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空き家管理サービスの費用|料金比較と自主管理・代行の選び方

空き家管理サービスの費用を、外観のみ・室内巡回・オプションの公開料金例で比較。月額だけでなく初期費用、郵便転送、草刈り、災害後確認、解約まで含む年間総額を計算し、自主管理と代行のどちらが合うか判断します。

更新日 2026-08-25執筆 住まいのよりみち編集部最終確認 2026-08-25住まいのよりみち編集部読了目安 26

空き家管理サービスの費用は、月額だけを並べても比較できません。同じ「月1回」でも、道路から外観を見るだけのプランと、鍵を預けて室内の通風・通水まで行うプランでは、作業も責任範囲も違うからです。

先に決めるのは会社名ではなく、その家に必要な作業、頻度、報告、緊急時対応です。候補を同じ仕様へそろえ、平常年・初年度・災害後の想定年・解約年度の費用を分けて計算します。

この記事の結論は次の3点です。

  1. 必須作業が「対象外」または「不明」の候補は、料金比較へ入れない
  2. 自主管理も0円とせず、交通・宿泊・外注・時間・代替担当まで比較する
  3. 契約開始日・課金開始日を契約書で決め、鍵と初回報告を確認するまで初期運用確認中として追う

契約上の開始日と料金・義務の発生日は契約書に従います。本記事では、契約締結後に鍵の引渡しと初回報告を検収し、必要仕様どおりの運用を確認できた状態を「初期運用確認完了」と呼びます。初回報告の受入日を契約開始日へ読み替えるものではありません。

2026年8月25日に公式ページで直接確認した戸建て向け公開例では、月1回の外観確認が月4,280円・5,500円、屋外・室内管理が月11,000円、屋外月2回・室内月1回の組合せが月14,300円です。これは全国相場ではなく、対象物件と作業範囲が異なる料金例です。

まず結論:月額ではなく「必要作業を満たす1年総額」で選ぶ

最初に、自主管理・一部委託・管理委託のどれを候補にするかを分けます。

表:管理方法、向いている状態、判断を止める条件
管理方法向いている状態判断を止める条件
自主管理予定どおり現地へ行け、代替担当もいて、写真・鍵・異常・期限を記録できる遠方、健康、天候等で巡回が抜ける。臨時対応者がいない
一部委託家族が年数回は行けるが、毎月の外観確認や草刈り等が不足する自分と事業者の担当に空白がある。同じ作業を二重に発注している
管理委託定期巡回、室内管理、報告を継続的に自分で実施できない必須作業、料金、鍵、再委託、緊急時、解約が書面で決まらない
専門対応を先行明らかな損傷、周辺被害、設備異常、行政からの通知等がある通常の見回りサービスだけで危険や通知へ対応しようとしている

純粋な自主管理を候補にできるのは、次の5条件をすべて満たす場合です。

  • [ ] 必須地点を決めた頻度で確認できる
  • [ ] 台風、地震、近隣連絡等の後に、安全を確認して臨時対応を手配できる
  • [ ] 本人が行けないときの代替担当がいる
  • [ ] 写真、未確認、鍵、異常、担当、期限、次回日を記録できる
  • [ ] 交通・宿泊・資材・外注と時間を継続して負担できる

一つでも重要な条件が欠けるなら、「全部委託」だけが答えではありません。外観巡回だけを委託し、室内は家族が担当する等の併用も比較します。

料金比較の前に、通常の管理サービスで受けられる状態か確認する

安いプランを探す前に、物件、依頼権限、安全の3点を確認します。

1. 依頼できる人と鍵を渡せる人が分かる

申込者が所有者本人でない場合は、所有関係、共有者との関係、委任の範囲を確認します。日常的な巡回や換気を依頼できる立場でも、家財処分、大規模改修、解体、売却まで決められるとは限りません。相続人・共有者との関係と、申込者へ委任された範囲を確認してください。

所有・委託権限が分からない間は、契約、鍵の引渡し、室内立入りを止めます。相続直後の書類と家財の扱いは、相続した実家を片付ける前に残すもので先に整理できます。

2. 通常巡回より先に安全対応が必要ではない

次の状態は、通常の外観巡回や換気プランを先に選びません。

  • 建物、屋根材、外壁、塀、擁壁、庭木等に落下・倒壊の恐れが見える
  • ガス、焦げ、薬品等の臭い、浸水した電気設備、漏水等がある
  • 道路や隣地へ部材、枝、土砂、水、ごみ等の影響が出ている
  • 自治体から管理不全、危険、周辺影響等について連絡・指導・勧告等が届いている
  • 侵入者がいる可能性、火災、人命の危険等がある

