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抵当権抹消の司法書士費用はいくら?報酬調査と自分で申請する費用

抵当権抹消の費用は、司法書士の報酬、登録免許税、実費を分けて確認します。登録免許税は原則、不動産1個につき1,000円です。

まだしないこと

報酬調査の平均額を定額や総費用だと思わない

まずすべきこと
  1. 土地の筆数と建物の数を確認する
  2. 金融機関の解除書類と登記簿の名義を照合する
  3. 自分で申請するか、司法書士へ内訳別の見積りを頼むか決める

このページで決めること費用の内訳、申請書類、オンライン申請と相続時の順番を確認できます。

抵当権抹消の費用を司法書士報酬と登録免許税に分けて確認する人
公開日 2026年9月25日法令・制度確認日 2026年9月25日執筆・編集 住まいのよりみち編集部読了目安 8分

# 抵当権抹消の司法書士費用はいくら?報酬調査と自分で申請する費用

住宅ローンを完済しても、不動産の登記簿に記録された抵当権は自動的には消えません。登記簿上の抵当権を消すには、不動産の所在地を管轄する法務局へ「抵当権抹消登記」を申請する必要があります。

抵当権抹消にかかる費用は、大きく「司法書士報酬」「登録免許税」「実費」の3つに分かれます。司法書士の報酬には全国一律の決まった料金はなく、各事務所が独自に設定しています。日本司法書士会連合会(日司連)が公表している報酬アンケート調査に平均値や金額帯別の分布はありますが、税金や実費を含めた定額料金ではありません。また、自分で法務局へ申請する場合でも、登録免許税(不動産1個につき1,000円)は必ず納める必要があり、登記事項証明書の取得や書類の郵送を行う場合はその実費がかかります。

さらに、亡くなった親名義の不動産でローンを完済したケースなどでは、抵当権抹消の前に「相続登記(名義変更)」が必要になることがあります。まずは費用の内訳とご自身の不動産の個数、現在の登記名義の状況を正しく整理することが大切です。

手続き前の注意点:まだしないこと/まずすべきこと

手続きを進める前に、慌てて行動して余計な手間や費用を発生させないよう、次の点を確認してください。

まだしないこと

  • ローンを完済しただけで登記簿の記録が自動的に消えていると思い込み、放置すること
  • 金融機関から送られてきた書類一式(委任状や登記識別情報など)を紛失したり、処分したりすること
  • 名義人が亡くなっている場合に、相続登記が必要かどうかを確かめないまま抵当権抹消だけを申請しようとすること

まずすべきこと

  • 不動産の「登記事項証明書(登記簿謄本)」を取得または手元で確認し、土地の筆数(筆:土地を数える単位)や建物の棟数、現在の名義人を確かめる
  • 金融機関から届いた書類一式がすべて揃っているか確認し、完済(または保険金充当)した日付と、金融機関の書類に記載された登記原因(解除や弁済など)およびその日付を分けて控えておく

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まず費用を三つに分けて整理する

抵当権抹消にかかる費用を見積もる際は、すべての金額を一括りにせず、以下の3つに分解して考えます。

  1. 司法書士報酬:手続きの代理を司法書士に依頼した際に支払う手数料
  2. 登録免許税:国(法務局)へ納める登記の税金(自分で申請しても必ず発生します)
  3. 証明書・郵送等の実費:登記事項証明書の発行手数料や法務局・金融機関との郵送費など(手続きの内容に応じて発生します)

なお、所有者が亡くなっていて相続登記もあわせて行う必要がある場合、相続登記にかかる登録免許税や司法書士報酬は、抵当権抹消とは別の独立した手続きとして計算されます。

表:費用の項目、主な支払先、自分で申請する場合、司法書士に依頼する場合
費用の項目主な支払先自分で申請する場合司法書士に依頼する場合
登録免許税国(法務局)必ずかかる(不動産1個につき1,000円)必ずかかる(自分で申請する場合と同額)
登記事項証明書等の実費法務局・郵便局取得や郵送を行う場合のみ実費を負担実費のみ負担(事前の確認用や完了後の確認用など)
司法書士報酬司法書士事務所なし(0円)事務所ごとに定められた所定の報酬を支払う

各機関の手続き案内や報酬の考え方については、日本司法書士会連合会「司法書士の報酬」(新しいタブで開きます)や法務局「不動産登記の申請書様式について」(新しいタブで開きます)で確認できます。

