実家の査定相談は、家財の片付けや遺品整理、相続の手続きがすべて終わる前であっても始められます。
不動産会社に価格査定を頼む目的は、売るべきかどうかを判断したり、家族で現実的な話し合いをしたりするための情報集めです。法律上の義務が生じる売却契約とは、性質がまったく異なります。ただし、査定相談・媒介契約・売買契約・所有権移転をごちゃ混ぜにすると、親族同士で対立が起きたり、代理権がないのに勝手に進めてしまうトラブル(無権代理)を招いたりします。
まずは「誰に正式な処分権限があるのか」「どの会社にも同じ前提条件を伝えているか」を確かめて、無理のない手順で準備を進めましょう。事前に手元に揃えておきたい書類は、不動産査定の必要書類一覧 で確認できます。
実家売却の手続きと役割の違い
不動産の売却は、査定相談から媒介契約、売買契約、所有権移転へ進みます。東日本不動産流通機構「住まいを売るときの流れ」(新しいタブで開きます)にもあるとおり、価格査定は売却の方針を検討する段階です。査定を頼んだからといって、売らなければならない義務が生まれたり、仲介手数料を請求されたりすることはありません。
| 手続き段階 | 行うこと | 必要な権限・当事者 | 費用の発生・拘束力 |
|---|---|---|---|
| 査定相談 | 物件の情報を提示し、いくらで売れそうか意見や目安を聞く | 所有者本人、家族、相続人の代表者など | 査定は原則として無料。売却の義務はありません |
| 媒介契約 | 不動産会社へ売却活動の仲介を正式にお願いする | 正当な処分権限を持つ権利者、または正式な代理人 | 原則として成約したときの成功報酬(特別に依頼した広告などの実費を除きます) |
| 売買契約 | 買主と売買代金や引き渡し条件を合意して契約書を取り交わす | 本物の権利者(共有物全体の場合は全員の合意)、または正式な代理人 | 手付金のやり取りや、解約時の違約金の取り決めが発生(相続登記が終わっていなくても準備や契約を進める実務はありますが、引き渡しまでに登記が必要です) |
| 所有権移転 | 残りの代金を受け取ると同時に、買主へ名義を移して鍵を渡す | 売主となる権利者全員、または正式な代理人(実印・印鑑証明書・登記識別情報などが必要) | 買主へ名義を移すときまでに、売主名義への登記(相続の場合は相続登記)を完了させておくことが必須です |
親の存命時と相続後で分かれる確認手順
登記や相続などの権利関係が今どうなっているかによって、相談の前に誰と何を確かめるべきかの優先順位が変わります。
親が実家を所有している場合(施設入所や別居を含む)
実家の所有権が親にある場合は、子どもであっても、法律上の正式な委任や代理権がなければ不動産の売却や媒介契約は結べません。
- 親本人の売却意思の有無:自宅を手放すことや、住み替え・施設への入所に合わせて売ることに本人が納得しているかを確かめます。
- 意思能力と代理権の確認:契約などの法律行為を有効に行うには、本人に物事を正しく判断できる「意思能力」が必要です(e-Gov法令検索「民法」(新しいタブで開きます) 第3条の2)。単に判断力が落ちただけで直ちに契約が無効になるわけではありません。しかし、意思能力がない状態で行った契約は無効になります。また、正式な代理権を持たない家族が結んだ契約は「無権代理」(民法第113条)となり、親本人には効果が及びません。本人の判断能力が十分でない場合は、成年後見制度などの利用を検討します。なお、成年後見人が本人の住まい(居住用不動産)を売るには、家庭裁判所の許可が必要です(民法第859条の3)。本人が施設に入って実家が空き家になっていても居住用不動産にあたる場合があるため、後見人を立てたからといって無条件に売却できるわけではありません。
- 家族間での方針の共有:将来相続人になる兄弟姉妹がいる場合、親が元気なうちに実家を売って現金に換えることについて、事前にお互いの気持ちをすり合わせておきましょう。そうすれば、後々の感情的な対立を防ぎやすくなります。ただし、法律上の売却権限を持っているのは、あくまで現在の所有者である親です。
相続が発生している場合(親が他界している場合)
