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相続不動産の取得費加算の特例|期限と必要書類を売却前に確認

相続税を課された本人が、相続・遺贈で取得した財産を、相続開始日の翌日から相続税申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売ると、相続税額の一部を取得費へ加算できる場合があります。相続税全額を足す制度ではありません。

まだしないこと

相続税を申告した事実だけで適用を決め、売却契約を先に確定しない

まずすべきこと
  1. 相続開始日・法定申告期限・契約日・引渡日を書く
  2. 売主本人の相続税額と売る財産の評価額を確認する
  3. 空き家控除も並べて契約前の税務相談日を決める

このページで決めること人・税・財産・日付を一致させ、取得費加算の候補と期限を申告者ごとに判断できる状態にします。

相続人が取得費加算の対象、売却期限、申告資料を確認する様子
公開日 2026年8月31日法令・制度確認日 2026年8月31日執筆・編集 住まいのよりみち編集部読了目安 17

# 相続不動産の取得費加算の特例|期限と必要書類を売却前に確認

相続で引き継いだ土地や建物を売却したとき、納めた相続税額のうち売却した不動産に対応する一定額を、譲渡所得の計算上で「取得費」へ上乗せできる制度があります。これが「取得費加算の特例(相続財産を譲渡した場合の取得費の特例)」です。不動産の売却益から相続税の一部を差し引けるため、売却にともなう所得税や住民税の負担を軽減できます。

特例の適用を受けるには、国税庁が示す要件をすべて満たす必要があります(国税庁 No.3267「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」(新しいタブで開きます))。

  • 相続税が課税された本人が売却すること
  • 相続開始の日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡すること
  • 売却した不動産に対応する相続税額のみを計算して取得費に加算すること

取得費加算の特例とは|譲渡所得を抑えて税負担を軽減する仕組み

取得費加算の特例は、納付した相続税額のうち売却した不動産にあたる一定額を取得費へ上乗せし、課税対象となる譲渡益を小さくして税負担を軽減する仕組みです。

土地や建物を売却したときの所得税や住民税には、給与所得など他の所得と合算せず分けて計算する「申告分離課税」が適用されます。税額を計算する基礎となる「課税譲渡所得金額」は、次の計算式で求めます。

  • 課税譲渡所得金額 = 収入金額(売却代金) -(取得費 + 譲渡費用)

通常の取得費には、亡くなった方(被相続人)が生前に土地や建物を購入した代金や建築費から減価償却費相当額を差し引いた金額、購入時の仲介手数料などが含まれます。取得費加算の特例を適用すると、この計算式の「取得費」に、課税された相続税のうち譲渡資産に対応する一定額を上乗せできます。

取得費の総額が大きくなれば課税対象となる譲渡益が減るため、結果として所得税や住民税の納税額を抑えられます。

出典:国税庁 No.3267「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」(新しいタブで開きます) 出典:国税庁 No.3202「譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」(新しいタブで開きます)

適用を受けられる人と対象資産|必須要件を確認する

取得費加算の特例を適用するには、国税庁 No.3267(新しいタブで開きます)に示された次の要件をすべて満たす必要があります。

  1. 相続や遺贈によって財産を取得した者であること
  2. その財産を取得した人に相続税が課税されていること
  3. その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること

相続税が課税されていない相続人は対象外

要件にある「相続税が課税されていること」は、亡くなった方の遺産全体に相続税が発生していたことだけを指すのではありません。「売却した相続人自身に相続税が課税されていること」を意味します(国税庁 No.3267(新しいタブで開きます))。

例えば、遺産分割で不動産を取得した配偶者が「配偶者の税額軽減(配偶者控除)」を利用した結果、実際の課税税額が0円になった場合、その配偶者が不動産を売却しても取得費加算の特例は使えません。また、遺産の総額が基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)以下で、相続税の申告自体が不要だった場合も対象外です。

ただし、適用資格や加算額は「実際に納付書で支払った金額」だけでは決まりません。「相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書」では、贈与税額控除や相次相続控除などを踏まえて税額を調整します。使用する年分の様式と記載要領を国税庁「申告書等の様式・手引き」(新しいタブで開きます)で確認してください。

