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親の家を相続すると、相続登記の義務化はいつからか、空家法は何が変わったかなど、法改正の話をいくつも耳にします。ただ、法律は公布された日にすべてが始まるわけではなく、制度ごとに開始日も期限も違います。そこで、住まいと相続に関わる近年の改正を、古い順に表にまとめました。自分に関係する行から、詳しい記事へ進めます。
住まいと相続の法改正、いつから何が変わった?
年表には、4種類の日付が出てきます。どの種類の日付かによって、自分がすることが変わるからです。
- 公布:成立した法律が、国民に知らされた日
- 施行:法律のルールが効き始める日
- 適用開始:税の特例などで、新しい決まりの対象になり始める日
- 期限:手続きを済ませる締め切りの日
公布の日に、新しい制度が使えるようになるとは限りません。たとえば成年後見の見直しは2026年に公布されましたが、施行日は公布から2年6か月以内に政令で定める日です(出典:参議院 議案審議情報。参照資料の一覧へ移ります)。
すでに始まった改正と、公布された改正
2023年4月から2026年9月までの改正を、日付の古い順に並べました。日付は、国や自治体の公的な資料で確かめたものです。
| 年月日 | 変わったこと | 関係する人 | 詳しい記事 |
|---|---|---|---|
| 2023年(令和5年)4月1日 施行 | 民法の見直し。越境した枝の切り取り、共有不動産の管理、財産管理制度、遺産分割のルールが変わった(出典:国土交通省 参照条文。参照資料の一覧へ移ります) | 隣の木の枝に困っている人、共有不動産を持つ人、遺産分割が済んでいない人 | 空き家の草刈り・庭木の記事 |
| 2023年4月27日 開始 | 相続土地国庫帰属制度が始まった。相続した土地は、要件を満たして承認を受け、負担金を納めれば国に引き取ってもらえる(出典:法務省パンフレット。参照資料の一覧へ移ります) | 相続した土地を手放したい人(制度が始まる前の相続も対象) | 国庫帰属と売却の比較の記事、国庫帰属の件数の記事 |
| 2023年12月13日 施行 | 改正空家法の施行。管理不全空家等、空家等活用促進区域、空家等管理活用支援法人の仕組みができた(出典:国土交通省 令和5年改正。参照資料の一覧へ移ります) | 空き家を持つ人 | 管理不全空き家の記事 |
| 2024年(令和6年)1月1日 適用開始 | 相続空き家の3,000万円特例の見直し。この日以後の譲渡から、家と敷地などを取得した相続人が3人以上なら上限2,000万円。売った後の取り壊しなども、要件を満たせば対象に(出典:国税庁 No.3306。参照資料の一覧へ移ります) | 相続した空き家を売る人 | 相続空き家の3,000万円控除の記事 |
| 2024年3月1日 開始 | 戸籍証明書の広域交付が始まった。本籍地ではない市区町村の窓口でも、戸籍を請求できる(出典:横浜市。参照資料の一覧へ移ります) | 相続登記の書類を集める人 | 垂水市の広域交付の案内(新しいタブで開きます) |
| 2024年4月1日 施行 | 相続登記の申請が義務になった(出典:能代市。参照資料の一覧へ移ります)。相続人申告登記も同じ日に始まった(出典:日光市。参照資料の一覧へ移ります) | 相続で土地・建物を取得した人(義務化前の相続も対象) | 相続登記の期限の記事、相続人申告登記の記事 |
| 2026年(令和8年)2月2日 施行 | 所有不動産記録証明制度が始まった。ある人が名義人の不動産を、一覧にして証明してもらえる(出典:北九州市。参照資料の一覧へ移ります) | 親の不動産を探している相続人 | 所有不動産記録証明書の記事 |
