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空き家の固定資産税はいつから・いくら上がる?6倍の意味と解体前の確認手順

親の家が空き家になっただけで、固定資産税の総額が6倍になるわけではありません。6分の1は、小規模住宅用地の土地の課税標準の割合です。税の扱いは、1月1日時点の住宅用地の判定や勧告の有無、解体・建て替えの状況で変わるため、土地と家屋の内訳を市区町村に確かめます。

まだしないこと

税金だけを理由に危険な家を残したり、解体後の税額を確かめないまま解体を急いだりしないでください。

まずすべきこと
  1. 最新の納税通知書と課税明細書を探し、土地と家屋の税額を分けて書き出す
  2. 空き家について市区町村から届いた文書がないか、親あての郵便物を確かめる
  3. 資産税の担当に、住宅用地の区分と解体した場合の次の年度の見込み額を聞く

このページで決めること今の税額と解体後の税額を土地・家屋に分けて比べ、勧告や1月1日の状態をふまえて、残すか解体するかを考える材料がそろいます。

所有者が空き家の固定資産税と住宅用地特例・自治体からの勧告を確認する様子
公開日 2026年8月25日最終更新日 2026年10月6日法令・制度確認日 2026年10月6日執筆・編集 住まいのよりみち編集部読了目安 16分
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親が住んでいた家が空き家になると、「固定資産税が6倍になる」という話が気になるものです。けれども、6倍が何の数字で、いつ税額が変わるのかは、あまり知られていません。課税明細書(納税通知書に付いている税額の内訳)が手元にあれば、自分の家に当てはめて確かめられます。

60秒版:空き家の固定資産税が変わる4つの場面

要点・確認表(開閉できます)

空き家の固定資産税は、住まなくなっただけで今の納付額の6倍になるわけではありません。税額が大きく変わるのは、住宅用地特例(家が建つ土地の税を軽くする仕組み)が外れたときです。

特例が外れるかどうかは、次の4つのどれに当たるかで分かれます。基準の日は毎年1月1日です(出典:東京都主税局。参照資料の一覧へ移ります)。

表:今の状況、税への影響、まずすること
今の状況税への影響まずすること
住まなくなっただけ適切に管理され、住宅用地と認められる状態なら、特例は原則続く課税明細書で土地と家屋の税額を分けて見る
市区町村から文書が届いた指導だけでは、勧告による除外にならない。勧告を受けたまま1月1日を迎えると土地の特例が外れる文書が指導か勧告かを担当課に聞く
解体を考えている解体後に迎える1月1日を基準にした年度から、土地の特例が外れ、家屋の税はかからなくなる解体した場合の次の年度の見込み額を聞く
解体した後その年度の家屋の税は1年分かかり、月割りでは戻らない取り壊しの登記や届出と、自治体独自の軽減を確かめる

表の「勧告」は、市区町村が改善を求めて出す正式な通知です。「住宅として使える状態」かどうかは、建物の構造や今後の使われ方もふまえて判断されます(出典:国土交通省 空家ガイドライン。参照資料の一覧へ移ります)。どの場合も、税額の見込みは所在地の市区町村で確かめてください。

計算例:解体すると、いつから・いくら上がる?

計算例として、土地の固定資産税だけを次の条件で求めます(想定の例)。敷地200㎡の一戸建てで、敷地全体が住宅用地特例の対象です。土地の評価額は600万円のまま変わらず、税率は1.4%、自治体独自の減免はないものとします。2026年中に解体を終え、2027年1月1日に家がない場合です。

表:年度、土地の課税標準額、土地の固定資産税
年度土地の課税標準額土地の固定資産税
2026年度(特例あり)600万円×6分の1=100万円年14,000円
2027年度(特例なし)600万円×70%=420万円(想定)年58,800円

この条件では、2027年度から土地の固定資産税が年44,800円増え、およそ4.2倍になります。6倍にならないのは、特例が外れた土地の課税標準額を、評価額の70%(上限)までにおさえる仕組みがあるためです(出典:鹿屋市 特例の解除。参照資料の一覧へ移ります)。評価額の全額を6分の1の100万円と比べれば6倍ですが、420万円までなので4.2倍です。

この金額は、課税標準額が上限の70%になると想定した試算です。2027年度の計算のしかたは、市区町村で確かめてください。2026年中に勧告を受け、そのまま2027年1月1日を迎えたときも、土地の特例が外れるのは2027年度からです(出典:行田市 空き家Q&A。参照資料の一覧へ移ります)。