親が亡くなって相続が起きている場合は、遺言があるかどうかや、遺産分け(遺産分割)がどこまで進んでいるかによって、現在誰が所有権を持っているかが変わります。遺言がなく遺産分けも終わっていない段階では、実家は相続人全員で共有している状態です。一方で、遺言や遺産分割協議によって、特定の相続人が一人で受け継いでいる場合もあります。なお、法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」(新しいタブで開きます) にあるとおり、2024年(令和6年)4月1日から相続登記が義務化されました。自分が相続したことを知り、さらにその不動産の所有権を取得したと知った日から3年以内に登記を申請しなければなりません。
- 遺言書の有無:公正証書遺言や自筆証書遺言が残されていないかを探して確かめます。遺言によって財産をもらう人(受遺者)や相続分の指定がある場合、売却する権利を持つ人が法定相続人全員とは限らないためです。
- 相続人の範囲の特定:遺言書がない場合は、亡くなった親(被相続人)が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本などを取り寄せて、法律上の相続人が誰なのかを漏れなく確定します。
- 遺産分割の進行状況:遺産分割協議がまだまとまっていない共同相続の状態であっても、相場を知るための査定相談なら進められます。ただし、実際に売却して買主に引き渡すには、遺産分割協議や遺言書に沿って正式な権利者を決め、相続登記を終わらせておく必要があります。手続きの流れは、実家の売却前に相続登記を急ぐべき理由 で詳しく解説しています。
実家の査定前に整理する5つの確認カード
どの不動産会社にも正確な条件を伝え、査定結果のブレをなくすために「5枚の確認カード」として手元の情報を整理しておきましょう。
カード1:所有者・共有持分・相談者の権限
国の登記記録を確かめて、現時点で誰の名義になっているかを調べます。
- 登記名義の確認手段:近くの法務局の窓口や郵送、オンライン請求で「登記事項証明書」を取得します(法務局「登記事項証明書、地図・図面証明書を取得したい方」(新しいタブで開きます))。または、登記情報提供サービス「提供を受けることができる登記情報」(新しいタブで開きます) を使い、インターネット上で最新の登記情報を確認することもできます。
- 土地と建物の名義の不一致:実家では「土地は祖父の名義のままで、建物だけが亡くなった父の名義になっている」といったケースがよくあります。そのため、土地と建物の両方について登記事項を確認してください。
- 共有名義の制約:民法の規定(e-Gov法令検索「民法」(新しいタブで開きます) 第251条)により、共有している物全体を処分するには、共有者全員の合意が必要です。持分の過半数の賛成や多数決だけで、実家全体を売却することはできません。共有不動産を売却するときのルールは、共有名義の実家を売却する注意点 にまとめています。
カード2:立入り承諾・鍵の所在・安全状態
不動産会社が現地を調査したり、部屋の中を見学したりできる状態かどうかを把握します。
- 立入りの正当な承諾:手元に鍵があることと、家の中に立ち入る法律上の権限があることは別の問題です。親が住んでいる場合はもちろん、施設に入所している場合や空き家であっても、現在の所有者や居住者、借りている人などから正式な承諾をもらう必要があります。承諾を得ていない段階で、勝手に室内の調査を依頼してはいけません。まだ承諾が取れていないときは、公的な資料や建物の外観写真だけで調べる「机上査定」から始めましょう。
- 鍵の所在と立会い調整:親、相談者本人、遠くに住む親族、管理を頼んでいる知人など、誰が鍵を保管しているかを明確にします。実家が遠くて現地に立ち会うのが難しい場合の進め方は、遠方の実家を売却する進め方 を参考にしてください。承諾や鍵の手配状況に応じた査定形式の選び方は、机上査定と訪問査定の違い で解説しています。