| 2026年4月1日 施行 | 住所・氏名の変更登記が義務になった。変更の日から2年以内に申請する(出典:三鷹市。参照資料の一覧へ移ります) | 不動産の名義人で、引っ越しや結婚をした人 | 住所変更登記の記事、スマート変更登記の記事 |
| 2026年6月24日 公布 | 成年後見と遺言の制度を見直す民法等の改正法が公布(6月17日成立)。施行日は政令で定める日で、具体的な日は確認できていない(出典:参議院 議案審議情報。参照資料の一覧へ移ります) | 親の財産管理を考えている家族、遺言を書こうとしている人 | 成年後見人に家族はなれるかの記事 |
| 2026年9月3日 施行 | 空家法の一部改正(第16次一括法)。空家等管理活用支援法人に指定できる法人の範囲が広がった(出典:国土交通省 空家法関連情報。参照資料の一覧へ移ります) | 空き家の相談先を探している所有者 | 国土交通省の支援法人の手引き(新しいタブで開きます) |
これからの期限と、施行日を政令で定める改正
2027年以後の期限と、施行日を政令で定める改正です。表の最後の2行の「未定」は、具体的な施行日を確認できていないという意味です。法律が定める期間の上限は分かっています。政令がまだ出ていないと言い切るものではありません。
| 年月日 | 変わったこと | 関係する人 | 詳しい記事 |
|---|---|---|---|
| 2027年(令和9年)3月31日 期限 | 2024年4月1日より前に取得を知っていた相続不動産の、相続登記の期限。知ったのが2024年4月1日以後なら、その日から3年以内(出典:法務省パンフレット。参照資料の一覧へ移ります) | 義務化前に相続し、まだ登記していない人 | 相続登記の期限の記事 |
| 2027年12月31日 期限 | 相続空き家の3,000万円特例を使える譲渡の期限。相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る要件も別にある(出典:国土交通省 空き家特例。参照資料の一覧へ移ります) | 相続した空き家の売却を考えている人 | 相続空き家の3,000万円控除の記事 |
| 2028年(令和10年)3月31日 期限 | 2026年4月1日より前に住所・氏名が変わり、変更登記をしていない分の期限(出典:三鷹市。参照資料の一覧へ移ります) | 登記の住所・氏名を変えていない名義人 | 住所変更登記の記事 |
| 未定(公布から1年以内・3年以内に政令で定める日) | 遺言の見直し。押印の要件をなくす変更などは1年以内、保管証書遺言の創設などは3年以内に施行(出典:成立法律 第45号。参照資料の一覧へ移ります) | 遺言を書こうとしている人 | 日本法令索引の改正法の情報(新しいタブで開きます) |
| 未定(公布から2年6か月以内に政令で定める日) | 成年後見の見直し。後見と保佐を補助にまとめ、必要な範囲で使える仕組みに改める(出典:参議院 議案審議情報。参照資料の一覧へ移ります) | 親の財産管理を考えている家族 | 成年後見人に家族はなれるかの記事 |
この記事の内容は一般的な情報です。自分が対象になるか、いつまでに何をするかは、個別の事情で変わります。登記は法務局か司法書士、税の特例は税務署か税理士、空き家の扱いは所在地の市区町村に確認してください。
相続登記の義務化はいつから?過去の相続も対象
相続登記(亡くなった方から相続人へ、不動産の名義を移す登記)の申請は、2024年4月1日から義務になりました(出典:日光市。参照資料の一覧へ移ります)。相続で土地や建物を取得した人が対象です。
期限は、亡くなった日から一律に数えるわけではありません。自分が相続人になったことと、その不動産を取得したことを知った日から3年以内です(出典:能代市。参照資料の一覧へ移ります)。
義務化より前の相続も、対象に含まれます。2024年4月1日より前に取得を知っていた不動産は、2027年3月31日までに申請します。知ったのが2024年4月1日以後なら、その日から3年以内です(出典:法務省パンフレット。参照資料の一覧へ移ります)。