納付額がゼロだからと自己判断で対象外と決めつけたり、逆に控除前の税額を一律に使ったりしてはいけません。本人の相続税申告書の控えを手元に置き、対応年分の計算明細書C欄の案内に従って確認することが大切です。

特例の対象となる財産と譲渡所得の範囲

特例の対象となるのは、相続や遺贈(包括遺贈・特定遺贈)により取得した土地、建物、株式などの財産です。

この特例は「譲渡所得」の計算にのみ適用されます。不動産の売却であっても、反復継続して売買を行い事業所得として申告する場合や、営利目的の売買で雑所得に区分される場合は特例を受けられません。相続した実家や土地を一般の個人が売却する場合は、原則として譲渡所得に該当します。

譲渡期限の数え方|申告期限から売却日までを確認する

特例を利用できる期間は「相続開始のあった日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで」です。売買契約を結んだ日から一律に3年間を数えるわけではありません(国税庁 No.3267(新しいタブで開きます))。

原則の計算と「3年10か月」の目安

相続税の申告期限は、原則として「相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内」です。このため譲渡期限は「相続開始からおおむね3年10か月」と説明されることがありますが、正式な満了日は個別に計算してください(国税庁「相続税の申告手続」(新しいタブで開きます))。

申告期限が土曜日、日曜日、祝日などに当たる場合は、原則としてその翌日が期限となります。休日による調整も譲渡期限の計算へ影響するため、税務署または税理士へ正式な日付を確認してください(e-Gov法令検索「国税通則法」第10条(新しいタブで開きます))。

カレンダー上の休日によって正式な申告期限が調整されることがあります。目安だけで判断せず、相続税申告書とカレンダーを照合して満了日を確認してください。売却には買主探しや契約条件の調整もあるため、期限直前ではなく余裕を持って進めます。

出典:国税庁「相続税の申告手続」(新しいタブで開きます) 出典:国税庁 No.3267「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」(新しいタブで開きます)

「譲渡の日」は引き渡し日か契約日か

不動産の売買において、税務上「資産を譲渡した日」は、原則として買主に物件を引き渡した日(引渡日)を指します(国税庁No.3102)。

確定申告にあたっては、納税者の選択により、売買契約の効力発生の日(一般的な売買契約の締結日など)に譲渡があったものとして申告することも認められています。

期限直前の売却で引渡日が期限を越えてしまいそうな場合でも、契約日基準を使えば無条件に救済されるわけではありません。契約書における停止条件の有無や効力発生の時期、申告すべき年分、特例の各要件が整っているかを事前に税理士へ相談し、余裕を持った日程で安全に手続きを進める必要があります。

出典:国税庁 No.3102「譲渡所得の申告期限」(新しいタブで開きます)

取得費に加算できる金額の計算式|申告書から必要な数字を拾う

取得費に加算できる金額は、納付した相続税の全額ではありません。売却した不動産に対応する金額を、次の計算式で按分して求めます。

  • 取得費に加算する相続税額 = その者の相続税額 × 譲渡した財産の相続税評価額 ÷(その者の取得財産の価額 + 相続時精算課税適用財産の価額 + 暦年課税分の加算贈与財産の価額)

相続税申告書の控えから数値を抜き出す場所

計算に必要な要素は、相続税申告書の控えと国税庁の計算明細書(新しいタブで開きます)を照合して確認します。

  1. その者の相続税額(掛ける税額):

確定申告に添付する「相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書」のC欄で確認します。相続税申告書第1表に記載された本人の税額をもとに、調整規定を反映させて算出します。

  1. 譲渡した財産の相続税評価額(分子):

相続税申告書「第11表(相続税がかかる財産の明細書)」に記載された、今回売却した土地や建物の課税価格を計算する基礎となった金額です。小規模宅地等の特例を受けている場合は、減額後の評価額を用います。なお、相続開始年分によって第11表は合計表や付表1などに細分化されている場合があります。

  1. 分母の取得財産の価額等の合計額(計算明細書B欄):

相続税申告書第1表に基づき、本人が相続や遺贈で取得した財産の価額(借金などの債務や葬式費用を差し引く前の財産価額①)に、相続時精算課税適用財産の価額②、および暦年課税分の加算贈与財産の価額⑤を合計した金額です。