解体した場合は家屋の税がかからなくなるため、土地と家屋の合計の増え方は家ごとに違います。都市計画税がかかる地域では、その分も別に増えます。評価額は3年ごとの評価替え(見直し)で変わり、次の評価替えは2027年度とされています(出典:米子市 固定資産税Q&A。参照資料の一覧へ移ります)。

「6倍」は何が6倍なのか

固定資産税は、3つの金額を順にたどって決まります(出典:東京都主税局。参照資料の一覧へ移ります)。「6倍」を正しく読むには、この3つを分けて見ることが出発点です。

  • 評価額:市区町村が決めた土地や建物の値段
  • 課税標準額:税率を掛ける元の金額。特例などで評価額より低くなることがある
  • 税額:課税標準額に税率を掛けた、実際に納める金額

家が建っている土地は、住宅用地特例で課税標準額が小さくなります。都市計画税(主に市街地の土地や家屋にかかる、もう1つの税)にも同じ特例があります。割合は次のとおりです(出典:国土交通省 地方税法(抄)。参照資料の一覧へ移ります)。

表:土地の区分、対象の部分、固定資産税の課税標準、都市計画税の課税標準
土地の区分対象の部分固定資産税の課税標準都市計画税の課税標準
小規模住宅用地住宅1戸あたり200㎡以下の部分評価額の6分の1評価額の3分の1
一般住宅用地200㎡を超える部分評価額の3分の1評価額の3分の2

敷地が200㎡以下の一戸建てなら、土地の固定資産税の課税標準額は評価額の6分の1です。特例が外れると、この6分の1の割引がなくなります。課税標準額が6倍になると言われるのは、このためです。

つまり6倍は、住宅用地特例の割合だけを比べた、土地の課税標準額の計算上の数字です。家屋(建物)の税には、住宅用地特例は使われていません。住宅用地特例が外れること自体で、家屋の税が増えるわけではないのです。

土地の税額も、そのまま6倍になるとは限りません。特例が外れた後の土地の税額は、土地ごとに個別に計算されるためです。計算には、前の年度の課税標準額などが使われます(出典:大阪市 税負担の調整措置。参照資料の一覧へ移ります)。所在地の税率によっても変わります。

詳しく:特例が外れた年の土地の税額

詳しい説明を開く

特例が外れた土地は、負担調整措置(税額の急な上昇をならす仕組み)を含めて計算されます。上がり方は、土地ごとに違います(出典:大阪市 税負担の調整措置。参照資料の一覧へ移ります)。特例が外れた土地では、前の年度の課税標準額や負担水準が上がり方を左右します。住宅用地でない宅地では、負担水準は、原則として、その年度の評価額に対する前の年度の課税標準額などの割合です。

計算例の70%は、住宅用地でない宅地の課税標準額の上限です(出典:京都市 軽減措置等。参照資料の一覧へ移ります)。0.7を6分の1で割った約4.2倍が、その上限で比べた倍率です。前の年度の課税標準額などによっては、70%より低く計算される年もあります。

一般住宅用地も、特例の割合だけを比べると、課税標準額は計算上3倍になります。また、家の床面積の10倍を超える土地は、超えた部分に特例が使われません(出典:ときがわ町 住宅用地の特例。参照資料の一覧へ移ります)。

税額が変わるのはいつ? 基準は毎年1月1日

固定資産税と都市計画税は、物件がある市区町村が課税します。東京23区では、区ではなく東京都が課税します(出典:東京都主税局 質問と回答。参照資料の一覧へ移ります)。どちらも地方税法に基づく税です(出典:国土交通省 地方税法(抄)。参照資料の一覧へ移ります)。

税額を決める基準の日を、賦課期日(ふかきじつ)といいます。賦課期日は毎年1月1日です。この日に登記簿などで所有者とされている人に、その年度の1年分が課税されます(出典:東京都主税局。参照資料の一覧へ移ります)。

1月2日以降に解体や売却をしても、その年度の税を納めるのは1月1日の所有者です。土地や家屋の状態も、1月1日の時点で見ます。勧告や解体が年末か年明けかで、税が変わる年度が1年ずれます。

税率も所在地によって違います。固定資産税の税率は、標準が1.4%です(標準税率)。

都市計画税は、原則として市街化区域(市街地として整える区域)の土地や家屋にかかります。税率の上限(制限税率)は0.3%です(出典:国土交通省 土地の保有に係る税制。参照資料の一覧へ移ります)。実際の税率は市区町村の条例で決まるため、全国で同じではありません。

都市計画税がかかる区域かどうかや、市区町村独自の軽減があるかも、課税する市区町村で確かめてください。

指導と勧告、固定資産税が変わるのはどっち?