遺産分割(相続人どうしで、誰が何を受け継ぐかを決めること)で不動産を取得したときは、もう1つ期限があります。分割が成立した日から3年以内に、その内容に合わせた登記を申請します(出典:えびの市。参照資料の一覧へ移ります)。
自分の期限がいつかは、相続を知った時期と遺産分割の状況で変わります。数え方は相続登記の期限の記事にまとめました。手続きで迷ったら、不動産の所在地を受け持つ法務局か、司法書士に相談できます。
分割が決まらないときは相続人申告登記
遺産分割がまとまらないときのために、相続人申告登記という手続きも2024年4月1日に始まりました。自分が相続人であることなどを、法務局に申し出る手続きです。期限内に申し出れば、3年以内に登記するという基本の義務を果たしたことになります。相続人が何人いても、1人で申し出られます(出典:日光市。参照資料の一覧へ移ります)。
ただし、申し出ても名義は移りません。売るときは、別に相続登記が必要です。遺産分割が成立した後の登記の義務も、この申出では果たせません(出典:法務省パンフレット。参照資料の一覧へ移ります)。2つの手続きの違いは、相続人申告登記と相続登記の違いの記事で比べています。
戸籍の広域交付で、書類集めが変わった
相続登記に使う戸籍の集め方も、2024年3月1日から変わりました。本籍地ではない市区町村の窓口でも、戸籍や除籍の謄本を請求できる「広域交付」です(出典:横浜市。参照資料の一覧へ移ります)。
ただし、請求できるのは本人、配偶者、直系の親族に限られます。代理人による請求や、郵送での請求はできません(出典:垂水市。参照資料の一覧へ移ります)。
住所変更登記の義務化と、所有不動産記録証明制度はいつから?
相続登記の義務化に続いて始まったのが、親の不動産を探す手段と、名義人の住所・氏名を最新にしておく義務です。
所有不動産記録証明制度(2026年2月2日)
所有不動産記録証明制度は、2026年2月2日に始まりました(出典:北九州市。参照資料の一覧へ移ります)。ある人が所有者として登記されている不動産を、法務局が一覧にして証明する仕組みです。親の不動産のうち、相続登記が必要なものを探す手がかりになります。
ただし、この証明書だけで、親の不動産がすべて分かるとは限りません。検索の時点で登記に反映されていない不動産(審査中の登記申請があるときなど)は、含まれません(出典:法務省 所有不動産記録証明制度。参照資料の一覧へ移ります)。請求のしかたや、ほかの資料との見比べ方は、所有不動産記録証明書の記事で説明しています。
住所・氏名の変更登記の義務化(2026年4月1日)
2026年4月1日からは、住所や氏名が変わったときの変更登記も義務になりました。不動産の名義人は、変更の日から2年以内に申請します(出典:日光市。参照資料の一覧へ移ります)。相続登記で自分が名義人になったあとに引っ越した場合も、この義務の対象です。
義務化より前の変更も対象で、その分の期限は2028年3月31日です(出典:いわき市。参照資料の一覧へ移ります)。正当な理由なく申請しないと、5万円以下の過料の対象になります(出典:三鷹市。参照資料の一覧へ移ります)。相続登記とは、期限も過料の上限も違います。取り違えやすい点を並べました。
| 項目 | 相続登記 | 住所・氏名の変更登記 |
|---|---|---|
| 義務の始まり | 2024年4月1日 | 2026年4月1日 |
| 基本の期限 | 相続と取得を知った日から3年以内 | 変更の日から2年以内 |
| 義務化前の分の期限 | 2027年3月31日(2024年4月1日以後に取得を知った場合は、その日から3年以内) | 2028年3月31日 |
| 過料の上限 | 10万円以下 | 5万円以下 |
事前の手続きで済む「スマート変更登記」