債務控除後の「純資産価額」や「課税価格」を使ってしまうと分母が誤りとなり、加算額が正しく計算されません。相続人全員の遺産総額ではなく、売却した本人が取得した財産の価額等を用いる点にも注意が必要です。

特例適用前の「譲渡益」が加算の上限

計算明細書で算出した加算額が、特例を適用しないで計算した譲渡益(売却代金 - 取得費 - 譲渡費用)を超える場合は、その「譲渡益相当額」が加算の上限となります。

例えば、特例適用前の譲渡益が300万円である場合、按分式上の加算額が500万円と計算されたとしても、取得費に加算できるのは300万円までです。取得費加算の特例を使って譲渡所得をマイナス(損失)にし、給与所得など他の所得と損益通算することはできません。

出典:国税庁 No.3267「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」(新しいタブで開きます)

土地・建物・複数資産を売却した場合の按分方法

相続した不動産を売却する際、土地と建物をまとめて売却する場合や、複数の筆に分かれた土地を売却する場合があります。取得費加算の計算は「譲渡した財産ごと」に行い、譲渡益の上限判定も個々の財産ごとに行うのが原則です。

土地と建物を一括売却した場合

土地と建物を一括で売却したときは、売却代金、本来の取得費、譲渡費用、相続税評価額を土地と建物に区分して個別に計算します。

  • 土地の加算額:本人の相続税額 × 土地の相続税評価額 ÷ 本人の取得財産の合計額
  • 建物の加算額:本人の相続税額 × 建物の相続税評価額 ÷ 本人の取得財産の合計額

土地と建物でそれぞれ特例前の譲渡益を算出し、それぞれの譲渡益を上限として加算額を計上します。建物が老朽化している場合でも、売買契約書で土地と建物の売却価額を明確に区分しておくことが正確な申告につながります。

複数回または異なる年に分けて売却した場合

同一年内に複数の不動産を売却した場合、国税庁の計算明細書には複数の資産を記載する欄が用意されています。そのため、必ずしも資産ごとに用紙を別々に作成する必要はありません。

譲渡期限内に異なる年に分けて売却した場合は、それぞれの売却年について確定申告を行います。売却済み部分へ配分した相続税評価額や使用済みの加算額を記録し、翌年以後の計算へ重複して使わないよう管理してください(国税庁 No.3267(新しいタブで開きます))。

取得費・譲渡費用・売却代金と合わせた譲渡所得の計算例

以下は計算の流れを理解するための単純化した試算です。実際の申告では国税庁 No.3202(新しいタブで開きます)と対応年分の様式を確認してください。

試算条件

税率と所有期間の判定は国税庁 No.3202(新しいタブで開きます)に基づきます。

  • 売却代金(収入金額):4,000万円
  • 本来の取得費:1,000万円(被相続人の購入価額から、業務の用に供していない期間の減価償却費相当額を控除した後の金額)
  • 譲渡費用:200万円(仲介手数料、印紙代、測量費など)
  • 本人の相続税額(計算明細書C欄の調整後税額):600万円
  • 売却した不動産の相続税評価額:2,000万円
  • 本人が取得した全相続財産の価額等(計算明細書B欄の合計額):6,000万円
  • 所有期間:被相続人が取得した時期を引き継ぎ、売却した年の1月1日時点で5年超(長期譲渡所得)

計算手順

  1. 特例適用前の譲渡益の計算

4,000万円 -(1,000万円 + 200万円)= 2,800万円

  1. 取得費加算額の計算

600万円 × 2,000万円 ÷ 6,000万円 = 200万円(譲渡益2,800万円以下であるため全額加算可能)

  1. 特例適用後の課税長期譲渡所得金額

4,000万円 -(1,000万円 + 200万円 + 200万円)= 2,600万円

  1. 譲渡所得税の計算(税率20.315%:所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)

2,600万円 × 20.315% = 5,281,900円

特例を適用しない場合の税額(2,800万円 × 20.315% = 5,688,200円)と比較すると、所得税・住民税合わせて40万6,300円の負担軽減となります。