ガス臭、火災、人命、侵入者、倒壊・落下、感電等の切迫した危険がある場合は近づかず、消防・警察・ライフライン事業者等へ連絡します。周辺影響や自治体からの連絡・指導・勧告がある場合は、通常巡回だけで解決しようとせず、現場の安全を確認したうえで自治体・専門家と対応範囲を決めます。通常管理を始めるのは、安全に行える作業範囲が決まってからです。

3. 管理を委託しても所有者側の判断は残る

空家法5条(新しいタブで開きます)は、空家等の所有者または管理者に、周辺の生活環境へ悪影響を及ぼさないよう適切な管理に努める責務を定めています。管理会社へ委託しても、所有者側には次が残ります。

  • 正確な物件情報と権限資料を渡す
  • 貴重品を搬出し、家財を動かせる範囲を決める
  • 修繕、除却、売却、活用等を判断する
  • 電気・水道・ガス、税、所有者の保険、契約外費用を管理する
  • 自治体等からの通知と、管理会社からの異常報告へ対応する
  • 管理をいつまで続け、いつ方針を見直すか決める

見積り前に「必要作業カード」を1枚作る

サービス名から選ぶと、会社ごとの言葉の違いに引っ張られます。先に、その家で必要な作業を次の5区分へ分けます。

  • 含む:基本料金内で、回数・範囲も要件を満たす
  • 条件付き:面積、水道契約、安全、作業時間等の条件を満たすと実施
  • 別料金:追加料金と発注条件を確認して実施
  • 対象外:その候補では実施しない
  • 不明:資料や回答がなく、含むとは扱わない

コピーして使う必要作業カード

表:必須・任意、対象、作業、頻度・発動条件、期限、安全上の中止条件、必要な証拠、担当
必須・任意対象作業頻度・発動条件期限安全上の中止条件必要な証拠担当
必須建物外観固定地点から前回との差を確認毎月+強風等の後異常は当日速報落下・傾き等で接近しない日時付き写真、未確認理由未定
必須室内入室条件を通過後、天井・床・窓等を目視毎月異常は当日速報臭い、浸水、床不安等で入らない固定地点写真未定
任意通風・通水契約・設備・安全条件を満たす範囲毎月月次報告破損・凍結・漏れ等で操作しない実施・未実施理由未定
必須郵便堆積、破損、回収・転送毎月個別に決定開封・処分権限不明受領物と渡し先未定
必須庭・周辺草木、ごみ、越境、塀等を目視毎月、繁茂期異常は期限設定高所、電線、傾いた塀へ近づかない写真、別見積り未定
必須報告前回差、未確認、異常、鍵、次回日毎回契約で決める未確認を異常なしにしない報告書原本未定

必要作業カードを作ったら、候補ごとのプラン名を次の表へ移します。「含む/条件付き/別料金/対象外/不明」と、時間・回数・面積・写真数等の上限を一緒に書き、不明を含むへ読み替えません。

表:要件ID、必須作業・頻度、自主管理、候補Aの区分・上限、候補Bの区分・上限、不足・質問、採用担当
要件ID必須作業・頻度自主管理候補Aの区分・上限候補Bの区分・上限不足・質問採用担当
R-01外観・月1回+臨時条件可/不可と代替担当含む・月1回30分等条件付き・面積上限等災害後は別料金か未定
R-02室内・月1回可/不可と代替担当対象外含む・月1回60分内等全室か、未確認の扱い未定
R-03異常速報・当日担当と連絡順不明含む・発見後2時間等夜間・休日の扱い未定

現地で何を見るか、安全上どこで止めるかは空き家管理チェックリストを使ってください。本記事では点検方法を繰り返さず、そのチェック項目を「誰が、いくらで、どの証拠まで担当するか」へ変換します。

空き家管理サービスは4種類に分けて比べる

「空き家管理」という言葉には、少なくとも次の4種類が混在します。

表:種類、主な内容、含まれるとは限らないもの
種類主な内容含まれるとは限らないもの
A. 外観観察・報告道路・敷地から外壁、屋根、塀、庭、郵便等を目視し写真報告入室、換気、通水、草刈り、修繕
B. 室内管理鍵を預かり、室内目視、通風、通水、簡易清掃等設備診断、雨漏り修理、家財処分
C. 防犯・機械警備センサー監視、異常信号の受信、条件に応じた警備員対応月次の建物管理、換気、通水、草刈り
D. スポット作業草刈り、剪定、除雪、清掃、残置物整理、修繕等定期巡回、継続報告、鍵管理