事前に必要な手続きをしておくと、法務局が職権で住所などの変更登記をするサービスもあります。「スマート変更登記」と呼ばれ、事前の手続きは無料と案内されています(出典:三鷹市。参照資料の一覧へ移ります)。
住民票を移しただけで、この手続きが済むわけではありません。事前の手続きには、登記の申請とは別に、検索用情報の申出があります(出典:法務省 検索用情報の申出。参照資料の一覧へ移ります)。使い方はスマート変更登記の記事で、期限と売却前の確認は住所変更登記の記事で確かめられます。
2023年4月に始まった民法の見直しと、国庫帰属制度
2021年(令和3年)4月28日に、2つの法律が公布されました。民法等の改正法(令和3年法律第24号)と、相続土地国庫帰属法(同第25号)です(出典:日光市。参照資料の一覧へ移ります)。2つの法律で決まった制度は、それぞれ別の日に始まっています。2023年に始まったのは、次の2つです。
越境した枝・共有・財産管理のルール(2023年4月1日)
2023年4月1日には、民法のうち、隣の土地との関係(相隣関係)、共有、財産管理、遺産分割のルールが見直されました(出典:法務省パンフレット。参照資料の一覧へ移ります)。共有不動産(何人かで持ち分を持つ不動産)のルールも変わりました。
形や使い道を大きく変えない変更なら、原則として持分の価格の過半数で決められます(出典:国土交通省 参照条文。参照資料の一覧へ移ります)。ただし、使用中の共有者に特別の影響があるときは、その人の承諾も必要です。所在が分からない共有者がいるときに、裁判所を通じて進める仕組みもできています。
越境した枝は、どんな場合でも切れるようになったわけではありません。切れるのは、木の持ち主に切るよう求めても、相当の期間内に切らないときなどです(出典:みよし市。参照資料の一覧へ移ります)。木の持ち主やその所在が分からないときと、急迫の事情があるときも切れます。
財産管理制度は、裁判所が不動産ごとに管理人を選ぶ仕組みです。所有者が分からない土地・建物や、管理が不適切で他人の権利が侵害されるおそれがある土地・建物が対象になります(出典:北九州市。参照資料の一覧へ移ります)。空家法による市区町村の指導や勧告とは、別の制度です。
空き家の枝や草への対応は、空き家の草刈り・庭木の記事で説明しています。隣の人との話し合いがまとまらないときは、弁護士に相談してください。
相続土地国庫帰属制度(2023年4月27日)
相続土地国庫帰属制度は、2023年4月27日に始まりました(出典:法務省パンフレット。参照資料の一覧へ移ります)。相続などで取得した土地を、一定の要件のもとで国に引き取ってもらう制度です。制度が始まる前に相続した土地も、対象になります。
ただし、申請しただけでは手放せません。審査で承認を受けて負担金を納め、はじめて国の土地になります。建物がある土地や、境界がはっきりしない土地などは対象外です。
共有の土地は、相続などで持分を取得した人を含め、共有者全員で申請します。相続など以外の理由で持分を得た共有者も、一緒に申請します。
条件と費用、売却との比べ方は国庫帰属と売却の比較の記事で、申請や承認の件数は国庫帰属の件数の記事で見られます。申請と相談の窓口は、法務局です。
詳しく:遺産分割の「10年」のルール
詳しい説明を開く
2023年4月1日の見直しには、遺産分割の時期に関わるルールもあります。相続開始から10年を過ぎた遺産分割では、原則として、生前の贈与などを考えて調整した取り分(具体的相続分)を考えません。法律や遺言で決まった割合で分けることになります。見直しの前に始まった相続には、施行時から5年間の猶予があります(出典:法務省パンフレット。参照資料の一覧へ移ります)。
例外もあるため、遺産分割が長く止まっているときは、弁護士や司法書士に相談してください。
空家法の改正は2023年と2026年、何が違う?