所有期間の判定においては被相続人が取得した時期を引き継ぎます。被相続人の取得日から売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば長期譲渡所得(税率20.315%)、5年以下であれば短期譲渡所得(税率39.63%)として税額を計算します。

出典:国税庁 No.3202「譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」(新しいタブで開きます)

概算取得費(5%)を使う場合と取得費加算の関係

相続した不動産が先祖代々のもので購入当時の売買契約書が見つからない場合や、実際の取得費が売却代金の5%を下回る場合は、売却代金の5%相当額を取得費とする「概算取得費」を選択できます。

概算取得費に取得費加算を合算できる

概算取得費を適用する場合でも、取得費加算の特例を重ねて適用することが認められています。

  • 課税譲渡所得金額 = 売却代金 -(概算取得費[売却代金 × 5%] + 取得費加算額 + 譲渡費用)

概算取得費を使うからといって取得費加算が排除されることはなく、概算取得費に加算額を上乗せして差し引きます。ただし、概算取得費を選択した場合は、実際の購入代金や購入時の手数料などを別途追加することはできません。実際の取得費に関する資料を十分に探したうえで、実際の取得費と概算取得費(5%)のどちらを採用する方が有利かを比較して選択します。

出典:国税庁 No.3258「取得費が分からないとき」(新しいタブで開きます) 出典:国税庁 No.3202「譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」(新しいタブで開きます)

空き家特例やマイホーム特例との選択・併用関係

取得費加算と空き家特例は同じ資産について重ねて使えません。マイホーム特例との関係も含め、適用条件と税額を比較して選択します(国税庁 No.3267(新しいタブで開きます))。

空き家特例とは併用できない(選択適用)

「被相続人の居住用財産を売ったときの特例」と取得費加算は、同じ不動産について重複して適用できません。双方の要件を満たす場合は、どちらか一方を選びます(国税庁 No.3306(新しいタブで開きます))。

  • 空き家3,000万円特別控除:譲渡所得から最高3,000万円(当該家屋・敷地等を取得した相続人が3人以上の場合は2,000万円)を控除
  • 取得費加算の特例:納付した相続税のうち当該不動産に対応する額を取得費に加算

どちらが有利かは、取得費加算額、譲渡所得、空き家特例の控除額によって変わります。空き家特例には家屋の建築時期や売却代金など複数の条件があるため、国税庁 No.3306(新しいタブで開きます)で一つずつ確認してください。

耐震改修や取壊しを売却後に行う場合にも適用の余地がありますが、工事の完了期限や証明書類が定められています。売買契約へ条件を入れる前に、国税庁 No.3306(新しいタブで開きます)の対象年分の要件を確認してください。

昭和56年6月1日以後に建築された建物や、売却代金が1億円を超える物件、マンションなどの区分所有建物は空き家特例を利用できません。それぞれの制度について要件を満たしているか確認したうえで適用を検討します。

出典:国税庁 No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」(新しいタブで開きます)

マイホーム(自己居住用)の3,000万円特別控除との関係

相続人が実家を引き継ぎ、自分の住まいとして居住した後に売却した場合などは、マイホーム特例の対象となる可能性があります。居住実態や転居後の期間などの要件は国税庁 No.3302「マイホームを売ったときの特例」(新しいタブで開きます)で確認してください。

マイホーム特例と取得費加算は併用できます。税額の計算では、まず取得費加算を反映した譲渡所得を求め、その後にマイホーム特例の控除を適用します(国税庁 No.3267(新しいタブで開きます))。

相続税の修正申告や更正があった場合の税額調整

相続税の当初申告を行った後に遺産分割協議が調った場合や、税務調査によって相続税額や財産評価額が修正された場合、取得費加算の金額も再計算が必要です。

ただし、相続税額が増減したからといって、譲渡所得税の更正の請求(還付)や修正申告(追納)に直結するとは限りません。売却した資産の相続税評価額(分子)や取得財産の合計額(分母)、さらには特例適用前の譲渡益上限も同時に変動するためです。