「異常を見つけて報告する」と「異常を直す」は別です。「緊急対応」も、所有者の依頼後に数営業日以内で見回るもの、事業者判断で災害後に巡回するもの、センサー検知後に警備員が対応するものを分けます。

2026年8月確認:公式の公開料金例を年額に直す

次は、2026年8月25日に事業者自身の公式ページで確認できた税込の公開料金例です。全国平均、相場、おすすめ順位ではありません。 対象地域、物件状態、面積、契約条件、作業時間等により利用できない・料金が変わる場合があるため、申込前に公式ページと個別見積りを確認してください。

表:公式公開例、公開されている基本内容、月額、単純年額、比較時の主な注意
公式公開例公開されている基本内容月額単純年額比較時の主な注意
日本郵便「郵便局の空き家みまもり」(新しいタブで開きます)戸建て向け。月1回の外観等の確認と写真報告(写真最大5枚)4,280円51,360円通風・通水、投函物送付、臨時見回り、草刈り等は別条件・別料金
日本空き家サポート「ライト」(新しいタブで開きます)一戸建て専用。月1回、屋外のみ、約30分の公開プラン5,500円66,000円室内の通風・通水は含まない。対象地域・面積等の条件を確認
日本空き家サポート「スタンダード」(新しいタブで開きます)一戸建て専用。月1回、屋外・室内、約60分の公開プラン11,000円132,000円実施できる作業は現況、安全、設備等の条件を確認
日本空き家サポート「スタンダードプラス」(新しいタブで開きます)一戸建て専用。月2回(屋外・室内の回と屋外の回)の公開プラン14,300円171,600円各回の作業範囲が同じではない。150㎡超等は個別確認

上表の4例はいずれも戸建て向けです。マンションの管理料金へそのまま流用しません。日本空き家サポートの各プランは、海外転送を除く国内の郵便物転送費を月額に含むと案内しています。同社の緊急無料点検は事業者基準で発動し、安全確保後に行うもので、利用者の依頼で行う日本郵便の臨時見回りとは別条件です。

日本郵便の公式ページでは、基本サービスに加え、通風・通水が月5,000円、投函物送付が月800円、臨時見回りが1回3,000円と公開されています。草刈りや不用品整理は個別見積りです。

同社の公開価格だけで構成例を計算すると、次のようになります。

表:構成例、計算、公開価格による年額
構成例計算公開価格による年額
外観等の基本のみ4,280円×12か月51,360円
基本+毎月の通風・通水(4,280円+5,000円)×12か月111,360円
基本+通風・通水+毎月の投函物送付(4,280円+5,000円+800円)×12か月120,960円
上記+臨時見回り2回の想定年120,960円+3,000円×2回126,960円

ここで分かるのは「相場」ではなく、月4,280円という表示だけを見ても、室内管理や郵便、臨時訪問まで必要なら年額は変わるということです。反対に、室内へ入る必要がなければ、不要な作業を加えない判断もできます。

年間総額を4つに分けて計算する

料金表は、次の4つに分けると比較しやすくなります。

1. 平常年の年間費用

平常年の年間費用 = 月額基本料×支払月数 + 1回単価×予定回数 + 定額オプション×月数 + 従量オプション単価×予定回数 + 出張・遠隔地加算 + 郵送・処分・資材等の実費 + 所有者側に残る訪問費 + 管理作業に必要な光熱費

管理会社へ委託しても、年に1回は所有者が現地へ行く、修繕の立会いは家族が行う等の費用が残るなら加えます。

2. 初年度費用と初年度に必要な現金

初年度費用 = 初年度に帰属する基本料・オプション・実費 + 返還されない初期現況確認費・工事費

初年度の現金支出総額 = 初年度費用 + 初年度末時点で未返還の保証金・預託金

契約開始時に必要な現金 = 返還されない初期費用 + 契約時点で前払いする基本料・オプション + 保証金・預託金

返還予定の保証金は費用ではありませんが、契約中に使えない現金です。前払いした基本料・オプションは初年度費用にも含まれるため、初年度費用へ前払金をもう一度加えません。「費用」「初年度の現金支出」「契約開始時に用意する現金」を分けます。