- 空き家の安全確認:長い間放置された空き家には、床が腐食していたり、雨漏りで天井が落ちてきたり、スズメバチの巣や害獣、ひどい臭いがあったりする危険が潜んでいます。危なそうだと感じたら無理に中に入ってはいけません。不動産会社へ事前に状況を伝えて外観のみの確認にとどめるか、専門家と一緒に安全対策をとったうえで調査しましょう。
カード3:居住状況・家財の量・建物の不具合
建物の今の様子と、買い手に引き渡すときの状態に関する希望を整理します。
- 現在の利用状況:「親が一人で住んでいる」「親が施設に入って空き家になった」「完全に空き家になっている」「物置として使っている」など、現在の区分をありのまま伝えます。
- 残置物(家財)の処分方針:家具や生活用品をそのまま残して引き渡す「現状渡し」を希望するのか、それとも売主側ですべて撤去してから引き渡すのかを決めます。判断の手順は、家財道具が残ったまま実家を売る方法 を参照してください。
- 把握している建物の不具合:過去の雨漏り、シロアリの被害、給水管や排水管の詰まり・水漏れ、床の大きな傾き、設備の故障をメモしておきます。不動産適正取引推進機構「不動産売買の手引」(新しいタブで開きます) でも示されているとおり、不具合を隠して売却すると契約不適合責任を問われるため、査定の段階から不動産会社へ包み隠さず告知します。
カード4:所在地・土地建物の基本情報
物件の客観的な基本情報を揃えます。一戸建て特有のチェック項目は、一戸建て査定で見られるポイント に整理されています。
- 物件所在地:普段郵便物などで使う住所(住居表示)と、登記事項証明書に書かれた地番(登記地番)の両方を確認します。
- 土地と建物の規模:登記簿に載っている土地の面積(公簿面積)、建物の延床面積、構造(木造・鉄骨造など)、建てられた時期(築年数)を調べます。
- 境界標と道路の状況:お隣との境目を示す目印(境界標)がすべて確認できるか、そして敷地が建築基準法で定められた幅4メートル以上の道路に2メートル以上接しているか(接道状況)を確かめます。
- 参照可能な公的情報:地域の取引価格相場や地価の目安を事前に知りたい場合は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」(新しいタブで開きます) を利用すると、周辺の成約価格情報や地価公示・用途地域の指定状況を誰でも無料で閲覧できます。
カード5:希望時期・売却方式・未確認事項
相談する時点での売却の動機や、希望するスケジュール感を整理します。
- 売却希望時期:相続税の申告や納税が必要で、その資金に充てたい場合は、国税庁 No.4205「相続税の申告と納税」(新しいタブで開きます)が示す申告期限(相続が始まったことを知った日の翌日から10か月以内)を意識した計画を立てます。ただし、すべての相続不動産に「10か月以内に売らなければならない」という義務があるわけではありません。「1年以内に売りたい」「時期は決めていないが、まずは相場を知りたい」など、各家庭の事情に合わせた希望時期をはっきりと伝えます。
- 売却方式の希望:市場で一般の買主を探す「仲介」がよいのか、不動産会社が直接買い取る「買取」がよいのか、あるいは両方の価格差を知りたいのかを指定します。
- 現時点の未確認事項:境界標の位置が分からない、遠方に住む共有者の承諾状況が確認できていないなど、現時点で判明していない要素は推測で埋めず、「未確認」とはっきり明記します。
片付け・修繕・解体を査定前の必須条件にしない判断基準
「実家を売るなら、事前に家財をすべて処分し、修繕や解体をして更地にしてから査定に出すべきだ」と思い込む必要はありません。詳しい検討手順は、片付け前の実家を査定に出す手順 で確認できます。
- 片付け(遺品整理・不用品回収):査定の段階では、家財が残っていても価格を計算できます。不動産会社によっては残置物の撤去業者を手配してくれたり、家財を残したままの現状買取プランを提示してくれたりするため、見積もりを比較してから片付け費用を支出しても遅くありません。
- リフォーム・修繕:中古戸建ての買主には「自分好みにリノベーションしたい」「購入費用を抑えたい」という需要が多くあります。売主が自己判断でお金をかけてリフォームしても、その全額を売却価格に上乗せして回収できる保証はありません。
