用と手取りの試算方法を活用してください。

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原則上限を超える報酬には「事前説明と合意」が必要

特例上限(30万円+税)を適用するための条件として、国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」第46条第1項関係(新しいタブで開きます)では、次のように定められています。

> 「媒介・代理契約の締結に際し、あらかじめ、特例で定める上限の範囲内で、報酬額について依頼者に説明し、合意する必要があることに、特に留意する」

媒介契約前後の手順と支払いの段階

注意しておきたいのは、査定価格が出た段階で特例の報酬額を確定させてしまわないことです。査定額が800万円以下であっても、実際に売れた金額(成約価格)が800万円を超える場合や、想定より下がる場合があります。そのため、媒介契約を結ぶときには「成約価格に応じた計算方法や適用の条件」を合意しておき、実際に売買契約が成立した時点で価格を確認します。

また、仲介手数料を請求する権利が発生するタイミング(有効な売買契約が成立したとき)と、実際に手数料を支払うタイミング(代金の決済や物件の引渡し時など、契約で定めた時期)は明確に分かれています。売買契約が結ばれた後でも、買主の住宅ローン審査が通らなかった場合(住宅ローン特約など)のように解除条件によって白紙解除となったときは、売買契約は初めからなかったことになります。仲介手数料を請求する権利も消滅するため、すでに支払ったお金があれば返還されます。

flowchart TD
    A["媒介契約の締結前<br>(事前相談・査定段階)"] --> B["成約価格に応じた計算基準と<br>特例適用条件の説明を受ける"]
    B --> C{"売主が金額・業務内容に<br>納得して合意できるか?"}
    C -- "合意する" --> D["媒介契約書(34条の2書面)に<br>合意報酬基準を明記して締結"]
    C -- "合意しない" --> E["原則上限での受託を交渉<br>または他社への依頼を検討"]
    D --> F["販売活動開始・売買契約成立<br>(媒介報酬請求権の発生)"]
    F --> G["約款・媒介契約の定めに従い<br>所定の時期(決済時等)に支払い"]

後出しの特例請求は業法違反

媒介契約を結ぶときに原則の計算による金額で契約していた場合や、媒介契約書(宅建業法第34条の2に基づく書面)に特例合意の記載がない場合は、売買契約が成立した後に「空き家特例なので33万円を支払ってください」と請求されても、まず根拠を確認してください。国土交通省の運用指針(新しいタブで開きます)は、媒介契約の締結時にあらかじめ説明し、合意する必要があるとしています。

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売主側と買主側の報酬を分ける

国土交通省の報酬額告示・第七(新しいタブで開きます)では、低廉な空家等の特例を「依頼者の一方につき30万円+消費税以内」と定めています。片手仲介と両手仲介で、不動産会社が受領できる報酬の全体像は次のとおり分かれます。

【片手仲介の場合】
・売主側:売主側の不動産会社が売主から合意額(最大33万円・税込)を受領
・買主側:買主側の不動産会社が買主から受領(原則上限または特例合意額)

【両手仲介(単独仲介)の場合】
・1社が売主と買主の双方を担当
・売主から最大33万円(税込)+ 買主から最大33万円(税込)= 合計最大66万円(税込)

注意すべき点は、両手仲介の場合であっても、買主から特例の上限(33万円)を受け取るには、買主に対しても媒介契約を結ぶときに事前の説明と合意が必要であるという点です(国土交通省の運用指針(新しいタブで開きます))。

買主側が原則の上限(たとえば200万円の物件なら11万円)でしか合意していない場合、不動産会社が買主から受け取れる上限は11万円にとどまります。売主側から33万円を受け取っていても、買主側との合意は別に必要です。計算上限は国土交通省の報酬額告示(新しいタブで開きます)で確認できます。

依頼する不動産会社を選ぶ際は、失敗しない不動産会社の選び方もあわせて確認してください。

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仲介手数料と「別業務の報酬・実費」を一行にしない

空き家を売却するときは、室内に残った家財の処分や草刈り、見回りなどの管理といった、売買仲介以外の作業が発生することが一般的です。

国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方の改正(令和6年7月1日施行)(新しいタブで開きます)」や宅建業法の解釈運用指針では、仲介業務とそれ以外の関連業務の区分について以下のルールが定められています。