3. 災害・緊急対応を含む想定年

臨時訪問の回数を勝手な確率で平均化せず、次の2本を作ります。

  • 通常年:臨時訪問0回
  • 想定年:台風後等の臨時訪問1回または2回

大きな修繕額を管理料に混ぜるのではなく、「異常発見後に別見積り」として分けます。

4. 解約年度

解約年度の費用 = 解約日までの基本料 + 予告不足分・違約金 + 最終巡回 + 警備機器等の撤去 + 鍵・記録の返送 + 後任への引継ぎ

契約前に金額が決まらない項目は0円にせず「未確認」とします。ただし、発生するか分からない解約料を初年度の支払総額へ勝手に足す必要はありません。通常予算条件次第で発生する負担を分けます。

コピーして使う年間費用表

候補|税込月額|支払月数|1回基本料・回数|返還なし初期費|返還予定保証金|室内管理|草木・除雪|臨時訪問|地域・交通加算|郵送・処分・資材|事業者支払小計|所有者負担光熱費|所有者側の残存交通費|比較用平常年総額|更新・解約条件|初年度費用|初年度現金支出総額|契約開始時必要現金|確認日・見積番号

請求項目は1行に1回だけ入れます。たとえば通風・通水が基本料に含まれるなら、オプション欄へ重ねて計上しません。

税、所有者の火災保険、大規模修繕等を含む保有全体の年額は、空き家の年間維持費を計算する方法で別に集計してください。そちらへ移すときは、管理会社へ支払う基本料・オプション・事業者の出張実費等だけを「空き家管理サービス委託」へ入れます。所有者が直接支払う電気・水道等は光熱費欄、所有者自身の交通・宿泊費は自主管理の交通費欄へ入れ、本記事の比較用平常年総額を一つの管理費として転記しません。

自主管理も「現金」と「時間」を分けて年額化する

自主管理を0円とすると、委託との比較を誤ります。現金支出と時間を別々に計算します。

自主管理の年間現金支出 = (往復交通費+高速・駐車+宿泊費)×予定訪問回数 + 管理資材・消耗品 + 草刈り等の別発注 + 管理に必要な光熱費 + 臨時訪問シナリオ費

年間拘束時間 = (往復移動時間+現地作業時間+報告整理時間)×予定訪問回数 + 異常対応・業者調整時間

時間を無理に時給換算しなくても構いません。「年間48時間なら続けられるか」「本人が行けない12月の代替はいるか」のように、金額と別の判断材料にします。

たとえば、あくまで計算例として、往復交通・駐車が4,500円、現地作業と移動・記録が4時間、月1回、資材が年間12,000円なら、通常年は現金66,000円、拘束時間48時間です。草刈り、宿泊、臨時訪問、管理に必要な光熱費があれば別に加わります。これを外観のみ月5,500円の年66,000円と比べても、作業範囲が同じとは限りません。室内、郵便、異常時対応、写真報告の有無までそろえて初めて比較できます。

見積書は「管理一式」のまま受け入れない

候補ごとに、次がそろうまで見積り状態を「確認中」にします。

  • 対象住所、建物、敷地、面積、現況
  • 作業箇所、内容、頻度、1回の時間・数量上限
  • 含む作業、条件付き、対象外、別料金
  • 税込・税別、課金開始日、支払月数
  • 初期費、保証金、前払金、出張・地域加算
  • 郵送、廃棄、資材、駐車等の実費
  • 災害・臨時訪問の発動者、対象、時期、範囲、料金
  • 修繕等を発注できる金額上限と事前承認方法
  • 再委託する作業と事業者
  • 見積有効期限と価格改定条件
  • 契約期間、自動更新、更新拒絶期限、解約予告、違約金
  • 見積番号、版、確認日

「月1回管理一式」「緊急時対応可」だけでは、見積りを完了にしません。月1回でも、何分、どこまで、未実施時はどうなるかが必要です。

契約書で確認する14項目

国土交通省の空き家管理受託ガイドライン(新しいタブで開きます)は、業務内容・頻度、報酬、再委託、責任、業務報告、契約期間、更新・解除、個人情報、家財等を契約で明らかにする考え方を示しています。管理委託契約書の例(新しいタブで開きます)も確認資料になります。