空き家の管理には、空家法(空家等対策の推進に関する特別措置法)の決まりがあります。2023年に施行された改正で、住宅用地特例が外れる空き家の範囲が広がりました(出典:国土交通省 空家法とは。参照資料の一覧へ移ります)。

市区町村が対応する空き家には、次の2つの区分があります。

表:区分、どんな空き家か
区分どんな空き家か
管理不全空家等放っておくと特定空家等になるおそれがある空き家
特定空家等倒壊の危険や衛生上の害など、周りへの悪い影響が大きい空き家

改正前に住宅用地特例が外れる対象は特定空家等だけでしたが、改正後は管理不全空家等も、勧告を受けると特例が外れます。どんな状態がそれぞれに当たるかは、管理不全空き家の判断の例をまとめた記事で確かめられます。

どちらの区分でも、市区町村はまず指導(改善を求める働きかけ)をします。調査や指導だけを理由に、勧告による特例の除外が行われるわけではありません。改善されないと勧告を受け、勧告を受けた空き家の敷地は住宅用地特例から外れます。税に響くのは、勧告を受けたまま1月1日を迎えたときです。

ただし、勧告がなくても特例が外れる場合があります。構造上住宅と認められないなど、今後人が住む見込みがないと市区町村が判断したときです(出典:鹿屋市 特例の解除。参照資料の一覧へ移ります)。勧告がないから特例が続く、とは言い切れません。

判断の目安は、国が示すガイドラインにあります(出典:国土交通省 空家ガイドライン。参照資料の一覧へ移ります)。屋根や外壁の破損、周囲に影響する雑草や害虫の発生などが例です。状態や周囲への影響を合わせて判断されます。家の状態を見て回る順番は、空き家管理のチェックリストにまとめています。

修理をしても、それだけで勧告が取り消されるわけではありません。市区町村が改善を確かめ、勧告を取り下げる手続きが要ります。工事を終えたら、何をどこに報告するかを空き家対策の担当課に聞いてください。

詳しく:空家法の条文と、勧告の後の手続き

詳しい説明を開く

管理不全空家等は、第13条第1項で指導、第13条第2項で勧告を受けます。特定空家等は、第22条第1項で助言・指導、第22条第2項で勧告を受けます。住宅用地特例に直接かかわるのは、どちらも勧告の段階です(出典:国土交通省 空家ガイドライン。参照資料の一覧へ移ります)。

特定空家等は、勧告の後に命令を受けることがあります。命令に従わないと、50万円以下の過料の対象です。さらに、市区町村が所有者に代わって対策をとる代執行もあり、その費用は所有者に求められます。

解体すると空き家の固定資産税はどう変わる?

建物を解体して更地にすると、土地の住宅用地特例は原則として外れます。勧告を受けているかどうかは関係ありません。一方で、解体後に迎える1月1日に建物がなければ、その年度から家屋の税はかかりません。

年内に解体したとき、年明けに解体したとき

解体を終えた日が1月1日の前か後かで、税が変わる年度が次のように分かれます(出典:岐阜市 家屋を解体したとき。参照資料の一覧へ移ります)。

表:解体を終えた日、その年度の税、土地の特例が外れる年度
解体を終えた日その年度の税土地の特例が外れる年度
2026年12月31日まで変わらない原則として2027年度から。家屋の税も2027年度からかからない
2027年1月2日以降住宅用地と認められ勧告もなければ、土地は特例のまま。家屋の税も1年分かかる原則として2028年度から

年の途中で解体しても、その年度の家屋の税が月割りで戻る仕組みではありません。だからといって、倒れそうな家の解体を年明けまで待つのは避けてください。税の時期より、周りの安全が先です。

建て替えの途中や、災害で建物がなくなった場合には、別の決まりがあります(出典:小金井市 建て替え特例。参照資料の一覧へ移ります)。当てはまるときは、市区町村の資産税の担当に確かめてください。