変更後の各要素をもとに加算額と課税譲渡所得を再計算し、その結果として譲渡所得税に過不足が生じる場合に、所得税法や国税通則法の規定に従って更正の請求や修正申告の手続きを選択します。相続税額に異動が生じた段階で、速やかに税理士や所轄税務署へ相談してください。

確定申告の必要書類と手続きの流れ

取得費加算の特例は、売却した年分の確定申告で適用します。受付期間は年によって調整されることがあるため、国税庁「確定申告特集」(新しいタブで開きます)で申告する年の期限を確認してください。

税務署へ提出する申告書類(特例の法定添付書類)

  • 確定申告書(第一表・第二表、および申告分離課税用の第三表)
  • 相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書(国税庁様式)
  • 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用]

計算と確認のために手元に揃える資料

表番号や様式は年分によって変わることがあるため、国税庁「申告書等の様式・手引き」(新しいタブで開きます)と照合してください。

  • 相続税申告書の控え(第1表、第11表など)
  • 売却時の不動産売買契約書、代金領収書
  • 取得費および譲渡費用の領収書等(購入時の契約書、仲介手数料領収書、解体費用領収書など)

紙の様式を使用する場合は手計算で明細書を作成します。一方、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すると、画面の指示に従って相続税申告書の数値を入力することで加算額が自動計算され、申告書データを作成できます。明細書や内訳書の様式は、国税庁ウェブサイトから入手できます。

出典:国税庁 No.3267「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」(新しいタブで開きます) 出典:国税庁「申告書等の様式・手引き」(新しいタブで開きます)

税理士へ相談する前に揃える照合資料と質問リスト

特例の適用可否や控除額の試算を税理士に相談する際は、あらかじめ資料を揃えておくことで具体的な助言を円滑に受けられます。

面談前に手元に揃える資料

次の一覧は相談用の準備資料です。法定添付書類は国税庁 No.3267(新しいタブで開きます)で別に確認してください。

  • 被相続人の死亡年月日が分かる書類(除籍謄本、相続税申告書など)
  • 相続税申告書の控え一式(第1表、第11表、小規模宅地等の特例計算明細書など)
  • 相続税の領収済通知書または納税証明書
  • 不動産の売買契約書または売却査定書(契約日、引渡予定日、売却価格)
  • 被相続人がその不動産を取得した当時の契約書・領収書(手元にある場合)
  • 不動産の売却にかかった費用の見積書・領収書(仲介手数料、解体費、測量費など)

税理士へ確認すべき質問事項

期限や選択適用の判断では、国税庁 No.3267(新しいタブで開きます)と個別の申告内容を照合してもらいます。

  • 「相続開始日と法定申告期限から算定した、本件の正式な譲渡期限は何年何月何日になりますか」
  • 「引渡決済日が期限直前になる場合、売買契約日を譲渡日として申告できる契約内容になっていますか」
  • 「空き家3,000万円特別控除の要件を満たせますか。取得費加算とどちらを選択するのが有利ですか」
  • 「土地と建物をまとめて売却する場合、売却価額をどのように区分して計算すべきですか」
  • 「購入当時の資料が残っていない場合、概算取得費と取得費加算を合算して申告できますか」

売却前に期限と申告資料を照合して確実に特例を活用する

相続不動産の取得費加算の特例は、課税された相続税額の一部を取得費へ上乗せし、売却時の譲渡所得税を軽減できる制度です。

譲渡期限を過ぎると特例は使えません。相続人自身に相続税が課税されているか、空き家特例とどちらが有利かなど、売買契約前に確認すべき事項があります(国税庁 No.3267(新しいタブで開きます))。

売却を検討し始めた段階で相続税申告書の控えを確認し、譲渡期限と加算額を正確に照合した上で売却手続きを進めてください。

参照資料

国税庁 No.3267「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」参照日 2026年8月31日国税庁「相続税の申告手続」参照日 2026年8月31日国税庁 No.3102「譲渡所得の申告期限」参照日 2026年8月31日国税庁 No.3306「被相続人の居住用財産を売ったときの特例」参照日 2026年8月31日国税庁 No.3202「譲渡所得の計算のしかた」参照日 2026年8月31日国税庁「申告書等の様式・手引き」参照日 2026年8月31日