ただし、これらは参考資料です。国の認定業者を示すものでも、全国一律の法定料金・報告期限・解約期間を決めるものでもありません。

所有者が、事業としてまたは事業のために契約するのではなく、個人として契約する場合は、消費者契約法(新しいタブで開きます)が適用されることがあります。事業者の債務不履行・不法行為による賠償責任を全部免除する条項や、故意・重過失による責任を一部免除する条項は無効となり得ます。解約料も、同種契約で通常生ずる平均的な損害を超える部分が無効となる場合があります。適用関係や金額は個別事情で変わるため、疑問があれば消費者ホットライン188等へ確認してください。

表:確認項目、書面で決めること
確認項目書面で決めること
1. 対象建物、敷地、付属建物、庭、郵便、家財等の範囲
2. 作業外観、室内、換気、通水、清掃等の具体的内容
3. 回数・時間月何回、1回何分、延期・未実施時の扱い
4. 報告写真、未確認、前回差、通常報告期限、異常速報
5. 料金基本、オプション、実費、追加承認、価格改定
6. 鍵本数、識別、保管、複製、貸出、紛失、返却
7. 再委託対象作業、事業者、鍵・個人情報、元受託者の責任
8. 緊急時発動条件、接近時期、連絡順、支出上限、安全中止
9. 修繕等無断発注できる範囲、相見積り、完了確認
10. 責任・免責受託者が責任を負う場合と契約対象外
11. 賠償責任保険対象業務、限度額、免責、鍵、再委託、自然災害
12. 期間・更新始期・終期、自動更新、更新拒絶期限
13. 解約中途解約の予告、費用、最終巡回、精算
14. 終了・引継ぎ鍵、写真、問題記録、機器、預託金、後任への受渡し

見積書と契約書で作業、回数、金額が違えば、契約書へ署名せず、両方の改訂版をそろえます。口頭説明や広告画面は、後で確認できるよう日付と保存先を記録してください。

鍵と再委託は本数・使用者・返却まで追う

国土交通省の参考契約書には、鍵を複製しない、必要な場合以外は持ち出さない、契約終了後に返却する、再委託先に管理させる場合は所有者の事前承諾を得る、といった条項例があります。これは全国一律の鍵保管法令ではなく、契約で確認する基準です。

鍵台帳は次の状態で追います。

鍵の状態は、所有者保管 → 引渡し予定 → 鍵番号・本数照合済み → 事業者保管中 → 作業者へ一時貸出 → 事業者へ返却 → 契約終了時に所有者へ返却照合済みの順で記録します。

受領書には、物件、鍵の種類、識別番号、本数、引渡し日時、引渡者、受領者、保管方法、複製禁止、例外時の所有者の事前承諾、例外で複製した本数、返却・廃棄方法、紛失時連絡、返却期限を記載します。鍵番号・住所が一緒に外から見える保管方法も避けます。

本数不一致、無断複製、未承認の再委託先への貸出、紛失、解約後未返却があれば、新しい貸出と入室を止めます。最後に一致した日時、使用者、照会担当・期限、錠交換の判断を問題記録へ残します。問題記録とは、異常ごとに観察事実、中止範囲、担当、期限、証拠、再確認日をまとめる記録です。

「緊急対応」「24時間対応」の中身を分ける

24時間対応と書かれていても、電話や機械の受付が24時間なのか、警備員が条件に応じて出動するのか、管理担当者が現地へ行くのかは別です。次を契約前に聞きます。

  • 自動発動か、所有者の依頼制か、事業者判断か
  • 地震、台風、大雨、積雪、警報、近隣連絡のどれが対象か
  • 警報・道路危険の解消後、何営業日以内を目安とするか
  • 屋外からの目視か、室内も含むか
  • 写真、未確認理由、速報と通常報告の期限
  • 夜間・休日、出張費、1回料金
  • 到着不能時の連絡と代替確認
  • 応急措置や修繕の手配まで含むか
  • 所有者と連絡が取れないとき、いくらまで発注できるか
  • 危険なときに接近・入室しない停止条件

管理サービスは消防、警察、ライフライン事業者、修繕業者の代替ではありません。警報中、道路閉鎖中、倒壊や感電等の危険があるときに現地へ向かうことを契約条件にしません。

管理会社の賠償責任保険と所有者の火災保険は別

管理会社が賠償責任保険へ加入していても、空き家のあらゆる損害が補償されるわけではありません。一般に確認するのは、管理作業に関連して賠償責任が生じ、保険条件を満たす場合の補償です。