土地と家屋の合計で比べる

解体すると、土地の税は上がりやすく、家屋の税はなくなります。合計が増えるか減るかは、土地の広さや建物の評価額によって違います。解体の前に、今の合計と解体後の見込みを並べて比べてください。

たとえば、次のような場合です(想定の例)。更地のほうが売りやすいと考えて年内に解体を終えたところ、翌年度の土地の税額が上がっていました。12月に解体を終えると、翌年度から土地の特例が外れるためです。家屋の税はなくなりますが、合計がどう動くかは土地ごとに違います。

解体の前に見込み額を聞いておけば、翌年度の通知で慌てずに済みます。

税以外も含めた年間の負担は、空き家の維持費を8項目で計算する記事で整理しています。

税と保険、管理の費用を合わせた一年分の額は、無料の空き家の維持費シミュレーターで計算できます。

自治体独自の軽減と補助金は、契約の前に確かめる

一部の市区町村には、解体後の土地の税を軽くする独自の制度があります(出典:国土交通省 除却後の負担軽減措置。参照資料の一覧へ移ります)。制度があるかどうかや、期間と条件は自治体ごとに違い、全国共通の制度ではありません。

解体の補助金には、工事の契約前に申請や交付決定が必要な制度があります。補助金を使うつもりなら、解体業者と契約する前に市区町村に問い合わせてください。

解体した後の登記と届出

登記されている建物を取り壊したら、1か月以内に法務局へ建物滅失登記を申請します。建物滅失登記は、建物がなくなったことを登記簿に記す手続きで、申請は法律上の義務です(出典:葛巻町 建物を取り壊した時。参照資料の一覧へ移ります)。手続きは、法務局の案内(新しいタブで開きます)で確かめられます。

登記されていない建物なら、法務局での登記の手続きは要りません。代わりに、市区町村へ家屋がなくなったことを届け出て、課税の台帳から外してもらいます。届出の名前や書式は、市区町村ごとに確かめてください。

更地に木を植えたり、駐車場や畑にしたりすると、固定資産税は下がる?

結論から言うと、木を植えても、駐車場や畑にしても、固定資産税が下がると決まるわけではありません。家のない土地は、原則として、どれにしても住宅用地特例の対象になりません。住宅用地特例は、人が住むための家屋の敷地として使われている土地に使われるためです(出典:瑞浪市 住宅用地の特例。参照資料の一覧へ移ります)。建て替えの途中などの例外は、前の節に書いたとおりです。

そのうえで土地の税がどう変わるかは、使い方の名前ではなく、実際の様子を見て市区町村が判断します。

土地の使い方の区分を、地目(宅地・畑・山林など)といいます。固定資産税の地目は、登記簿の地目ではなく、その年の1月1日の現況(実際の使われ方)で決まります(出典:中津川市 地目の認定。参照資料の一覧へ移ります)。

木を植えた土地が山林など別の地目と扱われるかも、1月1日の様子を見て判断されます。植えただけで地目が変わるとは限りません。

駐車場にした土地も、住宅の敷地として使われていなければ住宅用地ではありません。貸駐車場や資材置き場は、原則として住宅用地にならない例として示されています(出典:京都市 軽減措置等。参照資料の一覧へ移ります)。家の敷地の中にある駐車スペースは、ここには含みません。

畑と扱われる目安は、作物を育てるために、整地・種まき・施肥・除草などの手入れをしている土地であることです(出典:米子市 固定資産税Q&A。参照資料の一覧へ移ります)。家の庭の一部で野菜を作る程度なら、その部分を畑とせず、土地全体を宅地とする扱いが示されています(出典:秋田市 庭の家庭菜園。参照資料の一覧へ移ります)。少し野菜を植えただけで、畑と扱われるとは限りません。

家を取り壊した土地を耕して畑にした場合に、どこから畑と扱われるかは、所在地の窓口で聞いてください。

畑と認められても、税が安くなるとは限りません。三大都市圏の特定の市にある市街化区域の農地(特定市街化区域農地)などには、宅地並みに課税されるものがあります(出典:国土交通省 土地の保有に係る税制。参照資料の一覧へ移ります)。

土地の使い方を変えたら、所在地の市区町村の資産税の担当に伝えてください。1月1日に何に使っているかを話し、住宅用地や地目の扱いと、次の年度の税額を聞きます。使い方が変わったときは、登記の変更の有無にかかわらず連絡を求める自治体もあります(出典:吉野ヶ里町 利用状況の変更。参照資料の一覧へ移ります)。

親の名義のまま、または売るときは誰が納める?

