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不動産の相続手続きは何から?最初に確認する順番と期限

不動産の相続手続きで何から始めるかを、死亡直後の保全、遺言書、相続人・財産・債務、期限、不動産の名義確認、遺産分割、相続登記の順に整理。作業を止める条件と相談先も示します。

更新日 2026-08-25執筆 住まいのよりみち編集部最終確認 2026-08-25住まいのよりみち編集部読了目安 20

不動産の相続手続きで最初にするのは、家の名義変更や査定申込みではありません。まず、戻せない処分を止め、遺言書、相続人、財産と債務、不動産、期限を確認することです。

順番は次の5段階です。

  1. 借金や相続放棄の可能性を確認し、処分を止める
  2. 遺言書の有無と扱いを確認する
  3. 相続人、財産、債務、不動産を並行して調べる
  4. 3か月・4か月・10か月・3年の期限を別々に記録する
  5. 不動産の取得者と登記方法が決まったら相続登記へ進む

相続した不動産の登記制度を確認する公式の入口として、法務省の「不動産を相続した方へ」(新しいタブで開きます)も併せて確認できます。本記事では、登記だけでなく、その前に分岐する放棄・税務・遺産分割までを一つの順番にしています。

この記事の完了地点は、全手続きを一人で終えることではありません。読み終えると、今日進める作業、止める作業、次の相談先、相談期限を一枚にできます。

結論:最初は「止める・記録する・期限を置く」

家をどう使うかは、相続人、財産と債務、遺言、登記名義を確認してから決めます。特に相続放棄や限定承認を検討する可能性がある間は、相続財産の処分に当たる可能性がある行為を自己判断で進めません。

民法915条は、相続人が、被相続人の死亡と、それによって自分が法律上相続人になったことを知った時から原則3か月以内に、単純承認、限定承認または相続放棄を選ぶと定めています。民法921条は、相続財産の全部または一部を処分した場合を法定単純承認の事由とし、保存行為等を例外としています。裁判所「裁判手続 家事事件Q&A」(新しいタブで開きます)e-Gov法令検索「民法」(新しいタブで開きます)

表:今日進めること、判断まで止めること
今日進めること判断まで止めること
死亡日、死亡を知った日、自分が法律上相続人になったと知った日を分けて記録する家財・土地・建物・車等の売却や贈与
遺言書、借金、保証、税滞納の手掛かりを集める相続財産からの代金分配や私的使用
漏水、火災、侵入等の緊急状態を記録し、安全を確保する家の解体、長期賃貸、売買契約
相続財産に対して既に行ったことを時系列で残す相続人全員の確認前の遺産分割確定
最優先の相談先と連絡日を決める封印された遺言書の自己判断による開封

「保存行為だから大丈夫」「少額だから処分ではない」と本記事だけで線引きしません。漏水対応、施錠、公共料金、葬儀費用、債務返済、預金の払戻し等について迷う場合は、行為、金額、原資、日付を具体的に示して弁護士等へ確認します。

まず「不動産相続・初動カード」を作る

最初から全ての戸籍や税額をそろえる必要はありません。今日記入するのは次の8項目です。

【不動産相続・初動カード】
亡くなった人:
死亡日:
被相続人の死亡を知った日:
自分が法律上相続人になったことを知った日:
3か月の起算日(要確認ならその旨):
遺言書:あり/探索中/不明
借金・保証・税滞納:なしを資料で確認/調査中/可能性あり
不動産:1件/複数/不明
最も近い法定期限:
相談・確認の目標日:
今日連絡する相手・連絡予定時刻:

各項目には、確認済み資料あり・未確認探索中不明専門確認待ちの状態を付けます。「不明」を「なし」へ置き換えないことが大切です。

期限は一つではない:起算点と対象者を分ける

相続の期限は、すべて死亡日から同じように数えるわけではありません。家族ごと、不動産ごとに起算点が違うこともあります。

原則3か月:相続放棄・限定承認等の判断

相続放棄の申述は、原則として被相続人が亡くなったことと、それによって自分が法律上相続人になったことを知った時から3か月以内です。申述先は被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。裁判所「裁判手続 家事事件Q&A」(新しいタブで開きます)裁判所「相続の放棄の申述」(新しいタブで開きます)