契約前に、対象業務、対人・対物の限度額、免責金額、自然災害、鍵紛失、再委託先、年間限度額を確認します。台風、地震、洪水、盗難、自然劣化が当然に対象になるとは扱いません。

また、管理会社の保険は所有者が建物について契約する火災保険等の代わりではありません。空き家になったことの通知要否や補償条件は契約ごとに異なります。空き家の火災保険を確認する手順で、保険証券、契約者・被保険者・所有者、現在の利用状況を整理し、契約継続の可否、補償範囲、免責、更新条件を保険会社または代理店へ確認してください。

初回報告を検収して、初期運用確認を完了する

契約開始日・課金開始日は契約書で明確にします。そのうえで、サイト上の進行管理では、契約開始後も、鍵受領書、初回基準写真、初回報告、次回日を確認するまで「初期運用確認中」とし、確認後に「初期運用確認完了」とします。国土交通省の契約前現況確認方法の例(新しいタブで開きます)には、門扉・侵入、建物の傾き、窓・外壁・屋根・雨樋、塀・擁壁・庭木・ごみ、郵便、電気・ガス・水道、室内各室、排水、臭い・害虫等の確認欄があります。

これは契約前の状態を双方で記録する参考様式であり、建築士による構造診断や設備の安全証明ではありません。そのうえで、初回報告を次の表で受け入れます。

表:検収欄、必要な内容
検収欄必要な内容
実施予定日、実施日時、実施者、天候
必須地点地点ごとの確認済み・未確認と理由
比較基準初回の固定画角写真、次回から比べる対象
作業実施した換気・通水・清掃等と、実施しなかった理由
鍵・設備貸出・返却本数、開始時・終了時の設備状態
異常観察事実、速報日時、立入・操作停止範囲
次の対応問題担当、期限、受付・見積り等の証拠
次回次回予定日、予定を早める臨時条件

検収状態は「受領」「確認中」「受入完了」「修正依頼」「安全保留」「問題記録へ移行」に分けます。メールが届いただけでは受入完了にしません。

報告を受領したら、検収担当と確認期限を記録します。修正依頼では、不足地点、必要な写真・記録、再提出担当、再提出期限を残します。期限までに補完されない場合は、該当地点を未確認のまま「安全保留」とし、初期運用確認完了にはしません。異常がある場合は、観察事実、中止範囲、担当、期限、証拠、再確認日を持つ問題記録へ移します。

国土交通省の参考契約書には、作業後1週間以内に報告する記載例がありますが、全国一律の法定期限ではありません。異常を知ったときの速報と通常報告の期限を、自分の契約で決めます。

架空3社を同じ条件へ直す比較例

次は計算方法を示すための、すべて税込の架空例です。実在会社の料金ではありません。

必要仕様を「月1回の外観・室内・換気・通水・写真報告、郵便物の月1回送付、臨時訪問2回」とします。

表:候補、表示月額、不足を補う費用、初期・地域費、初年度・臨時2回の想定総額、判定
候補表示月額不足を補う費用初期・地域費初年度・臨時2回の想定総額判定
A社5,500円(外観・写真報告)室内目視・換気・通水4,400円/月、郵送800円/月、臨時3,300円×20円135,000円仕様は満たす。契約条件を確認
B社11,000円(外観・室内目視・換気・通水・写真報告)郵送・臨時2回込み地域加算1,100円/月145,200円Aより高いが追加発注が少ない
C社8,800円(外観・写真報告)室内目視・換気・通水6,600円×6回、郵送800円/月、臨時4,400円×2初期11,000円174,600円室内が隔月で必須頻度を満たさず比較対象外

A社の計算は、5,500×12+4,400×12+800×12+3,300×2=135,000円です。B社は(11,000+1,100)×12=145,200円です。

C社は金額を計算できても、室内が年6回で「月1回」の必須条件を満たしません。安く補正したり、写真が多いから同等とみなしたりせず、仕様変更の見積りを取り直すか比較対象外にします。

この例ではA社が低額ですが、これだけで採用ではありません。鍵、再委託、異常速報、追加発注上限、解約・返却、初回報告の受入条件が書面でそろって初めて契約候補になります。