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司法書士報酬の調査値はいくらか

司法書士の報酬は自由化されているため、全国一律の定額料金はありません。依頼する事務所や不動産の個数、事案の複雑さによって異なります。

日本司法書士会連合会(日司連)では、全国の司法書士を対象とした報酬アンケート調査を実施し、集計結果を公表しています。最新の調査として公開されている「2024年3月実施 報酬アンケート結果」における、「土地1筆・建物1棟の抵当権抹消登記手続の代理」の調査値は以下のとおりです。

表:調査項目、条件・調査結果
調査項目条件・調査結果
モデルケースの条件土地1筆・建物1棟の抵当権抹消登記手続の代理(登記原因証明情報〈解除証書等〉の作成と登記申請代理を含む)
有効回答数1,090件
全国平均値17,470円(消費税10%込)
全国の分布状況1万円未満 40件、1万円台 717件、2万円台 272件、3万円台 48件、4万円以上 合計13件(※原表にない中央値・最低額・最高額は推計せず非掲載)
地域別の差異2024年3月調査の公表表には地域別の平均額は示されていない。地域の見積額は依頼先へ確認する

※調査データの詳細は、日本司法書士会連合会「報酬アンケート結果(2024年3月実施)」(PDF)(新しいタブで開きます)および日本司法書士会連合会「報酬アンケート結果に関する説明」(PDF)(新しいタブで開きます)に掲載されています。

調査値を見積もりと混同しないための注意点

  • 定額を保証するものではない:アンケート結果は過去の回答を集計した統計値であり、現在の個別の見積もり金額を保証するものではありません。
  • 消費税込み・実費は別:公表されている調査値(全国平均17,470円)は消費税10%を含んだ金額です。この調査値に消費税を重ねて加算する必要はありません。ただし、登録免許税や登記事項証明書の発行費用などの実費は含まれていないため別途発生します。
  • 物件数による加算の可能性:土地が2筆以上ある場合や私道持分が含まれる場合などは、加算費用が発生することがあります。ただし、物件数が増えれば必ず一定額が加算されると決まっているわけではありません。依頼先事務所の料金体系をご確認ください。

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登録免許税はいくらか(不動産の個数による計算)

抵当権抹消の登録免許税は、借入金の額や不動産の価格(固定資産税評価額)とは関係ありません。「抵当権抹消登記の対象となる不動産の個数」に基づいて定額で計算します。

  • 計算基準:不動産1個につき 1,000円
  • 上限規定:同一の申請で抹消する不動産の数が20個以上ある場合、税額は一律 20,000円(同一申請の上限であり、別申請や報酬・実費を含めた総額の上限ではありません)

不動産の個数別の税額例

表:対象となる不動産の構成、個数の数え方、登録免許税額
対象となる不動産の構成個数の数え方登録免許税額
戸建て住宅(土地1筆+建物1棟)2個2,000円
敷地が分かれている戸建て(土地3筆+建物1棟)4個4,000円
私道持分等を含む住宅(宅地1筆+私道持分2筆+建物1棟)4個4,000円
多数筆の農地や山林など(20個以上を同一申請で抹消)20個以上20,000円(上限適用)

※土地の筆数は見た目の敷地の数とは異なり、登記記録上の「筆」ごとに数えます。一見すると1つの庭に見えても土地が複数筆に分かれていることがあるため、登記事項証明書での確認が欠かせません。

計算方法や申請書の記載例は、法務局「抵当権の登記の抹消手続のご案内」(PDF)(新しいタブで開きます)と登記・供託オンライン申請システムの操作手引書(新しいタブで開きます)で確認できます。

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司法書士に依頼するか自分で申請するかの比較

費用を抑えるために自分で申請するか、専門家に任せるかは、手間とリスクのバランスを考慮して選択します。

表:比較項目、自分で申請する、司法書士に依頼する
比較項目自分で申請する司法書士に依頼する
かかる主な費用登録免許税+実費(証明書代・郵送代など)登録免許税+実費 + 司法書士報酬
書類作成・収集の手間申請書を自分で作成し、金融機関の書類と照合する司法書士が作成や確認を代行する
法務局とのやり取り自分で窓口へ持参するか、郵送やオンラインで手続きする司法書士がすべて代理する
主な注意点書類の有効期限切れ、記載不備による修正(補正)、金融機関書類の紛失リスク依頼費用(報酬)が発生する
適しているケース時間に余裕があり、平日昼間の対応や書類確認が苦にならず、名義に変更がない場合平日に時間が取れない場合、相続登記が絡む場合、住所変更が必要な場合