親が亡くなった後も、固定資産税の課税は止まりません。相続登記(名義を相続人に移す登記)が済むまで、現所有者申告を求められる場合があります。現所有者申告は、相続人など現に所有する人の氏名・住所等を市区町村に届け出る手続きです(出典:近江八幡市 現所有者の申告。参照資料の一覧へ移ります)。通知書を受け取る代表者の届出を兼ねる自治体もあります。

この申告は、所有権を決める手続きではありません。納税通知書の宛名になっても、その人が家の持ち主や持分に決まったことにはなりません。遺産分割前の共有状態にある土地・家屋に課税される固定資産税は、相続人全員が連帯して納めます。

資産税の担当には、親が亡くなった日が1月1日の前か後かを伝えます。そのうえで、納めていない税や次の納期限、現所有者申告が要るかを確かめてください(出典:大阪市 現所有者に関する申告。参照資料の一覧へ移ります)。相続人が誰か、持分をどう分けるかが分からないときは、法務局や司法書士に相談します。相続の手続き全体の順番は、不動産の相続手続きの記事で確かめられます。

親あてに空き家の文書が届いていたとき

親あてに、空き家について市区町村から文書が届いていることがあります。その指導や勧告が相続人に対してどう扱われるかは、自分で判断しないでください。空き家対策の担当課に、今の所有者、文書の宛名、手続きが今どの段階かを確かめてください。

相続放棄を考えているときや、共有者と話がまとまっていないときは、解体の契約を急がないでください。危険が迫る場合は建物に近づかず、市区町村や消防等に連絡し、必要な応急対応を相談してください。解体するかどうかは、弁護士や司法書士に相談してから決めてください。相続放棄などの手続きは、家庭裁判所で案内を受けられます。

年の途中で売ったとき

年の途中で売っても、その年度の税を市区町村に納めるのは1月1日の所有者です(出典:富山市 年の途中の売買。参照資料の一覧へ移ります)。売った日から、納める人が買主に切り替わるわけではありません。

売買では、引き渡しの日を境に日割りで計算した精算金を、買主が売主に払うのが一般的です。これは売買契約での取り決めで、地方税法で決まった義務ではありません。

売主が受け取った精算金は、税金の還付ではなく、売買代金の一部として扱われます。そのため、譲渡所得(家を売って得た所得)を計算するときの収入に加えます(出典:国税庁 No.3214。参照資料の一覧へ移ります)。申告のしかたは、税務署か税理士に確認してください。売ったときの税金の全体は、相続した家の売却にかかる税金の記事で扱っています。

市区町村には何を聞けばいい?

問い合わせ先は、物件がある市区町村の資産税の担当課です。資産税課や固定資産税係など、課の名前は市区町村で違います。東京23区の物件は、区役所ではなく都税事務所に聞きます(出典:東京都主税局。参照資料の一覧へ移ります)。

まず、最新の納税通知書と課税明細書を探します。親あての郵便物や、税金の書類を入れたファイル、重要書類の保管場所が探す先です。見つからないときは、課税の内容が分かる書類と、その取り方を市区町村に聞いてください。

聞くとよいことの例は、次の5つです。

  1. 今の住宅用地の区分と、対象の面積(小規模住宅用地か、一般住宅用地か)
  2. 土地と家屋、固定資産税と都市計画税のそれぞれの金額
  3. 届いた文書や建物の状態によって、特例が外れる予定があるか
  4. 候補の日に解体した場合の、次の年度の見込み額
  5. 建て替えや被災のときの扱い、自治体独自の軽減や補助金、必要な届出

電話では、次のように切り出すと話が早く進みます。

〇〇市〇〇町〇番の土地と家屋の固定資産税について伺いたいです。
この家屋を〇月に解体した場合、次の年度の土地と家屋の固定資産税・都市計画税の見込み額を教えてください。
解体後の土地の税を軽くする制度や、解体の補助金があるかも知りたいです。

空き家について市区町村から文書が届いているときは、空き家対策の担当課にも連絡します。根拠の条文、指導か勧告か、対象の物件、改善の期限、今も効力があるかを確かめてください。