3か月内に調査しても、承認または放棄を決める資料が得られない場合は、期間伸長を家庭裁判所へ申し立てる制度があります。期限当日に考え始めるのではなく、調査未完了の時点で弁護士等へ相談し、必要なら期限内に申立てを行ってください。裁判所「相続の承認又は放棄の期間の伸長」(新しいタブで開きます)

後順位の相続人等は、死亡日と自分の起算点が同じとは限りません。家族共通の一日を推測せず、各人が「相続人になったことをいつ知ったか」を記録します。

原則4か月:準確定申告が必要か確認

亡くなった人について所得税の申告が必要な場合、相続人等は、原則として相続開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税を行います。国税庁 No.2022(新しいタブで開きます)

全員に準確定申告が必要とは限りません。事業、不動産所得、不動産売却、複数の給与、医療費、源泉徴収票、前年分の未申告等を確認し、対象と期限を税務署・税理士へ照会します。

原則10か月:相続税の申告・納付が必要か確認

各人の課税価格の合計額(相続財産等から非課税財産や控除対象の債務・葬式費用等を差し引き、対象となる贈与財産等を加算して計算)が基礎控除額を超える場合は、原則として相続開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に申告・納付します。相続登記が未完了でも税の期限は止まりません。国税庁 No.4152(新しいタブで開きます)国税庁 No.4205(新しいタブで開きます)

「不動産の評価がまだ」「遺産分割が未了」だけを理由に期限管理を後回しにしません。相続財産が未分割でも申告期限は延びず、法定相続分等で取得したものとして申告する取扱いがあります。

申告期限までに未分割の財産には、当初申告で配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を原則適用できません。後日の適用を予定する場合は、当初の相続税申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付し、原則として申告期限から3年以内に分割した後、分割日の翌日から4か月以内に更正の請求を行う必要があります。やむを得ない事情がある場合の承認申請を含め、個別期限は税務署・税理士へ確認してください。国税庁 No.4208(新しいタブで開きます)

原則3年:相続登記

相続により不動産の所有権を取得した相続人は、自分のために相続開始があったことを知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する義務があります。法務省「相続登記の申請義務化について」(新しいタブで開きます)

正当な理由なく義務を怠った場合は、10万円以下の過料の適用対象となる可能性があります。過料だけを恐れて不正確な登記を急がず、期限までに遺産分割が難しければ後段の相続人申告登記も含めて確認します。

2024年4月1日より前に開始した相続で、施行前からその不動産の相続取得を知っていた未登記不動産も対象です。その場合の期限は原則として2027年3月31日です。2024年4月1日以後に、その不動産を相続で取得したことを知った場合は、その日から3年以内となるため、自分の起算点を確認してください。法務省「相続登記の申請義務化について」(新しいタブで開きます)

さらに、法定相続分等による登記や相続人申告登記の後で遺産分割が成立した場合は、遺産分割の日から3年以内に、その内容を反映した登記を申請する追加の義務があります。法務省「相続登記の申請義務化について」(新しいタブで開きます)

【期限の記録】
相続放棄等・死亡を知った日:
自分が法律上相続人になったことを知った日:
3か月の起算日(要確認ならその旨):
法定期限(放棄・限定承認・期間伸長の申立て):
相談・確認の目標日:

準確定申告・起算日:
申告・納付期限:
相談・確認の目標日:

相続税・起算日:
申告・納付期限:
相談・確認の目標日:

物件1・相続取得を知った日:
相続登記の申請期限:
遺産分割成立日:
分割後登記の申請期限:
期限を確認した資料・回答者:

期限を過ぎていても「もう手続きできない」と自己判断しません。今日の日付、知った日、未対応の理由、既に行ったことを記録し、該当窓口へ連絡します。

遺言書は「あるか」だけでなく種類と扱いを確認する

遺言書があるかで、不動産を誰が取得するか、必要書類、家庭裁判所の手続が変わります。

表:遺言書の状態、最初の対応
遺言書の状態最初の対応
公正証書遺言正本・謄本等を確認し、公証役場への照会が必要か相談
法務局保管の自筆証書遺言遺言書情報証明書等の請求を確認。家庭裁判所の検認は不要
自宅等で見つけた自筆証書遺言原本・封の状態を保ち、検認の要否と申立てを確認
種類不明・複数・内容が競合開封・有効性・優先関係を家族だけで決めず法律相談

遺言書の保管者または発見した相続人は、公正証書遺言と法務局保管の自筆証書遺言書情報証明書を除き、遺言者の死亡を知った後、遅滞なく家庭裁判所へ検認を請求します。封印された遺言書は家庭裁判所で相続人等の立会いの上で開封する扱いです。裁判所「遺言書の検認」(新しいタブで開きます)

検認は、遺言書の状態と内容を明確にして偽造・変造を防ぐ手続で、遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。検認済みだから内容が必ず有効、検認していないから直ちに無効、と本記事から決めません。

法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用した遺言書は検認不要で、相続人等は遺言書情報証明書や保管事実証明書を請求できます。ただし、保管時の外形的確認は遺言の有効性を保証するものではありません。法務省「自筆証書遺言書保管制度」(新しいタブで開きます)

相続人は家族の記憶だけで確定しない

最初は相続人「候補」と連絡状態を記録します。

【相続人候補・連絡カード】
配偶者:
子・代襲相続人:
直系尊属:
兄弟姉妹・代襲相続人:
前婚の子、認知、養子等の確認:
連絡先不明・所在不明:
未成年者・成年被後見人:
海外居住者・外国籍関係:
戸籍で確認した範囲:
未確認事項:

戸籍等を集めた後、相続関係を一覧にした法定相続情報一覧図を法務局へ申し出て、認証文付きの写しを相続手続に利用できる制度があります。ただし、一覧図は戸除籍謄本等の記載に基づく法定相続人を明らかにするもので、遺言の有効性、不動産の取得者、遺産分割の内容まで証明するものではありません。法務局「法定相続情報証明制度」(新しいタブで開きます)

必要な戸籍と取得先は、遺言、法定相続、遺産分割で変わります。詳しい収集順は相続登記の必要書類で確認してください。

財産と債務は同じ表で調べる

不動産が見つかっても、家だけを先に分けません。預貯金等の資産と、借入れ・保証・未払税等の債務を同時に調べます。

表:区分、確認する手掛かり
区分確認する手掛かり
不動産課税明細、権利証、登記識別情報、契約書、登記事項証明書
預貯金・証券通帳、郵便物、アプリ、取引報告書
保険・年金保険証券、控除証明、年金通知、引落記録
借入れ・保証ローン資料、返済予定表、督促、保証契約、信用情報の確認方法
税・公共料金納税通知、申告書、口座振替、滞納・還付資料
事業・賃貸帳簿、賃貸借契約、敷金、管理会社、売掛・買掛
デジタル・貸金庫メール、契約通知、端末、貸金庫資料、パスワード管理記録

不動産に住宅ローンや抵当権がある場合は、残高、契約者、団体信用生命保険、金融機関、返済口座、登記事項を「確認待ち」として分けます。この段階では、保険で完済される、相続人が必ず返す等を決めません。見つけた後は、住宅ローンが残る相続不動産の確認順で、契約、団信、残高、抵当権を一件ずつ照合してください。

家の中で見つかった契約書、権利証、通帳、印鑑、請求書、相続税申告書、購入・建築資料は捨てず、写真と保管場所を記録します。現場の安全と片付け前に残す物は、相続した実家を片付ける前の手順で確認できます。