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自分で申請するなら何をするか

抵当権抹消登記は、不動産の登記名義人(所有者)と抵当権者(銀行や保証会社などの金融機関)が「共同で申請する」のが法的な原則です。実際の手続きでは、金融機関から代理権を付与された委任状を受け取り、所有者が金融機関の代理人も兼ねる形で申請します。

1. 金融機関から受け取る書類の確認

ローンを完済すると、金融機関から抵当権抹消用の書類一式が送付されます。以下の書類が含まれているか確認します。

  • 登記原因証明情報(抵当権解除証書、弁済証書など):実際に返済や保険金充当が行われた日付と、書類に記載されている登記原因(解除・弁済など)およびその日付を分けて確認します。
  • 抵当権者の委任状:金融機関からの委任状です。代理人(受任者)欄の記入は、金融機関の案内や委任内容の指示に従って記入します。
  • 登記識別情報 または 登記済証:抵当権が設定された際に抵当権者(金融機関)へ交付された抹消用の書類(いわゆる権利証)です。所有者自身が不動産を取得した際の登記識別情報や権利証とは異なりますので、取り違えないよう注意してください。
  • 金融機関の会社法人等番号:申請書に記載します。金融機関の商号・本店や代表者に変更がある場合などは、追加の証明書類が必要になることがあるため、受け取った書類と登記記録を確認してください。

2. 申請書の作成

法務局の様式に従い、「抵当権抹消登記申請書」を作成します。不動産の表示は、登記事項証明書の記載どおりに一字一句正確に書き写す必要があります。

3. 管轄法務局への提出、納税、および完了の確認

不動産の所在地を管轄する法務局へ申請書と添付書類を提出します。提出方法は以下のいずれかです。

  • 法務局の窓口へ持参する
  • 登録免許税分の収入印紙を申請書に貼り、書留郵便等で法務局へ郵送する

提出後に不備があれば法務局から補正(修正)の連絡が入るため、指示に従って速やかに対応します。完了までの所要日数は一律ではありません。法務局の混雑状況などによって変動するため、管轄登記所が提示する「登記完了予定日」を確認してください。 登記が完了した後は、「登記完了証」などを受け取り、登記事項証明書を新たに取得するなどして、対象不動産の抵当権の登記が正しく抹消されたことを確認して手続きを終えます。

詳しい様式や注意事項は、法務局「不動産の登記申請について」(新しいタブで開きます)で公開されています。

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オンライン申請は自分でできるか

法務局の「登記ねっと(登記・供託オンライン申請システム)」を利用して、個人がオンラインで申請することも制度上は可能です。

ただし、以下の条件や注意点があるため、「自宅のパソコン操作だけで完全に完結する」とは限らない点に注意が必要です。なお、電子証明書を使ってオンライン送信する申請と、専用ソフトで申請書面を作成・印刷して提出する書面申請は別の手続きです。

  • 必要な環境・ツール:マイナンバーカードなどの電子証明書、ICカードリーダーライター(または対応スマートフォン)、申請用総合ソフトを使うパソコンと初期設定が必要です。
  • 書面の添付書類の提出期限(特例方式):金融機関から受け取った「登記原因証明情報」や「委任状」が紙の書面である場合、オンラインで申請データを送信したうえで、原本を別途法務局の窓口へ持参するか郵送します。スキャンだけでは済まず、受付の日から登記所の2営業日以内に提出または送付する必要があります。
  • 登記識別情報の入力:金融機関から受け取った登記識別情報(英数字の組み合わせ)を、申請用総合ソフト上で暗号化して正確に入力・送信します。

このように、紙の原本の郵送や窓口持参が必要で、提出期限も定められています。そのため、個人が1度だけ行う手続きとしては、紙の申請書を作成して法務局の窓口へ持参するか郵送するほうが手軽な場合もあります。

操作手順などの詳細は、法務局「不動産登記のオンライン申請について」(新しいタブで開きます)をご確認ください。

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亡くなった所有者の物件では何が先か

ローンを組んでいた名義人が亡くなっている場合、「抵当権抹消」と「相続登記」のどちらを先に行うかは事案によって異なります。名義人の死亡日、登記原因(完済や解除)の日付、現在の登記名義を確認して判断します。