空家法(空家等対策の推進に関する特別措置法)は、2023年と2026年に改正されました。2023年の改正は空き家の所有者に関わる仕組みを加え、2026年の改正は相談先になる法人の範囲を広げたものです。
2023年の改正:管理不全空家等への勧告ができた
2023年の改正法は、2023年6月14日に公布されました(出典:国土交通省 支援法人の手引き。参照資料の一覧へ移ります)。施行は同じ年の12月13日です(出典:国土交通省 令和5年改正。参照資料の一覧へ移ります)。
この改正で、管理不全空家等という区分ができました。放っておくと、特定空家等(周りへの悪影響が大きいと市区町村が判断した空き家)になるおそれがある空き家です。市区町村長は、管理不全空家等の所有者に指導や勧告ができます。
指導の文書が届いたときの動きは、管理不全空き家の記事で説明しています。
活用促進区域と支援法人も2023年にできた
2023年の改正では、空き家を使う側の仕組みも2つできました。空家等活用促進区域は、市区町村が区域と活用の方針を決め、空き家の活用を進める仕組みです(出典:国土交通省 改正空家法の概要。参照資料の一覧へ移ります)。全国の空き家に一律で当てはまるものではありません。
空家等管理活用支援法人は、市町村が指定する空き家対策の協力先です。所有者からの相談に応じることなどを担います(出典:国土交通省 支援法人の手引き。参照資料の一覧へ移ります)。区域を決めたか、どの法人を指定したかは、市区町村ごとに違います。所在地の自治体のサイトで、「空家等対策計画」「活用促進区域」「支援法人」の語で調べてみてください。
2026年の改正:支援法人になれる法人が広がった
2026年の改正は、複数の法律をまとめて改める第16次一括法(令和8年法律第27号)に入っています。この法律は2026年6月3日に公布されました(出典:内閣府 第16次一括法。参照資料の一覧へ移ります)。空家法の部分は、9月3日に施行されています(出典:国土交通省 空家法関連情報。参照資料の一覧へ移ります)。
変わったのは、支援法人に指定できる法人の範囲です。指定できる法人に「その他の営利を目的としない法人」が加わりました(出典:成立法律 第27号。参照資料の一覧へ移ります)。指定するのは、これまでどおり市町村です。
改正後の自治体の動き:神戸市の例
改正を受けて、制度を使い始めた自治体もあります。神戸市は、改正空家法による市長の財産管理人の選任申立てを使うため、2024年4月に特命チームを置きました。チームには弁護士2名が入っています。2026年3月末までの申立ては122件で、2024年度が50件、2025年度が72件です(出典:神戸市。参照資料の一覧へ移ります)。
これは申立ての件数で、すべての空き家が売却や解体に至ったという数字ではありません。空き家の扱いで迷ったら、所在地の市区町村の空き家の担当窓口に確認してください。
相続空き家の3,000万円特例は、2024年から何が変わった?
相続した空き家を売ったときの3,000万円特例は、2023年度の税制改正で見直されました。見直しを決めた所得税法等の改正法は、2023年3月31日に公布されています(出典:衆議院 審査経過。参照資料の一覧へ移ります)。
変更が使われ始めたのは、2024年1月1日以後の譲渡(売却)からです(出典:国土交通省 空き家特例。参照資料の一覧へ移ります)。2024年以後に相続した人だけが対象の変更ではありません。
2024年1月1日以後の譲渡で変わった点
2024年1月1日以後の譲渡で変わったのは、次の2つです(出典:国土交通省 空き家特例の詳細。参照資料の一覧へ移ります)。
- 家と敷地などを取得した相続人が3人以上なら、控除の上限は2,000万円
- 売った後でも、売った年の翌年2月15日までに、耐震の基準を満たすか全部を取り壊すなどすれば、対象になり得る
この特例は、税額から3,000万円を引くものではありません。売って得た利益(譲渡所得)から差し引く控除です(出典:国税庁 No.3306。参照資料の一覧へ移ります)。上限が1,000万円小さくなっても、税額が1,000万円増えるわけではありません。
使える期限は2つある
特例を使うには、2つの期限の両方を守ります(出典:国税庁 No.3306。参照資料の一覧へ移ります)。
- 制度全体の期限:2027年12月31日までの譲渡