詳しく:問い合わせの前にそろえるもの

詳しい説明を開く

相続人として問い合わせるときは、次のものを手元に置くと話が進みます。

  • 最新の納税通知書と課税明細書
  • 土地と建物の登記事項証明書や公図(土地の位置と形を示す図面)。手元にあれば
  • 問い合わせる人の本人確認書類
  • 戸籍謄本など、親との関係が分かる書類

必要な書類は自治体ごとに違うため、窓口に確認してください。

残すか解体するかは、税額だけで決めない

固定資産税が上がるのを心配して慌てて解体すると、解体費用に加えて土地の税が上がることがあります。反対に、税を理由に危険な家を残すのも避けたい判断です。税の面から見た違いは次のとおりです。

表:選び方、税の面、ほかに考えること
選び方税の面ほかに考えること
残して管理する勧告がなく、適切に管理され住宅用地と認められる状態なら、特例は続く管理・修繕に費用がかかる場合がある。火災保険を続けるなら保険料も見込む
建物付きで売る勧告がなく、適切に管理され住宅用地と認められる状態なら、売るまで特例は続く。解体費も先にかからない建物の状態を伝えたうえで、不動産会社に売却の条件を確認する
解体して売る解体後に迎える1月1日を基準にした年度から、土地の特例が外れる解体費がかかる。売却が年をまたぐと土地の税が上がることがある

解体するか建物付きで売るかは、古い家を解体して売るかの判断表で比べています。貸す道も含めて考えるなら、売る・貸す・残すの判断表が使えます。

ここまでの内容は一般的な情報です。自分の家の税額や特例の扱いは、所在地の市区町村で確かめてください。

参照資料

e-Gov法令検索「地方税法」参照日 2026年9月29日 ↗e-Gov法令検索「空家等対策の推進に関する特別措置法」参照日 2026年9月29日 ↗e-Gov法令検索「不動産登記法」参照日 2026年9月29日 ↗※12国土交通省「空家法とは」参照日 2026年10月6日 ↗※6国土交通省「地方税法(抄)」参照日 2026年10月6日 ↗※9ときがわ町「住宅用地に対する課税標準の特例について」参照日 2026年10月6日 ↗※2国土交通省「管理不全空家等及び特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)」参照日 2026年10月6日 ↗※11国土交通省「土地の保有に係る税制」参照日 2026年10月6日 ↗国土交通省「土地税制」参照日 2026年10月6日 ↗※7大阪市「税負担の調整措置」参照日 2026年10月6日 ↗※15国土交通省「地域の実情に応じた、一定の空き家を除却した場合の固定資産税等に係る負担軽減措置について(情報提供)」参照日 2026年10月6日 ↗※24国税庁「No.3214 土地建物を売ったときの収入金額に含める金額」参照日 2026年10月6日 ↗※10東京都主税局「不動産と税金」内「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」参照日 2026年10月6日 ↗※1東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」参照日 2026年10月6日 ↗※23富山市「年の途中で土地や家屋を売買した場合、固定資産税はどうなりますか。」参照日 2026年10月6日 ↗※13岐阜市「家屋を解体したとき」参照日 2026年10月6日 ↗※22大阪市「現所有者に関する申告など(賦課期日前に個人が死亡しているまたは法人が消滅している場合)」参照日 2026年10月6日 ↗※21近江八幡市「現所有者の申告が義務化されました」参照日 2026年10月6日 ↗法務局「建物を取り壊した/建物を新築した」参照日 2026年9月29日 ↗神戸市「空き家の敷地にかかる固定資産税」参照日 2026年9月29日 ↗※3鹿屋市「住宅用地の課税標準の特例が解除されると?」参照日 2026年10月6日 ↗※5米子市「固定資産税Q&A」参照日 2026年10月6日 ↗※8京都市「軽減措置等について」参照日 2026年10月6日 ↗※17瑞浪市「土地に対する課税標準額の特例措置」参照日 2026年10月6日 ↗※18中津川市「地目の認定」参照日 2026年10月6日 ↗※19秋田市「庭の一部分で野菜を作っています。この部分は畑として課税にならないのですか?」参照日 2026年10月6日 ↗※20吉野ヶ里町「土地・家屋の利用状況が変わったら連絡をお願いします」参照日 2026年10月6日 ↗※4行田市「空き家Q&A」参照日 2026年10月6日 ↗※14小金井市「住宅用地の建て替え特例制度」参照日 2026年10月6日 ↗※16葛巻町「建物を取り壊した時」参照日 2026年10月6日 ↗