パターンA:死亡後に完済した場合(団体信用生命保険など)

住宅ローンの契約者が死亡し、団体信用生命保険(団信)の保険金充当によってローンが完済されたケースです。

  • 申請順序:甲府地方法務局の案内では、所有者の死亡後に抵当権が消滅した場合、先に相続登記(名義変更)をしてから抵当権抹消を申請するとされています。
  • 確認事項:団信の保険金充当日と解除・弁済証書の登記原因日、必要な相続書類を金融機関と管轄法務局に確認してください。

パターンB:生前に完済していたが放置していた場合

被相続人が生前に住宅ローンを完済していたものの、抵当権抹消手続きを行わないまま亡くなったケースです。

  • 申請順序:甲府地方法務局の案内では、所有者の生前に抵当権が消滅していれば、相続登記に先立って相続人の一人が抵当権抹消を申請できます。ただし、金融機関(抵当権者)との共同申請であり、相続人が単独で抹消できるわけではありません。死亡の記載がある戸籍、申請する相続人の戸籍・住民票など、相続人であることを示す資料も必要です。
  • 相続登記の申請義務:なお、売却や活用の予定がない場合であっても、相続登記の申請義務は免れません。法律上、原則として「自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その所有権を取得したことを知った日」から3年以内に相続登記を申請する必要があります(制度施行前に発生した過去の相続についても経過措置が設けられています)。詳しい期限や手続きは相続登記の司法書士費用の内訳と見積もりの見方を参照してください。
  • 確認事項:金融機関の合併や住所変更などがあると追加書類が必要になるため、管轄法務局に書類一式を示して確認してください。

※事案ごとの前提条件により必要書類は変わります。一律に自己判断せず、登記事項証明書、金融機関の解除書類、被相続人の戸籍謄本などを準備したうえで、甲府地方法務局の事例別案内(新しいタブで開きます)を参照し、管轄法務局や司法書士へご相談ください。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 司法書士報酬のアンケート調査値は税込みですか?

A. 日本司法書士会連合会が公表している2024年3月実施の報酬アンケート結果(全国平均17,470円)は、消費税10%を含んだ金額です。したがって、この調査値に消費税を重ねて加算する必要はありません。ただし、個々の司法書士事務所から実際に見積もりを取る際は、提示された金額に消費税が含まれているか、登録免許税や実費が別になっているかを必ず確認してください。

Q2. 抵当権抹消と相続登記は、同じ司法書士に同時に依頼できますか?

A. 同時に依頼できます。登記事項証明書の確認や戸籍の収集、法務局への申請書類作成を一体で進められるため、同時に相談することで手続きの二度手間を防ぎやすくなります。その際の見積もりは、相続登記と抵当権抹消のそれぞれについて、司法書士報酬・登録免許税・実費を分けて提示してもらうようにしてください。

Q3. 法務局の窓口へ一度も行かずに手続きを終えることはできますか?

A. 郵送だけで手続きを進めることは可能です。自分で申請する場合は、申請書と添付書類一式を書留郵便等で管轄法務局へ送付します。その際、完了後の登記完了証等を受け取るための返送用封筒(書留分の切手を貼付)を同封してください。ただし、書類に不備があった場合は法務局の窓口での補正や書類の追送が必要になる場合があるため、返送方法や連絡先の確認を省略できるわけではありません。なお、司法書士に依頼した場合は、法務局とのやり取りを司法書士が代理するため、依頼人自身が法務局へ行く必要はありません。

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参照資料

本稿で記載した制度・税額・調査の概要は、以下の一次資料に基づき確認しています。個別の物件や金融機関によって必要書類は変わるため、申請前に管轄法務局へ確認してください。

参照資料

日本司法書士会連合会「司法書士の報酬」参照日 2026年9月25日 ↗日本司法書士会連合会「報酬アンケート結果(2024年3月実施)」参照日 2026年9月25日 ↗日本司法書士会連合会「司法書士の報酬について」参照日 2026年9月25日 ↗法務局「抵当権の登記の抹消手続のご案内」参照日 2026年9月25日 ↗登記・供託オンライン申請システム「操作手引書」参照日 2026年9月25日 ↗法務局「抵当権抹消のオンライン申請」参照日 2026年9月25日 ↗甲府地方法務局「抵当権抹消と相続」参照日 2026年9月25日 ↗日本司法書士会連合会「相続登記義務化」参照日 2026年9月25日 ↗