解約・売却・管理会社変更は「鍵と記録の引継ぎ」まで行う

管理を止める連絡だけで終了すると、鍵、未解決の雨漏り、次回巡回等が宙に浮きます。解約時は次を完了させます。

  • 最終巡回日と最終報告を確認する
  • 未解決問題と立入・操作停止範囲を一覧化する
  • 次の担当、期限、次回巡回日を決める
  • 鍵番号・本数を返却証で照合する
  • 管理看板、警備機器、預かり物を処理する
  • 報告書、写真、動画を解約前に保存する
  • 未払、前払返金、保証金返還を照合する
  • 光熱、警備、郵便等の関連契約を確認する
  • 後任が記録と次回予定を受領した日時を残す

売却へ移る場合は、遠方から進める担当分担を遠方の実家を売却する方法、売却全体の順序を相続した家を売る流れで確認できます。管理の継続、賃貸、売却を比較し直す場合は家を売る・貸す・残す比較へ戻ります。

契約の終わり方とクーリング・オフ

国土交通省の参考契約書では、中途解約の予告期間や即時解約時の支払月数が空欄のひな型になっています。「全国共通で1か月前」「違約金は必ず1か月分」とは決まっていません。最低契約期間、自動更新、更新拒絶期限、中途解約、最終巡回、鍵返却を個別に確認します。

また、空き家管理サービスは、継続契約というだけで特定継続的役務提供(新しいタブで開きます)の対象になるわけではなく、当然に8日間のクーリング・オフが付くとはいえません。一方、契約方法が訪問販売(新しいタブで開きます)電話勧誘販売(新しいタブで開きます)に該当する場合は、クーリング・オフが適用される可能性があります。

可否はサービス名だけでなく、どこで、どのように勧誘され契約したかで変わります。契約書、申込画面、勧誘日時、やり取りを保存し、判断に迷う場合は消費者ホットライン188(新しいタブで開きます)へ相談してください。

よくある質問

空き家管理サービスの月額費用はいくらですか?

本記事で2026年8月25日に直接確認した公開例では、外観中心の月1回プランに4,280円・5,500円、屋外・室内の月1回プランに11,000円等があります。ただし、これは全国相場ではありません。通風・通水、郵便、草刈り、災害後確認、地域・面積条件等が違うため、必要作業をそろえて年間総額を計算してください。

外観確認だけと室内管理は何が違いますか?

外観確認は、道路・敷地から建物、庭、郵便等の変化を目視して報告するのが中心です。室内管理は鍵を預け、入室条件を満たす場合に室内目視、通風、通水、簡易清掃等を行います。設備の安全診断や修理まで含むとは限りません。

月1回の見回りで十分ですか?

すべての物件に共通する法定回数ではありません。建物状態、地域、季節、周囲への影響、設備、未解決事項、台風等の臨時条件から決めます。回数だけでなく、次回日と臨時訪問の発動条件を契約・管理表へ入れてください。

草刈りや剪定は月額に含まれますか?

外観巡回で草木を観察することと、草刈り・剪定を実施することは別です。基本料内、短時間だけ、別料金、都度見積り、対象外のいずれかを確認します。面積、草丈、樹高、処分、車両、危険箇所も見積条件へ入れます。

台風や地震後の見回りは無料ですか?

当然に無料・即日とは限りません。基本料内、事業者判断、所有者の依頼制、1回料金等があります。対象災害、安全に接近できる時期、訪問期限、屋外・室内の範囲、写真、追加料金を確認します。危険が残る間の現地訪問は求めません。

遠方の空き家でも全国どこでも頼めますか?

全国向けに案内するサービスでも、離島、山間部、進入路、物件状態、面積、現地拠点等で対象外・加算・個別判断になる場合があります。都道府県名だけで判断せず、物件住所と現況を伝えて、訪問可能日と追加費用を書面で確認してください。

シルバー人材センターにも空き家の見回りを頼めますか?

地域によっては、見回り、除草、剪定等を受託しています。ただし、各センターは独立して事業を行っており、作業内容・料金・対象地域は全国一律ではありません。全国シルバー人材センター事業協会の一覧(新しいタブで開きます)等から物件所在地を担当するセンターを確認し、訪問回数、屋内立入り、写真報告、鍵、緊急時、損害時の扱いを問い合わせ、本記事の年間費用表へ入れて比較してください。

売却を依頼した不動産会社に空き家管理も含まれますか?

含まれるとは限りません。国土交通省のガイドラインでは、売買等の媒介とは別に管理委託契約を結び、別の報酬を定める場合が想定されています。仲介を依頼しただけで巡回も行われると判断せず、管理対象、頻度、料金、報告、責任範囲を別途書面で確認してください。

自主管理と管理代行はどちらが安いですか?