媒介業務に含まれるもの vs 含まれない別業務

【仲介手数料(媒介報酬)に含まれる業務】
・物件の現地調査・役所調査・価格査定
・指定流通機構(レインズ)への登録・ポータルサイトへの通常掲載
・問い合わせ対応・購入希望者の現地案内・条件交渉
・重要事項説明書の作成および宅地建物取引士による説明
・売買契約書の作成・締結支援・決済引渡しの立会い
※これらの業務に対して「現地調査費用」「案内料」「契約書作成料」を別途請求することは違法です。

【媒介業務に含まれない別業務(個別契約が必要)】
・残置物(家具・家財道具)の分別・搬出・処分作業
・敷地内の除草・庭木の伐採・境界杭の掘り起こし
・空き家の定期巡回・通風・通水・郵便物転送(空き家管理受託業務)
・土地家屋調査士による境界確定測量の手配
・専門機関による建物状況調査(インスペクション)の実施
・建物の解体工事・滅失登記の手配

残置物処分と手配費用の確認基準

家庭から出る家具や不用品などの処分(家庭ごみの収集運搬)は、各市区町村の一般廃棄物処理基準に従い、自治体が指定する手順や一般廃棄物収集運搬業の許可業者などによって適正に行われる必要があります。産業廃棄物の収集運搬許可しか持っていない業者では、一般家庭の不用品を回収・処分できません。作業を依頼する前に、どこに委託するのか、どのように処理するのかを必ず確認してください。

また、別の業務の手配や紹介を不動産会社に依頼する場合、手配に伴う適法な対価(管理委託料や手配業務費など)を合意して支払うこと自体が一律に禁じられているわけではありません。確認すべきなのは、「誰が実際に作業するのか(実施主体)」「不動産会社が行う手配業務の具体的な内容」「費用の内訳と総額」がはっきりと示されており、仲介手数料と二重に請求されていないかどうかです。

別業務費用の区分ルール

別の業務を不動産会社やその提携業者に依頼する場合は、以下の原則に従います。

  1. 媒介契約とは「別の書面」で契約を締結する

媒介契約書とは別に管理委託契約書や業務委託契約書を結ばなければ、宅建業法で定められた業務以外の報酬を受け取ることはできません。

  1. 見積書・請求書を仲介手数料と一行に合算しない

「空き家売却サポート一式:50万円」といった内訳が分からない合算請求は認められません。仲介手数料(上限33万円)と各業務の実費・報酬を明確に分ける必要があります。

  1. 広告費や出張費の実費請求に関する限定要件

告示第十一および国土交通省「標準専任媒介契約約款(新しいタブで開きます)」第10条(特別依頼に係る費用)に基づき、仲介手数料のほかに実費として請求が認められる費用は厳しく限定されています。認められるのは、「依頼者が自ら希望して特別に依頼した広告の料金」や「依頼者の希望による遠隔地への出張旅費(交通費・宿泊費の実費)」に限られます。不動産会社が通常の販売活動として行うインターネット掲載やチラシ作成、通常の物件への往復交通費を別途請求することは禁じられています。

古い家を残して売るか解体するか迷っている方は、古家付き土地として売るか解体して更地にするかの判断基準でそれぞれの費用対効果を確認できます。

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媒介報酬と関連費用の照合表|根拠契約と請求時期を見分ける

売却に関連して発生する費用の根拠、報酬規制、請求時期、確認書類を、国土交通省の報酬額告示(新しいタブで開きます)標準専任媒介契約約款(新しいタブで開きます)に沿って整理しました。

表:費用項目、根拠となる契約形態、宅建業法の報酬規制、請求のタイミング、確認すべき書面と注意点
費用項目根拠となる契約形態宅建業法の報酬規制請求のタイミング確認すべき書面と注意点
仲介手数料(特例)媒介契約対象(上限33万円)成約時・決済引渡し時等媒介契約書に特例合意条件が記載されているか。売買不成立時は支払い不要(ローン解除等含む)。
家財・残置物処分費廃棄物処理業者等との委託契約対象外(別業務)作業完了時(着手金の場合あり)自治体ルールに適合した処分先か。処分量に応じた個別見積書。
除草・樹木伐採費作業委託契約対象外(別業務)作業完了時作業面積(平米数)と処分費込みかを確認。
空き家管理費(巡回等)空き家管理受託契約対象外(別業務)月額または作業ごと「空き家管理受託ガイドライン」に準拠した書面。点検項目・報告書の有無。
特別依頼広告費媒介契約の特約等対象(実費のみ)広告実施後または成約時売主からの明確な事前依頼書面(約款第10条)が必要。通常募集費は請求不可。
遠隔地出張実費媒介契約の特約等対象(実費のみ)出張実施後または成約時売主の特別な求めによる実費(約款第10条)に限る。交通費領収書の提示が必要。
途中解除時の費用償還媒介契約約款(専任第14条等)対象(上限規制あり)解除時依頼者の都合等による途中解除時に約款に基づき発生する実費償還。事前の確認が必要。