不動産は一件ずつ「登記と現況」を照合する

自宅敷地、私道、農地、山林、共有地、マンションの専有部分・敷地権等を「実家一件」とまとめないでください。土地と建物で名義が違う場合もあります。

【不動産カード No. 】
通称・所在地:
土地/建物/マンション/その他:
地番・家屋番号:
固定資産税の課税明細:あり/なし/対象外/不明
現在の登記名義人:
持分:
抵当権等:あり/なし/未確認
現地の建物と登記:一致/不一致の可能性/未確認
現在の利用:居住/空き家/賃貸/事業/不明
鍵・管理者・緊急連絡先:
遺言書での指定:
遺産分割:合意済み/協議中/未着手
相続取得を知った日:
相続登記の申請期限:
次に確認する資料・相手:

固定資産税の納税通知書や課税明細は、不動産を探す重要な手掛かりですが、宛名だけで現在の所有者や全不動産を確定しません。査定書、家族の記憶、住所表記だけでも名義を決めず、個別の登記事項証明書と現地を照合します。

2026年開始の所有不動産記録証明書を補助的に使う

2026年2月2日から、登記官が特定の人について所有権の登記名義人として記録されている不動産を検索し、一覧化して証明する「所有不動産記録証明制度」が始まりました。相続人等は全国の法務局へ書面またはオンラインで請求できます。法務省「所有不動産記録証明制度」(新しいタブで開きます)

ただし、この証明書は完全な財産目録ではありません。請求時に指定した氏名・住所等の検索条件と登記記録が一致しない物件、未登記建物、所有権の登記がない表示登記のみの物件、非コンピューター化登記簿、検索時点で登記へ反映されていない情報等は確認できない可能性があります。結果を個別の登記事項証明書、課税資料、契約書、現地と照合し、記載がないことだけで「不動産はこれで全部」と結論づけません。

相続するか未定なら、財産の処分を止める

裁判所は、相続開始後の選択肢を次の3つに分けています。裁判所「相続の放棄の申述」(新しいタブで開きます)

  • 単純承認:土地等の権利と借金等の義務を全て受け継ぐ
  • 相続放棄:権利と義務を一切受け継がない
  • 限定承認:相続で得た財産の限度で債務を負担する

相続放棄は各相続人が個別に申し立てられますが、限定承認は共同相続人全員で行う制度です。個人ごとの3か月の起算点、既に行った行為、他の相続人の方針を示して確認してください。

本記事からどれを選ぶべきかは決めません。次に当てはまる場合は、3か月の起算日、既にした行為、財産・債務の調査状況を持って弁護士へ相談します。家庭裁判所には、管轄、申立書式、必要書類、受付方法等の手続を確認してください。

  • 借金、連帯保証、税滞納がある、または不明
  • 不動産の価値よりローン・解体・管理負担が大きい可能性
  • 被相続人宛ての督促や訴状がある
  • 相続財産を既に引き出した、売った、譲った、分配した
  • 3か月以内に財産と債務を調べ切れない
  • 先順位者が放棄し、自分が相続人になった可能性

緊急の安全確保や財産の保存まで一律に禁止するものではありません。一方で、保存と処分の境界は具体的事情で変わります。「家へ入ったか」だけで結論を出さず、何を、いつ、なぜ、誰の費用で行ったかを記録して確認してください。

誰が不動産を取得するかを決める

相続する方針が決まった後、遺言書、相続関係、財産・債務の全体を踏まえ、不動産の取得者と持分を整理します。

話し合う前に、少なくとも次を同じ資料へそろえます。

  • 不動産ごとの登記名義、持分、担保、利用状態
  • 相続人全員と遺言書の内容
  • 不動産以外の財産と債務
  • 居住する人、管理する人、費用を負担する人
  • 売る、貸す、残す場合の現実的な条件
  • 相続税や将来売却の税務確認が必要な項目

「手続きが早そう」という理由だけで共有名義を選びません。共有にする場合は、管理、費用、賃貸、修繕、担保、将来売却で必要となる合意と連絡方法を確認し、取得者・持分を資料へ残します。

【不動産の取得方針】
対象不動産:
遺言書での指定:
取得候補者・持分:
他の相続人の確認:済み/未確認
居住・管理・費用負担:
他の財産との調整:
税務確認:済み/予約済み/未確認
合意を示す資料:
次の登記手続・担当:

相続人間で合意できない、連絡不能者がいる、未成年者と利益が対立する、遺言の有効性に争いがある場合は、家族だけで署名を集めず弁護士へ相談します。必要な調停・審判等の申立先や書式は家庭裁判所へ確認してください。

相続登記と相続人申告登記を混同しない

取得者が決まったら、対象不動産の管轄法務局で相続登記を進めます。必要書類は、遺言、法定相続、遺産分割等で異なります。方式別の書類と取得先は相続登記の必要書類へ進んでください。

取得者が決まっている

遺言書や遺産分割等に応じた相続登記を準備します。申請書、戸籍、住所、評価、遺言・遺産分割等の資料をそろえ、登記後の名義と持分を確認します。

3年以内に遺産分割がまとまらない

相続人申告登記は、自分が登記名義人の相続人であること等を期限内に申し出ることで、相続登記の基本的な申請義務を履行できる簡易な制度です。特定の相続人が単独で申し出ることもできます。法務省「相続人申告登記について」(新しいタブで開きます)

ただし、相続人申告登記は、不動産の取得者や持分を公示する所有権移転の相続登記ではありません。これだけで売却や抵当権設定へ進めるものではなく、遺産分割後は成立日から3年以内に内容を反映した相続登記が必要です。

税務は登記と並行して確認する

相続登記、準確定申告、相続税申告は別の手続です。一つが終わるまで他の期限が止まるわけではありません。

表:確認場面、税務署・税理士へ渡すもの
確認場面税務署・税理士へ渡すもの
準確定申告死亡日、収入・事業・賃貸・売却、源泉徴収、前年申告の資料
相続税相続人候補、財産・債務、不動産、保険、贈与、遺産分割の状態
相続後の売却被相続人の購入・建築資料、相続税申告、売却条件、利用状況

購入時の売買契約書、建築請負契約書、領収書は、相続税評価額とは別に、将来売却したときの取得費を確認する資料となる可能性があります。捨てずに保管してください。

売却方針が決まったら、相続した家を売却する流れで名義確認から引渡しまでの工程を作り、相続した家の売却にかかる税金で取得費、税率、特例候補、申告期限を整理します。

全国共通の期限と、所在地で確認する手続を分ける

相続放棄、準確定申告、相続税、相続登記には全国共通の法令上の枠組みがあります。一方、不動産の管理や連絡書式には、所在地や契約による違いがあります。

表:確認先、所在地・契約ごとに確認すること
確認先所在地・契約ごとに確認すること
市区町村固定資産税の納税通知先、現所有者・代表者等の届出名称、必要書類、期限
管理組合・管理会社区分所有者死亡の連絡、連絡担当、管理費・修繕積立金、鍵・郵便
保険会社・代理店契約者・被保険者、死亡・空き家・利用変更の連絡、補償継続条件
電気・水道・ガス等漏電・漏水・凍結等の安全、継続・停止日、精算、立会い
賃貸管理会社入居者、賃料、敷金、修繕、契約書、送金先変更の必要手続

市区町村サイトを探すときは、不動産所在地+所有者死亡+固定資産税等で確認し、死亡届を出したから不動産関係の連絡も全て完了したとは考えません。書式名や期限を全国一律に置かず、回答日と担当部署を初動シートへ残します。

困りごとから相談先を選ぶ

表:困りごと、最初の確認先
困りごと最初の確認先
相続放棄・限定承認・期間伸長の申立先、必要書類、受付方法家庭裁判所
放棄の可否、既にした行為の影響、借金・保証、期限超過、争いへの対応弁護士
現在の登記、相続登記、相続人申告登記司法書士、法務局
境界、面積、未登記建物、増築との不一致土地家屋調査士、法務局
準確定申告、相続税、将来売却の税税理士、税務署
現況価格、売却方法、管理・引渡条件権利・名義の道筋を確認後に不動産会社