物件までの距離、必要回数、室内作業、草刈り、宿泊、本人の時間、代替担当、臨時対応で変わります。自主管理の現金と時間、管理サービスの同じ作業範囲をそれぞれ年額化してください。必要頻度を守れない安い方法は比較対象にしません。

鍵を管理会社へ預けても大丈夫ですか?

預けるだけで安全が保証されるわけではありません。鍵の識別番号・本数、受領書、保管、複製禁止、貸出記録、再委託先への貸与、紛失時連絡、錠交換、解約時返却を契約で確認します。本数が合わない場合は新しい入室を止めます。

管理会社の保険があれば所有者の火災保険は不要ですか?

不要とはいえません。管理会社の賠償責任保険と、所有者が建物について契約する火災保険等は目的・補償条件が違います。管理会社の対象業務・限度額・免責と、所有者契約の空き家時の取扱いをそれぞれ確認します。

管理サービスを頼めば管理不全空家等になりませんか?

保証されません。巡回や報告は変化・不具合の早期把握に役立ちますが、必要な修繕や周辺影響への対応を行わなければ問題は解消しません。自治体から通知が来ている場合は、通常報告に埋めず、対象、期限、担当を分けて自治体へ確認します。

すぐ売る予定でも管理契約は必要ですか?

売却完了までに時間がかかり、現地を確認する人がいないなら、短期間の管理または一部委託を検討します。最低契約期間や解約費が売却予定と合うかを先に確認してください。古家の修繕・現況売却・解体の分岐は古い家は直す・そのまま売る・解体する?で整理できます。

今日決める8項目

この記事を読んだ日に、次の8項目を空欄にしないでください。

  1. 通常管理を始められる状態か、専門対応・安全保留が先か
  2. 外観、室内、換気・通水、郵便、庭、災害後、報告の必須範囲
  3. 自主管理、家族、事業者の担当と代替担当
  4. 自主管理の年間現金・時間と、候補の平常年・初年度・想定年総額
  5. 見積書で未確認・対象外・別料金の項目
  6. 鍵、再委託、緊急時、追加発注、責任・保険、更新・解約の条件
  7. 初回報告の必須写真、未確認、異常速報、受入期限
  8. 次回巡回日、契約見直し日、売却・活用等へ方針を戻す日
表:終わり方、完了条件
終わり方完了条件
自主管理開始必須作業、担当・代替、日程、費用、鍵、臨時条件、初回日がそろう
一部委託の初期運用確認完了自分と事業者の担当に空白がなく、契約開始後の初回報告を受入済み
管理委託の初期運用確認完了契約開始日・課金開始日を記録し、見積・契約、鍵、初回基準写真、初回報告、次回日がそろう
安全保留中止範囲、暫定担当、期限、確認先、次回確認日がある
専門対応先行専門先が受付し、対象、現地日、担当、期限、立入制限がある
契約見送り鍵・資料・預託金を回収し、暫定管理担当と次回日を決める
解約・引継ぎ完了最終報告、未解決問題、鍵、記録、機器・関連契約、未払・前払返金・保証金を照合し、後任が次回予定を受領した日時がある

委託契約の開始日・課金開始日は契約書どおりに記録し、初回報告の受入日へ読み替えません。

空き家管理は、月額を払って終わるサービスではありません。必要な作業を誰が担い、何を証拠として受け取り、異常を誰がいつ判断するかを決める仕組みです。同じ仕様で年額を比べ、初回報告を受け入れるところまで完了させてください。

参照した公的情報

e-Gov法令検索「空家等対策の推進に関する特別措置法」参照日 2026-08-25e-Gov法令検索「消費者契約法」参照日 2026-08-25国土交通省「不動産業者による空き家管理受託のガイドライン」参照日 2026-08-25国土交通省「管理委託契約締結前の現況確認方法の例」参照日 2026-08-25国土交通省「空き家管理受託における管理委託契約書の例」参照日 2026-08-25日本郵便「郵便局の空き家みまもり」参照日 2026-08-25日本空き家サポート「料金・プラン」参照日 2026-08-25全国シルバー人材センター事業協会「空き家管理等を扱うセンター」参照日 2026-08-25消費者庁「訪問販売」参照日 2026-08-25消費者庁「電話勧誘販売」参照日 2026-08-25消費者庁「特定継続的役務提供」参照日 2026-08-25消費者庁「消費者ホットライン」参照日 2026-08-25