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不動産会社選びで確認すべき5つの比較項目

800万円以下の物件を売却するときは、不動産会社ごとに特例の示し方や別の業務への対応姿勢が分かれます。国土交通省の運用指針(新しいタブで開きます)を基準に、手数料の話し合いに応じるか、契約前の説明が明瞭か、別費用の内訳や実施者が明確かを比較してください。

  1. 仲介手数料の提示姿勢
  • 「法律で一律33万円に決まっている」と固定化せず、物件の状態や売却の難しさに応じた話し合いに応じてくれるか
  • 原則の上限額や、特例の上限額未満での引き受けも含めて、柔軟に話し合える姿勢があるか
  1. 事前説明と書面交付の手順
  • 媒介契約を結ぶ前に、成約価格に応じた特例上限の根拠と契約書の案を提示してくれるか
  • 契約の条項や特約の説明を省かずに丁寧に行ってくれるか
  1. 別業務費用の分離と実施主体の透明性
  • 不用品の処分や草刈りなどの費用を、仲介手数料とは別の独立した見積書で提示してくれるか
  • 実際に誰が作業するのか、適正な事業許可を持っているか、不動産会社が行う手配業務の内容が明示されているか
  1. 物件情報の公開と活動報告(契約種類ごとの義務)
  • 専属専任媒介(5日以内)や専任媒介(7日以内)で義務付けられているレインズへの登録義務を適切に果たすか
  • 一般媒介の場合でも、地方にある価格の安い物件に対して、具体的にどのように買い手を探すか計画を示してくれるか
  1. 不成立時・契約終了時の費用取り決め
  • 売買が成立しなかった場合には、成功報酬としての仲介手数料が発生しないことを明言しているか
  • 特別にお願いした広告の実費や、途中で契約を解除したときに発生する約款に基づいた費用の精算条件(専任約款第10条・第14条など)が明確に説明されているか

仲介による売却のほか、早く処分したいと考えている場合は、仲介と不動産買取の違いと選び方も選択肢として検討できます。

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契約前チェックリスト|署名前の4系統確認

媒介契約書を受け取ったら、署名や押印をする前に次の4系統の観点を確認してください。

【1. 報酬の基準】
- [ ] 仲介手数料の算定方法または具体的な金額(税込)が契約書面に明確に記載されているか
- [ ] 原則の上限額(料率計算)との違いや特例の適用条件について事前に説明を受けたか

【2. 特例の適用条件】
- [ ] 実際の売買成約代金が消費税等を除いて800万円以下となった場合に適用される取り決めか
- [ ] 金額が課税事業者における特例上限(33万円)以内の範囲に収まっているか

【3. 別費用の分離】
- [ ] 媒介契約書とは別に、片付けや除草の費用が独立した見積書・契約書に分かれているか
- [ ] 残置物処分等の委託先が自治体ルールや一般廃棄物処理の適正基準を満たしているか

【4. 不成立時・終了時の取り決め】
- [ ] 売買が成立しなかった場合に仲介手数料の請求が発生しないことが明記されているか
- [ ] 通常の営業活動に伴う広告料や交通費を事後請求する不当な特約が含まれていないか
- [ ] 依頼者の特別な依頼による実費や、途中解除時の費用償還条件(専任約款第10条・第14条等)が確認されているか

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この状態なら媒介契約へ署名しない(警戒サイン)

以下のいずれかに該当する場合は、その場で署名や押印をせず、内容の訂正を求めるか別の不動産会社への依頼を検討してください。

  1. 「法律で全員一律33万円と義務付けられた」と虚偽の説明をする

30万円+税は上限額であり、全員が支払わなければならない定額の義務料金ではありません。

  1. 報酬欄が空欄のまま「成約したら33万円で記入する」と署名を迫る

契約を結ぶ前に金額や適用の基準を確定させて明記していない契約は、宅建業法の趣旨に反します。

  1. 「空き家処分パック一式50万円」など内訳不明の合算請求を提示する

仲介手数料とそれ以外の作業費用は、別個の契約や見積書で分けなければなりません。

  1. 売主が特別に依頼していない通常の広告宣伝費や遠隔地交通費を事後請求する特約がある

標準約款に反して実費を無断で請求する特約は、トラブルの原因になります。

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相談先

仲介手数料の請求額や事前の説明に疑問や不安がある場合は、公的な相談窓口へ相談できます。

主な相談窓口

  1. 各都道府県の宅地建物取引業監督部局(建築指導課・不動産業課等)