- 相続ごとの期限:相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡
制度全体の期限は、2023年度の改正で2023年12月31日から4年延びました(出典:国土交通省 空き家特例。参照資料の一覧へ移ります)。ただし、全員が2027年末まで待てるわけではありません。たとえば2023年5月に相続が始まった場合、売る期限は2026年12月31日です(想定の例)。
期限は、今後の税制改正で変わることがあります。自分が特例を使えるかは、税務署か税理士に確認してください。条件の全体は、相続空き家の3,000万円控除の記事で6つの問いに分けて確かめられます。
成年後見と遺言の見直しは公布済み、施行日は政令で定める
成年後見の見直し
成年後見制度は、判断する力が十分でない人の財産管理などを、家庭裁判所が選んだ人が支える制度です。この制度と遺言の制度を見直す民法等の改正法(令和8年法律第45号)が、2026年6月24日に公布されました(出典:国立国会図書館 日本法令索引。参照資料の一覧へ移ります)。成立は6月17日です。
改正では、後見・保佐・補助(支えの度合いで分かれた3つの類型)のうち、後見と保佐をなくして補助にまとめます。必要な範囲で使える仕組みに改める内容です(出典:成立法律 第45号。参照資料の一覧へ移ります)。親の財産管理や、意思決定の支え方を考える家族に関わります。
施行日は、公布の日から2年6か月を超えない範囲で、政令で定める日です(出典:法務省 成年後見・遺言の見直し。参照資料の一覧へ移ります)。2026年10月までに編集部が確かめた範囲では、施行日を定めた政令は見つかっていません。町田市が2026年10月1日に更新した案内も、「今後施行される」法律として扱っています(出典:町田市。参照資料の一覧へ移ります)。ただし、政令がまだないと確かめられたわけではありません。
家族が後見人になれるかや、実家を売るときの制限は、成年後見人に家族はなれるかの記事で説明しています。個別の申し立ては、家庭裁判所や、弁護士・司法書士に相談できます。
遺言の見直しは、別の日程で始まる
同じ改正法には、遺言の見直しも入っています。遺言の押印の要件をなくすことと、電子データなどを使う「保管証書遺言」をつくることです(出典:参議院 議案審議情報。参照資料の一覧へ移ります)。
施行の日程は、成年後見とは別です。押印などの変更は公布から1年以内、保管証書遺言の創設などは3年以内に、それぞれ政令で定める日から施行されます(出典:成立法律 第45号。参照資料の一覧へ移ります)。どちらも、2026年10月までに確かめた資料では、具体的な施行日を確認できていません。
詳しく:今ある後見は、施行と同時に終わる?
詳しい説明を開く
改正法の附則(施行の時期や移り変わりの扱いを決めた部分)には、施行前に始まった後見などの扱いが書かれています。特別な定めがある場合を除き、これまでの例によるという内容です(出典:成立法律 第45号。参照資料の一覧へ移ります)。そのため、今ある後見が、施行と同時にすべて終わるとは限りません。施行が近づいたら、家庭裁判所や法務省の案内で扱いを確かめてください。
この表を引用するとき
このページの表は、記事・資料・SNSなどで自由に使えます。そのときは、出典として「住まいのよりみち」の名前とこのページへのリンクを示してください。
数字を書き換えたり、元の意味を変えたりしないでください。出典の書き方は、次の1行を使えます。
出典:住まいのよりみち「相続登記の義務化はいつから?空家法・成年後見まで住まいと相続の法改正年表」(https://sumaiyorimichi.com/sozoku/housing-inheritance-law-changes-timeline)表の日付は、国や自治体の公的な資料から編集部が写してまとめたものです。具体的な施行日を確認できていない行や、税制改正で延びることのある期限は、あとで変わる場合があります。引用する前に、各行の※の資料で最新の内容を確かめてください。
更新の記録
| 更新日 | 内容 |
|---|---|
| 2026年10月7日 | 公開。2026年10月時点で公的な資料により確かめた公布日・施行日・期限で作成 |
法律が改正されたときは、年表に行と出典を足し、この表に記録します。成年後見と遺言の施行日を確認できたときや、相続空き家の特例の期限が変わったときも、該当する行を直します。