「相続について相談したい」だけでなく、次の形で伝えます。

亡くなった人と死亡日:
被相続人の死亡を知った日:
自分が法律上相続人になったことを知った日:
3か月の起算日(要確認ならその旨):
遺言書と相続人の確認状態:
財産・債務で不明な点:
不動産の所在地・現在名義・持分・担保:
既に相続財産へ行ったこと:
最も近い期限:
確認したい判断:
持参する資料:
回答希望日:

相談先が一つに決まらない場合は、期限が最も近く、戻せない行為に関係する窓口から始めます。相続放棄の可能性と3か月期限があるなら、査定や登記書類集めより法律相談を優先します。

自分だけで進めず止まる条件

次のいずれかに当てはまる場合は、一般チェックリストだけで遺産分割、名義、売却、解体、代金分配を確定しません。

  • 借金、保証、税滞納が不明、または相続放棄・限定承認を検討している
  • 3か月、4か月、10か月、3年の期限が近い、過ぎた、起算点が不明
  • 遺言書が複数ある、封印されている、有効性や解釈に争いがある
  • 相続人候補に前婚の子、認知、養子、代襲相続等の未確認がある
  • 相続人に未成年者、成年被後見人、行方不明者、海外居住者がいる
  • 遺産分割に反対・連絡不能・使途不明金がある
  • 登記名義が被相続人ではない、数次相続、共有、信託等がある
  • 現地建物が登記にない、土地建物の名義が違う、農地・借地等がある
  • 被相続人が売買・賃貸・工事契約の途中だった
  • 売却、賃貸、解体で税の特例や契約条件が変わる可能性がある

期限が迫るほど、全部調べ終わってから相談しようとしないでください。分かる項目だけで初動カードを作り、不明欄と期限を示して相談します。

よくある質問

相続手続きは、まず相続登記から始めればよいですか

登記を急ぐ前に、相続放棄等へ影響し得る行為を止め、遺言書、相続人、財産・債務、不動産の名義を確認します。相続する方針と不動産の取得者・根拠が決まったら、相続登記へ進みます。

相続登記前に家の査定を頼めますか

価格情報を集める相談と、売買契約を結ぶことは別です。現況を壊さず査定相談できる場合はありますが、売主、取得者、遺産分割、登記の見通しが未確認のまま、売却契約や解体契約を確定しません。相談時には「相続手続き中」と伝えます。

固定資産税の納付書が自分に届けば、名義変更は済んでいますか

納税通知先と登記名義は別に確認します。課税明細の宛名だけで所有権や相続登記完了を判断せず、登記事項証明書を確認してください。

3か月を過ぎたら相続放棄は絶対にできませんか

本記事から可否を断定できません。知った時期や事情、相続財産の認識、既に行った行為等で確認が必要です。放棄の可否や既にした行為の影響は弁護士へ相談し、申立先・必要書類・受付方法は被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ確認してください。

相続人申告登記をすれば、家を売れますか

相続人申告登記は、基本的な申請義務を履行する簡易制度で、取得者や持分を公示する相続登記ではありません。売却等には、権利関係を反映した相続登記を別に確認します。法務省「相続人申告登記について」(新しいタブで開きます)

何十年も前の相続でも登記が必要ですか

2024年4月1日より前に開始した相続の未登記不動産も義務化の対象です。施行前から相続取得を知っていた場合の期限は原則2027年3月31日です。複数回の相続で関係者が増えている場合は、戸籍と登記を持って法務局・司法書士へ確認してください。法務省「相続登記の申請義務化について」(新しいタブで開きます)

遠方の不動産も同じ順番ですか

相続放棄、税、相続登記の全国共通ルールを確認する順番は同じです。物件ごとに管轄法務局、市区町村、管理者、契約、現地状態が違うため、不動産カードを分け、現地でしか確認できない作業と郵送・オンラインで進められる作業を分けます。

家族と相談先へ渡す完成シート

【不動産相続・初動完成シート】
〔基本情報〕
亡くなった人:
死亡日:
被相続人の死亡を知った日:
自分が法律上相続人になったことを知った日:
3か月の起算日(要確認ならその旨):