- 解体(更地化):住宅が建っている敷地には、固定資産税の計算の元になる金額(課税標準)を減額する住宅用地の特例(小規模住宅用地では住宅1戸当たり200平方メートルまでの部分について課税標準が6分の1になります)が適用されています(e-Gov法令検索「地方税法」(新しいタブで開きます) 第349条の3の2)。建物を解体して、更地のまま毎年1月1日の賦課期日を迎えるとこの特例から外れてしまい、土地の固定資産税の課税標準が上がって税負担が増加するリスクがあります。特例の適用関係や解体の時期については、実家がある自治体の窓口へ確認が必要です。また、古い家が付いた土地として購入を検討している買主の選択肢から外れてしまう点にも注意しましょう。
各社へ同一条件を渡す査定依頼メモの実務文例
複数の会社へ査定を依頼する際、伝える情報がバラバラだと、提示された査定額を横並びで比べられなくなります。以下の項目を記載したメモを作成し、どの会社にも同じ内容を渡すようにしましょう。
【実家査定用 共通ヒアリングメモ】
1. 物件情報
- 所在地:〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号(地番:〇番〇)
- 土地公簿面積:〇〇.〇〇平方メートル
- 建物床面積:〇〇.〇〇平方メートル(構造:木造2階建、建築年:1985年)
- 現在の登記名義人:亡父(相談者との関係:長男)
2. 権利および関係者の状況
- 相続人の構成:長男(相談者)、長女(妹)の計2名
- 家族間の合意状況:売却検討について妹と合意済み、詳細条件は査定額を見て決定
- 相続登記の状況:未了(遺産分割協議書作成に向けて準備中)
3. 現地および建物の状態
- 居住状況:空き家(退去後6ヶ月経過)
- 室内立入りの承諾:所有者(相続人全員)から調査の承諾取得済み
- 鍵の管理と立会い:長男が保管中。立ち会いは土日祝で調整希望(承諾未了・立会い不可の場合は外観査定を希望)
- 残置物:大型家具・生活用品が室内に残存(現状引き渡し、または売主撤去の双方で見積希望)
- 把握している不具合:1階和室天井に約5年前の雨漏り跡あり(修繕履歴なし)
4. 売却条件・希望事項
- 希望売却時期:1年以内の売却完了を希望
- 希望方式:仲介査定価格と、早期現金化時の買取査定価格の双方を提示希望
- 未確認事項:隣地との境界標の有無、給排水管の埋設状況は現時点で未確認査定結果を比較する5つの評価軸
査定書を受け取ったら、提示された金額が高いか低いかだけで判断せず、その根拠と前提条件を比較します。提示金額の性質については、査定価格と売出価格・成約価格の違い で詳しく解説しています。
国土交通省「価格査定マニュアルについて」(新しいタブで開きます) や 不動産流通推進センター「価格査定マニュアル」(新しいタブで開きます) が示す計算方法では、査定価格について「対象の不動産が、通常想定される市場においておよそ3ヶ月程度で売れると見込まれる価格」と位置づけています。ただし、これは業界マニュアルにおける一つの標準的な目安であり、すべての会社に義務付けられた絶対的な定義ではありません。実際の査定では、各社がどのような販売期間を想定してその価格を出したのかを確認することが大切です。
- 提示金額と想定販売期間:他社と比べて極端に高い価格や低い価格が出ている場合、金額だけでなく各社が設定した「想定販売期間」を確認します。高い査定額であっても長期の販売を前提にしている場合や、根拠のある需要を見込んでいる場合もあるため、期間と金額のバランスを見極めます。
- 価格算出の合理的根拠:近隣で最近売れた取引事例や市場の動向、建物の老朽化やお手入れの状態が、客観的に加点・減点されているかを確かめます。
- 前提条件の費用分担:家財道具の処分費用、お隣との境界を確定する測量費用、建物の不具合を直す修繕費用などが、売主負担と買主負担のどちらを前提に計算されているかを読み取ります。
- 未確認事項の織り込み方:境界標の位置が不明な点や雨漏りの履歴に対して、あらかじめ概算費用を差し引いているのか、それとも後から精算する前提なのかを確認します。