宅建業法違反(不当な報酬請求、事前合意のない特例適用、書面の不備など)に対する行政指導や是正を求める窓口です。

  1. 不動産団体の無料相談所

・公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連・ハトマーク)不動産無料相談所 ・公益社団法人全日本不動産協会(全日・ウサギマーク)不動産相談所 媒介契約の内容や報酬額が妥当かどうかについて、専門の相談員が回答してくれます。

  1. 国民生活センター・消費生活センター(消費者ホットライン:局番なし188)

契約をめぐるトラブル全般について、初期対応の助言をしてくれます。

相談前に揃える資料

窓口へ相談する際は、以下の資料を用意しておくと具体的な助言を受けやすくなります。

  1. 媒介契約書案(または交付された媒介契約書):報酬額欄、特約事項、約款
  2. 物件資料:登記事項証明書、固定資産税課税明細書(※これらで確認できるのは名義人・登記上の地目・床面積・固定資産税評価額などです。公図や地積測量図の有無、現地の境界標など実際の境界確定状況については、別途専門家などへの確認が必要です)
  3. 見積書・請求書:仲介手数料および別の業務(残置物処分・管理など)それぞれの明細書
  4. やり取りの記録:担当者からの説明メモ(日時や発言内容)、メール・連絡履歴

相談窓口への質問テンプレート(文例)

不動産会社からの説明で未回答・疑問となっている項目だけを抜き出して使用してください。

【相談文例】
「〇〇県内にある相続した空き家(査定売買価格300万円)の売却にあたり、
不動産会社から提示された媒介契約書の手続きについて相談します。

担当者から『法改正により仲介手数料は一律33万円に決まっている』と説明され、
契約書の報酬欄に33万円(税込)と記載されていますが、原則の計算上限(15.4万円)や
実際の成約価格に応じた条件説明がありませんでした。
また、家財処分費用20万円についても仲介手数料の請求書に合算するよう案内されています。

この契約手続きおよび請求内容は、宅地建物取引業法告示(低廉な空家等の媒介特例)および
解釈運用指針に照らして適正でしょうか。署名前に確認・是正すべき点をご指導ください。」

実家にある空き家を売却する手順全体については、実家の空き家・地方不動産を売却する流れと対策も確認してください。

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よくある質問

質問と回答を開く(5件)

Q1. 売買が成立しなかった場合でも、特例の33万円を支払う義務はありますか?

売買が成立しなければ、原則として仲介手数料を支払う義務はありません。 国土交通省の標準専任媒介契約約款(新しいタブで開きます)で、報酬の受領時期や費用償還の条件を確認できます。 宅地建物取引業における媒介報酬は「成功報酬」であり、有効な売買契約が成立して初めて請求する権利が発生します。買い手が見つからず媒介契約期間が満了した場合、不動産会社は原則の上限額も特例の上限額(33万円)も請求できません。また、一度売買契約が結ばれた後であっても、住宅ローン特約などの解除条件によって白紙解除となった場合は、契約の効力が初めから消滅します。この場合、仲介手数料を請求する権利も消滅するため、すでに支払ったお金があれば返還されます。

ただし、例外として実費の精算が必要となる場合があります。売主が自分から書面で特別に依頼した広告宣伝の実費や、売主の希望による特別な遠隔地への出張旅費(標準専任媒介契約約款第10条)がこれに該当します。また、売主の都合で途中で専任媒介契約を解除した場合などには、約款で定められた費用の精算(標準専任媒介契約約款第14条など)が発生することがあります。

Q2. 建物のない更地(土地のみ)の売買でも、特例の33万円は適用されますか?

更地(宅地)も特例の対象に含まれます。 告示上の「低廉な空家等」は、建物の有無や利用状態を問わず、代金800万円以下の宅地・建物と定義されているためです。なお、土地の売買代金は常に消費税が非課税となるため、売買代金そのものが800万円以下であるかで判定します。

Q3. 買主として800万円以下の空き家を購入する場合も、手数料は33万円になりますか?