遺言書:あり/探索中/現時点で未発見/不明
種類・保管場所・確認資料:
検認:不要を確認/申立準備/確認待ち
相続人候補:
未確認・連絡不能:
財産一覧:作成済み/途中
借金・保証・税滞納:あり/確認資料内では見つからず/調査中/不明
内容・調べた資料・照会先・確認日:
相続方針:未判断/専門相談中/判断済み
判断内容・日付・確認先:

〔法定期限〕
相続放棄等・死亡を知った日:
自分が法律上相続人になったことを知った日:
3か月の起算日(要確認ならその旨):
法定期限(放棄・限定承認・期間伸長の申立て):
相談・確認の目標日:
準確定申告の起算日:
申告・納付期限:
相談・確認の目標日:
相続税の起算日:
申告・納付期限:
相談・確認の目標日:
期限を確認した資料・回答者:

〔不動産全体〕
確認した不動産数:
不動産カード作成数:
追加の不動産候補:あり(未カード化)/探索中/現時点で見つからず
確認した資料・検索条件・確認日:
現地と登記:一致/不一致の可能性/未確認

〔物件1〕
物件1・現在の登記名義:
物件1・相続取得を知った日:
物件1・相続登記の申請期限:
物件1・取得者・持分:
取得根拠:遺言/遺産分割/法定相続/その他
根拠資料:
状態:確認済み/協議中/未着手
物件1・次の登記手続:

〔停止・既実施行為〕
現在止めている行為:
止める理由:
再開条件・回答者:
既に相続財産へ行ったこと:
日付/行為/金額/支払原資/理由/行った人:
資料・写真:
専門家へ伝達:済み/未

〔相談・次行動〕
今日連絡する相手・連絡予定時刻:
次の相談先:
質問内容:
予約日・持参資料:
回答期限:

次に進む先:
相続登記書類/売却の流れ/売却税/家の片付け/専門相談
本日の一歩:
次回更新日:
最終更新日時/更新者:

複数物件では、物件欄だけを一件ずつ複製します。家族で一枚を同時編集する場合も、更新者と更新日を残してください。

次にすること

今日の一歩は、現在地で一つだけ選びます。

  1. 借金・相続放棄が未確認:死亡を知った日、自分が法律上相続人になったことを知った日、既に行ったことを書く。放棄の可否や既行為の影響は弁護士へ相談し、申立先・書類・受付方法は家庭裁判所へ確認する
  2. 遺言・相続人が未確認:遺言の保管先と、戸籍で未確認の人を一つ特定する
  3. 不動産が不明:課税明細、権利証・契約書、所有不動産記録証明書等から候補を一件特定する。地番・家屋番号を確認できたら登記事項証明書を取得し、不動産カードを作る
  4. 取得者まで決まった相続登記の必要書類で採用する方式の書類を集める
  5. 売却へ進める:相続方針、取得者・持分、その根拠、売主となるための登記の道筋まで確認できたら、相続した家の売却の流れ売却税の確認表へ進む。未確認なら相続登記または専門相談へ戻る

参照した公的情報

法務省「不動産を相続した方へ」参照日 2026-08-25裁判所「相続の放棄の申述」参照日 2026-08-25裁判所「裁判手続 家事事件Q&A」参照日 2026-08-25裁判所「相続の承認又は放棄の期間の伸長」参照日 2026-08-25裁判所「遺言書の検認」参照日 2026-08-25法務省「自筆証書遺言書保管制度」参照日 2026-08-25e-Gov法令検索「民法」参照日 2026-08-25国税庁 No.2022「納税者が死亡したときの確定申告」参照日 2026-08-25国税庁 No.4205「相続税の申告と納税」参照日 2026-08-25国税庁 No.4152「相続税の計算」参照日 2026-08-25国税庁 No.4208「相続財産が分割されていないときの申告」参照日 2026-08-25法務省「相続登記の申請義務化について」参照日 2026-08-25法務省「相続人申告登記について」参照日 2026-08-25法務省「所有不動産記録証明制度について」参照日 2026-08-25法務局「法定相続情報証明制度の具体的な手続」参照日 2026-08-25