- 販売計画と見直し方針:想定した期間内に購入希望者が現れない場合、どの段階で価格の見直しや広告戦略の変更を行うのか、具体的な販売計画を提示しているかを評価します。
家族の意見が割れている場合の停止線
処分の方針をめぐって家族の意見が割れている場合は、「法律上の処分権限が誰にあるか」という点と、「家族間の感情的な合意形成」を分けて整理します。
- 必要な処分権限の合意が欠けるときは媒介契約を停止する:実家を共同相続人全員で共有している場合、民法第251条のルールにより、共有物全体の処分には共有者全員の合意が必要です。一部の共有者が売却に反対している状態や、遺産分割が終わっておらず処分する権利者が決まっていない段階では、媒介契約の締結へ進んではいけません。買主が見つかっても売買契約や引き渡しを行えず、買主や仲介業者との間で損害賠償などのトラブルに発展する恐れがあります。
- 権利の所在と家族間の調整を区別する:親が単独で所有している実家や、遺言・遺産分割協議によって単独の所有者が決まっている場合、法的な売却権限はその所有者本人にあります。所有権を持たない兄弟姉妹に法的な拒否権があるわけではありません。しかし、事前の相談なしに売却を進めると、将来の遺産分割や親族関係に深い亀裂を残す原因になります。法的な手続きを止める基準とは区別したうえで、丁寧な対話を重ねることが大切です。
- 感情論ではなく客観的な数字で共有する:売却するか残すかで議論が平行線をたどる場合は、「毎年の固定資産税・都市計画税の額」「火災保険料や庭木の剪定費用」「建物の修繕積立」「現状の査定額」を一覧表にまとめましょう。実家を維持し続けた場合の経済的な負担を数字で示すことで、家族全体が客観的に現状を共有できます。
専門家へ相談する際に揃える書類と質問項目
不動産会社とは別に、登記などの法的手続きや税務について専門家へ相談する場合は、手元にある資料を整理して相談に臨みます。初回の相談ですべての公的書類が揃っている必要はありません。
司法書士や土地家屋調査士へ相談する場合(登記・相続手続き)
- 手元にあれば持参する書類:実家の登記事項証明書(または登記情報)、固定資産税の納税通知書(課税明細書)。手元にあれば被相続人の戸籍謄本や法定相続情報一覧図、相続人の住民票なども持参します(初回相談の段階で全員分が揃っていなくても相談可能です)。
- 相談で確認する質問:「現在の権利関係からみて、相続登記に必要な書類や手続きは何か」「相続人の一部と連絡が取れない場合、法的にどう対処すればよいか」。なお、増築したのに登記していない部分があるときは、実際の建物の状況を反映させる「建物の表題部変更登記」を土地家屋調査士が担当し、権利に関する登記は司法書士が担当します。そのため、両者がどう連携して進めるのかや、費用の目安を確認しておきましょう。
税理士へ相談する場合(譲渡所得税・相続税)
- 手元にあれば持参する書類:不動産会社から提示された査定書、実家を取得した当時の売買契約書や領収書(いくらで買ったかという取得費が分かる資料)、相続税の申告書の控え(相続税の申告をすでに済ませている場合)。
- 相談で確認する質問:「売却時に使える特別控除(被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除など)の適用要件を満たしているか」「親が施設に入所していた場合でも、居住用財産の特例を受けられるか」「売却代金を相続人間で配分する際、税務上の注意点(贈与税が課税されるリスクなど)はあるか」。
分からない項目は推測せず「未確認」として渡す
査定の準備において、最初からすべての情報を完璧に揃える必要はありません。まずは「確認済みの事実」と「まだ分かっていない不確定要素」をはっきりと切り分けましょう。
境界標の有無や建物の隠れた欠陥、家族の承諾状況などを推測で「問題ありません」と伝えてはいけません。後から条件の変更や査定額の予期せぬ減額を招き、売却計画が混乱する原因になります。分からない項目は率直に「未確認」として伝えることで、不動産会社側も現地調査や公的資料を調べる際に、どこを重点的に確認すべきかを正しく把握できます。