売主と同様に買主側に対しても特例上限(33万円)の適用が可能ですが、買主自身が事前説明を受けて合意していなければ原則計算のままとなります。 根拠は国土交通省の報酬額告示と運用指針(新しいタブで開きます)です。 不動産会社が買主から33万円を受け取るには、買主との媒介契約を結ぶ際に事前の説明と合意が必要です。合意がない場合は、原則の計算式による上限額(たとえば300万円の物件なら税込15.4万円)までしか請求されません。

Q4. 遠方の空き家を売る際、不動産会社の交通費は仲介手数料とは別に請求されますか?

通常の営業活動にかかる交通費は仲介手数料に含まれており、別途請求できる費用は限定されています。 国土交通省の標準専任媒介契約約款・第10条(新しいタブで開きます)も確認してください。 現地調査や物件の案内にかかる往復の交通費を上乗せして請求することは宅建業法違反にあたります。例外として請求が認められるのは、売主から特別な求めがあり、通常行うべき範囲を超えた遠隔地への出張を事前に書面などで承諾した場合(標準専任媒介契約約款第10条の実費請求)に限られます。

Q5. 査定価格が800万円以下の場合、原則計算と特例計算のどちらで合意すべきですか?

成約価格に応じた条件を話し合い、販売計画や業務負担の説明を聞いて納得できる基準で合意してください。 国土交通省の運用指針(新しいタブで開きます)も、媒介契約時の事前説明と合意を求めています。 特例の判定基準は「実際に売れた成約価格」です。査定時点で特例の上限額を確定させるのではなく、「実際の成約価格が800万円以下となった場合は特例上限〇〇万円、800万円を超えた場合は原則計算」といった条件付きの合意を行います。価格の安い不動産では、原則計算の上限額(たとえば100万円の売却で5.5万円)では現地調査や広告の経費をまかなえず、不動産会社から引き受けを断られるケースがあります。特例上限での合意に応じることで積極的な販売活動を期待できるメリットがありますが、提示された金額に見合う販売計画が示されているかを確認して判断してください。

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まずすべきこと

800万円以下の空き家売却を検討している方は、媒介契約を結ぶ前に次の4つのステップを実行してください。

  1. 物件資料を整理し、自分で確認できる事項と専門家への相談事項を分ける

固定資産税課税明細書や登記事項証明書で名義人・登記上の地目や床面積・固定資産税評価額を確認します。公図や地積測量図の有無、現地の境界標など実際の境界確定状況については、必要に応じて土地家屋調査士などの専門家への相談事項として整理します。

  1. 複数の不動産会社に査定を依頼し、成約価格に応じた報酬条件を比較する

査定額の高さだけでなく、成約価格が800万円以下となった場合に特例上限(33万円)を適用するか、原則上限とするか、どのような販売活動を行うかを質問して比較します。

  1. 片付けや草刈りが必要な場合は、適正な許可業者による個別見積りを取得する

家財の処分や敷地の整備が必要な場合、仲介手数料と合算させず、自治体のルールに適合した一般廃棄物処理などのルートを確認したうえで、独立した内訳見積書を取り寄せます。

  1. 媒介契約書(34条の2書面)の内容を確認してから署名・押印する

契約の種類(専属専任・専任・一般)に応じたレインズ登録義務、成約時の支払時期、売買不成立時に成功報酬が不要となる条項を確認します。また、特別な依頼による実費負担や途中解除時の費用精算条件(専任約款第10条・第14条など)を把握したうえで契約を締結します。

売却にかかる費用と手取りの試算は不動産売却の諸費用と手取りの試算方法を、古い家を残して売るか解体するかの検討は古家付き土地として売るか解体して更地にするかの判断基準を確認してください。

参照資料

国土交通省「不動産取引に関するお知らせ・仲介手数料」参照日 2026年8月31日国土交通省「宅地建物取引業者が受けることができる報酬の額(最終改正・令和6年6月21日)」参照日 2026年9月5日国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方の改正(令和6年7月1日施行)」参照日 2026年8月31日国土交通省「不動産業による空き家対策推進プログラム」参照日 2026年8月31日e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」参照日 2026年8月31日国土交通省「標準専任媒介契約約款」報酬・特別依頼費用・費用償還参照日 2026年9月6日国税庁「No.6201 非課税となる取引」参照日 2026年9月19日国税庁「No.6105 課税の対象」参照日 2026年9月19日